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「リスクがどれくらい高い環境なのか」を知ろう_20220322つぶやき

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内容

世界の投資家が今世の中に対するリスクをどう見ているのでしょうか。
直近でいえば、ウクライナ危機がまさに「リスクオフ」の環境になっていますが、果たして今はウクライナ危機が始まってからと比較して、リスクがどれくらい高いと投資家に見られているのでしょうか。
今日は、「リスクが高い・低いと言われているが、数値化して見る事は可能なのか」という話。

VIX(Volatility Index)指数

一つ、リスクの高い・低いを知るための指標として、頻繁に用いられるのがVIX指数という指標です。日本語では別名「恐怖指数」なんて表現もされます。

Volatility Index という名の通り、Volatility (ボラティリティ)を指数化したものになります。

Volatility とは

「変動性」という訳が一応あるみたいですが、適切な訳が見つからないので「ボラティリティ」と使われることが多いと思います。長いので、Vol (ボル)と言われることも多いです。
ざっくりいうと、「物の値段など、数字化される指標が、どれくらい激しく動くのか」という物になります。σ(標準偏差)と類似の概念になります。
そして、実は金融市場で「ボラティリティ」と言う時、実は2つパターンがあります。

Realized Volatility 

Realized (実現された)という表現の通り、「実際にどの程度ボラティリティがあったのか」を振り返ってみる指標です。
例えば、過去1か月・3か月、どれくらい金融市場が荒れた(あるいは穏やかだったのか)というのを振り返って測る指標になります。
これの算出は非常に簡単で、過去のマーケットの数字を引っ張ってきて、標準偏差の計算をすれば出せます。

Implied Volatility (IV)

対して、Implied Volatility という指標もあります。Implied (示唆された)とある通り、「今後、どれくらいのボラティリティの相場になるのか」というのを見越した数字となります。
VIX 指数は、このImplied Volatility をベースに作られている指標なので、「今後どれくらいのボラティリティになると投資家は想定しているのか」という「将来の予測Volatility」を表すデータになり、「高い=市場が荒れると思っている」「低い=市場は落ち着くと思っている」という観点で、「恐怖指数」と言われています。

今のVIX指数は、どれくらいの水準なのか

出展: yahoo finance (3/21/2022)

上記は過去6カ月のVIX指数を見た数字になります。こう見ると、VIX指数は平時(2021年11月頃:コロナ感染状況が世界的に落ち着いていた+ウクライナ危機前)と比較すると高い水準にあると見えますが、実は3月上旬のウクライナ進行激化時と比較すると、だいぶ落ち着いてきているというのが分かります。
あくまでもVIXだけ見た場合ですが、投資家は市場のダウンサイドリスク(大幅に価値が下がるリスク)について、前ほどは警戒していない状態です。

出展: yahoo finance (3/21/2022)

ちなみに、yahoo finance上表示される最大期間で見ると、こういう状況です。
- 平時は20割れ水準で推移
- 若干警戒心が高まる環境で20を超える
- 30、40超えは1年に1回あるかないか、ぐらいの警戒すべきイベント
というイメージです。
リーマンショック時は過去最大の89.53、コロナショック時は85.47という水準でこの2つが目立ちます。それ以外には、ギリシャ通貨危機(2011年)が高い水準となりました。
一方で、中国恒大の倒産が一時期話題になったときは結局25程度にしか上昇せずで、さほど投資家は警戒していなかったことが見受けられます。
今現在のVIXも25くらいなので、イメージ「中国恒大の倒産がニュースとして大きく報道されたときと同じくらいのリスク値なんだな」と思っていただくのがよいかと思います。(中国恒大は、直近またリストラクチャリングで話題になっていますね。。。)

結論:  VIX指数から見る今のマーケットのリスク値は「前ほどは高くない」

VIX指数から見ると、投資家はウクライナ危機について、現在かなり落ち着いてみている状況だと思われます。
ここから先、更にVIXが上昇するシナリオとして想定しているのは、主に下記3つです。
① 新型コロナの再拡大
② ウクライナ危機の影響拡大(核戦争の危険性、ポーランドその他周辺国への進行の危険性、NATO直接介入シナリオなど)
③ インフレ関連(全世界的なインフレ加速、中央銀行による金利コントロールの成否など)
直近、主に気になるのは②かなと思います。個人的な見解としてはウクライナとロシアの交渉は平行線をたどっていますが、ロシアとしても戦争を中長期化させられるだけの体力も徐々になくなっていることを考えると、ここから先再度VIX指数が高くなる(=ボラティリティが高くなる)状況にはなっていかないのでは。。。と考えています(一部希望的観測も入っていますが。)

次回

全然ベンチャー界隈に関係ない話なのですが、せっかくimplied volatilityについて書いたので、次回は「implied volatility はどうやって取引されているのか」という話について書きたいと思います。
若干マニアックな話になります。

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