「2023年度エコガーデナー養成講座」受講生レポート6月・水曜クラス

水曜クラス6月のレポート担当は、あっちゃんさんです。
実践してみるほどに とても奥が深い剪定の授業、私も参加したかったです!
サポートスタッフ 大沢

シモキタ園藝学校エコガーデナー養成講座、
第三回は「やさしい剪定のはなし」を座学と実践で学びました。

そもそも人のいない自然淘汰が起こる山中などでは剪定を必要としていません。
剪定は本来不要なことをヒューマンスケールに合わせてもらう行為なので、できるだけ負担をかけないことが植物へのマナー。
その為には剪定する「位置」「時期」が大切です。

では正しい位置とは?

Ⓑのブランチカラー(枝の付け根の膨らみ部分)に沿ってカットすること。
防御層を残してカットできるのでかさぶたのように切り口が塞がります。
(上条祐一郎『剪定「コツ」の科学』講談社,2016年)
かさぶたのような切り口

防御層を傷つけてしまうフラッシュカット(A)や、枝の切り口が枯れやすい
スタブカット(Ⅽ)は、腐朽菌が侵入しやすくなってしまいます。

(Ⅽ)スタブカット

次に正しい時期とは?

(上条祐一郎『剪定「コツ」の科学』講談社,2016年)

落葉樹は養分も溜まっていて葉も落ちている時期に剪定するのが望ましい。
常緑樹は真冬・真夏と4、5月は避けて小まめに剪定(お彼岸や3月、6月~7月初旬)するのが望ましい。

受講生からは「枝葉が増える夏に剪定していました!」という声もチラホラ。
私も見た目の良し悪しだけで剪定を行っていて植物自身のことを考えていませんでした。いかんいかん、自分都合の剪定が枯らすことに繋がっていたかもしれない。
養分と伸長の変動を理解して剪定の時期を見極める必要がありますね!

さて「位置」と「時期」がわかったところで、ではどの枝を剪定すれば良いのでしょう。剪定の教本はあれども、それらはどうしても二次元での解説になってしまいます。しかし実際は三次元の世界。いくら平面の図説を頭に叩き込んでも
現場ではどれがそれに該当するのかわからず手が止まってしまうそう。
(逆に二次元で多面的な図説にしてしまったら、きっとキュビズムのようになって却ってわけわからんな!)もうこれは実際にハサミの使い方を学びながら、コツを掴んで感覚を養っていくのが大事!

ということでいざ実地へ。

現場へ向かう途中のボーナストラックにてブランチカラーでカットされた木を発見。


「この枝はどこに向かっていこうとしているのか」「根本からカットした方が良い枝なのか」など観察して剪定するのだそう。

→芽の位置から枝が伸びる方向に注意して長さを詰めるのが「切り戻し」
→付け根から枝を抜いて骨格を決めていくのが「透かし」

アウトラインで見てカットをしない…
ここでもまた見た目だけで剪定をしていた自分に響きます…。

ハサミの使い方と剪定する枝のアドバイスを受けながら部員も実践。

◎剪定前(寄り)

◎剪定後(寄り)

◎剪定前(引き)

◎剪定後(引き)

植物それぞれのボリューム感が見えてきて前後の立体感も出ました。
空気が抜けていくような心地よさが生まれて枝は短くなったのに生き生きしているように感じられます。
そして手を動かして変わっていく様を体感するのも気持ち良かったです!

今回の講座を受けて、住宅の庭や街中のお手入れが行き届いていない植物の景観が気になって、私が剪定するならこんな風するだろうか…などと想像するようになりました。今はまだ想像がほとんどですが、これから少しずつ手を動かすことも覚えていきたいと思いました。

6月レポート担当>水曜クラス あっちゃん

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