マイノリティについて考える。
最近、大手航空業界か機内アナウンスをladies &gentlemanからeveryoneもしくはall passengerに切り替えるという報道を耳にした。
近年話題のLGBTに配慮してのことだという。
最近この手の話題が多い。LGBTだけに限らずマイノリティと呼ばれる人たちの顔色をうかがって発言が必要な世の中らしい。
一方で数年前は市民権を得ていた喫煙者が迫害を受けている。自分も喫煙者なのでここ5年くらいの嫌煙社会を痛いほど身に染みる。
昔は白い霞のような空間が当たり前だったパチンコ店でさえ自由に吸うことさえできない。喫煙者もタバコの値上げと共に大分減ったであろう。
今ではLGBTも愛煙家も同じマイノリティなのに随分捉えられ方が違う。むしろ昔と最近を比べると真逆かも知らない。
昔、会社でリゾート開発の仕事をしていた時に出会った人がいた。
その人はずいぶんやり手で富裕層を相手にする開発で手腕を発揮し、世界をまたにかけて仕事をしていた。
まだ建築設計を仕事にして数年の若造にはその頭の回転の速さに非常に驚き、勉強させてもらい、眩しささえ感じていた。
その人と設計の仕様について議論する時によく言っていた言葉がある。
「上下5%の人は気にしなくていい!」
確かに上下5%を無視しても残り90%を相手にすれば良い。10%を意識するあまり90%にそっぽをむかれてしまえば元も子もない。
経済的なターゲットを考えれば非常に単純で合理的だ。当たり前の話だが当時の自分には目からウロコだった。
みんなの意見を全て満たす必要はない。より多くの人が良いというものの考え方をすればいい訳だ。
自分は決してLGBTが嫌いな訳でもないし、嫌煙を否定するつもりもない。障害者を差別するつもりもないし、黒人が嫌いでも、嫌韓でもない。
マイノリティはマイノリティとしての受け皿があればいいだけだと思う。
インターネットで繋がることが当たり前になり、ニッチな趣味や、オタクと言ったマイノリティ同士が繋がれ、昔より同意してくれる仲間が作りやすい世の中になった。
マイノリティは生きやすい時代になっていると思う。
人の欲望には際限がない。だから少しでも自分の権限を大きくできるチャンスが有れば声高に自分の権利を叫ぶようになる。
そうしてマイノリティは市民権を得ていく。
ここで気をつけたいのはマイノリティは言葉の如く少数派だ。
上下5%の人たちのために90%の人をないがしろにしてはならない。
自分たち設計者はオートクチュールを作るが、一般的に90%を相手に仕事をしていることが多い。
上下5%を対象にするためにはどこかにズレる部分が必ず出る。
視覚障がい者にとって必要な点字タイルをお金をかけて設置しても、車椅子利用者にとって邪魔な存在になるように…
実は少数派を相手にした方が新たな発想が出てきて冒険的な面白い仕事ができる場合が多い。
気持ちとしては上下5%を相手に仕事をしたい自分がいる。
そういう意味じゃ自分こそマイノリティなのではなかろうか。
マイノリティ万歳!!
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