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ジャズ・コンポジション「スルーコンポーズドチェーンとモティーフ」
スルーコンポジションスタイル
セクションの繰り返しがなく、1960年より一般的になってきたスタイルを、スルーコンポジションスタイルと呼びます。
aabaやabacなどのフォームを持たず、abcd.....と新しいフォームが展開されていくような形を持ちます。
このスルーコンポジションスタイルに統一感をもたらすために、モティーフの反復および発展を意識する必要があるます。
モティーフの変化
以下のようなモティーフの変化を加えて楽曲を発展させることで、楽曲全体にバリエーションを与えつつ統一感をもたらします。
モティヴィックレピティション(モティーフの反復)
1,3小節で同じモティーフをそのまま反復使用
モティヴィックシークエンス
1,3小節で移調したモティーフを使用
モティヴィックディスプレイスメント(モティーフの配置換え)
1小節目のB♭-Aの進行を、小節内の違う場所(1小節目後半)で使用
モティーフトランスフォーメーション(モティーフの変形)
1〜3小節目は、リズムが同じですがピッチが異なるモティーフトランスフォーメーションです。
以下は1,3小節はピッチが同じでリズムが異なるモティーフトランスフォーメーションです。
モティーフの装飾
3小節目は1小節目をネイバートーンで装飾しています。
トーナルインヴァージョン/イグザクトインヴァージョン
下記の例はトーナリティに沿ってモティーフを逆方向へ転回してるトーナルインヴァージョンです。
対してトーナリティを変えてしまって、インターバルを維持するのはイグザクトインヴァージョンと呼びます。
短2→長2という関係が維持されています。
メロディの原型と転回したメロディは鏡写しになり、その境界をピッチアクシスと呼びます。境界は色んな場所に設定できます。
1小節目はg、2小節目はb♭、3小節目はdにピッチアクシスを設定しています。
レトログロード
メロディを逆方向から演奏するモティーフ変化をレトログレードと呼びます。
メロディのみ反転したものをインイグザクトレトログレード、
リズムも反転したものをイグザクトレトログレードと呼びます。
オーグメンテーション/ディミニュション
元の音符を拡張するのをオーグメンテーション、
短縮するのをディミニュションと呼びます。