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私について その4

労働者の負担

就労継続支援施設は一般の会社が運営しているとは言え、資金が潤沢にあるというわけではありません。その施設において利用している障害者が数十人いるのに対し、管理する社員は数人。その為、障害者自らが判断し自らが動かなければならないという状況もたまにあります。当時、この施設ではしいたけ栽培の生産管理をMicrosoft Excelで行っていました。生産量の入力は利用者が行って、その集計を社員が手動で行う、という形でした。社員が別の仕事で忙しいときは利用者が代わりに行うという事も高頻度でありました。施設に来てから2年くらい経過したある日、社員から私にデータを管理するシステムが作れないかという相談がありました。私は利用者の作業の負担を減らしたいと考えていたので了承しました。もちろん特別手当が支給されるわけでもなく、通常の栽培業務をやらなくてもいい、というわけでもありません。通常の栽培業務と調整しながら同時並行で開発してほしい、という事でした。

データ管理システム

データ管理システムは、大きく分けて生産管理、販売管理の二つのコンポーネントで構成されています。生産管理は私が担当し、販売管理はその社員が担当という事になりました。環境はMicrosoft Access, Microsoft Excel, Form, VBAという組み合わせです。Accessで品質毎に入力された収穫量をもとに、自動起動したExcelで週単位の収穫量、生産棚毎の収穫量を集計しレポートにまとめ、それを毎朝、栽培棟内の掲示板に貼り出す、という流れです。このシステムが完成し一緒に働く仲間たちがオペレーションを覚え、運用が軌道に乗った時、私たちの負担が大きく軽減されました。その事は、その当時の私にとって大きな喜びでした。今でも本当に作って良かった思います。

新しい仕事

データ管理システムの開発を終えた頃、私は今のしいたけ栽培とは別の何か新しい仕事を始めたいと考えるようになりました。ここを卒業して健常者として仕事をして収入を得たいと考えました。いろいろ探していくうちに、農業が面白そうだと考え、いくつか農作業のスタッフ募集に応募をしてみましたが、全て断られました。基本的には近隣在住である事が条件のようでした。次に私はオンラインスクールに興味を持ち、やってみようと思いました。オンラインスクールは場所と時間に縛られない働き方が出来、私にはとても眩しく見えたのです。就労継続支援施設を辞めた後、オンラインスクールでしいたけ栽培のスクールを開こうと準備を進めました。しかし、最後の段階で「本当にこれが自分がやりたい事なのか?」と疑問を持つようになりました。どうしてもこのスクールの将来がイメージとして浮かびませんでした。オンラインスクールをやってみたいという動機のひとつに、就労継続支援施設時代の賃金の安さに不満があり、オンラインスクールでもっと稼ぎたい、という動機があった事も事実です。本来、オンラインスクールは、お客様に大切な何かを伝える手段の一つであって、それが全てはない、という事です。私の動機は全くの逆に思えたのでした。しいたけ栽培のノウハウをそこまで情熱的に伝えたいと思ってなかったのです。この期間は4か月間で最後は貯金が底をつきました。

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