【朗読時代小説】「熊の死骸」半七捕物帳29/岡本綺堂作  朗読七味春五郎  発行元丸竹書房

この熊の死骸は、29話目ですが、事件としては、大坂屋花鳥、石灯籠のあと、ちなみに「お文の魂」は56事件目。

 半七、このとき、23才で、青山権田原からの出火というのも史実。
 半七捕物帳のうち、もっとも古いのは「小女郎狐」

https://youtu.be/J46-rY8ENmg

 で、このとき半七は生まれていません。このあと、「白蝶怪、夜叉神堂、旅絵師、槍突き」と記載の事件が続きますが、槍突きのときが三歳だそうで、最後の事件となった筆屋の娘のときが、45歳。

 もっとも半七の生年は、一度変わっており、当初の生年月日は、天保七年1836年でした。昭和四年に、文政六年1823年の生まれに変わりました。

 当作に出てくる子分の松吉。ひょろひょろと背が高いので、ひょろ松の仇名がある。上野付近在住で、酒好き、古酒新酒の嗅ぎ分けのできる鼻利き。全七二事件のうち、十九の事件に登場。養父吉五郎の跡目をついで間のない熊の死骸事件に登場することから、吉五郎から受け継いだ子分ではないかとの説もあります。

 ちなみに、半七捕物帳に登場する子分の総数は11人だそうです。



■用語集
三田の魚藍……細川越中守の中屋敷に魚藍観音があり、その前の坂を魚藍坂、その町屋を魚藍前といった。その辺りを三田の魚藍といったもよう。類焼……もらいび
永代橋の落ちたとき……文化四年八月にあまりの人出に、重みで橋が落ちたときに、気づかずにすすむ群衆をとある侍が刀を抜いてくいとめたと、武江年表は記録している。
三助……銭湯で、風呂を沸かしたり、客の背中を流したりする男。
畢竟……つまるところ。結局
因業……結果を生む原因となる行為
千手観音の上這い……虱が表面にでて這い回ること
枕辺……まくらもと。枕頭
粂の仙人……今の奈良県吉野町の竜門寺にこもって、仙人となった。花の寺で知られる久米寺を建立したと言われる。女の脛にみとれて神通力を失った故事がある。


■登場人物
松吉……半七の子分
勘蔵……車湯の三助
絹……備前屋という生薬屋の一人娘
四郎兵衛……備前屋の番頭
弥平……半七の同業。高輪の伊豆屋。
彦八……弥平の子分。
六三郎……小博打をうつ小どろぼう。
百助……車力
伝吉……六三郎の仲間

■この動画の目次
0:00 一
9:59 二
21:03 三
35:48 四
#半七捕物帳 #オーディオブック #岡本綺堂

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