大寒波の稽古
誰もいないところに向かって「お前の思い通りなんか、なってやるからな」と呟いている。
お前と言うのが誰を指すのかはわからない。
だけど確かに‘お前’に向かって話してはいるのだ。
日々何かと戦っている。何かというのも、何を指すのかはわからない。
だけど確かに己の周りにうごうごと漂っている‘何か’に絶対に負けたくないと思っている。
そういうことを思う今日。
大寒波である。
大寒波。不要不急の外出は控えろという文字面がチラチラとテレビやネットニュースに並ぶ。
だがしかし、東京は雪も降らず、交通も特に大きな停止はしていない。
したがって、まあ普通に稽古である。
ぶっちゃけ大変嫌である。
大寒波の稽古、嫌だ!
だって寒いじゃん!
い〜や〜だ〜!!!
うっかり駄々っ子になってしまうくらいは寒い。不要不急の外出はやめよう!お部屋でぬくぬくと温まって水炊きでも食べよう!
そんなことを言う演出家がいたらみんな好きになっちゃうね。
そんなことを言える演出家の器ではないので、粛々と稽古です。
本日はコヒツジズの河野、亜カリと客演の内藤羊吉さん、岡教寛さんと稽古でした。
男だらけである。
内藤さんは2度目、岡さんは(本公演は)初のコヒツジズ参加になります。
お二方とも胆力のある役者である。
コヒツジズはなんというか、喋りに特化していない団体なので(言い草)、喋れる役者は非常にありがたいのだ。
とにかくやっていこうの日々の中で、形が見えないのが一番辛いが、今日でようやく形が見えてきてホッとした。
内藤さんは変な役でも主人公然としてくれる達者なのに面白い人で、岡さんは真面目に取り組んでくれながら空気を壊さない壊し方をするので、一緒に板に立っている人たちは楽しいのではないかと思う。
まだまだここからという気持ちもあるが、みんな楽しくやってくれたらいいなの気持ちが大きい。
ただ、己の不甲斐なさだけが残る。
不甲斐ね〜けど、不甲斐ね〜と言ってる場合じゃない。
まだ書けていない台本を書く気持ちを高めて、今日は寝る。