【ダイヤ改正】SL大樹撮影事情、激変!
はじめに
現在「Vの理論」本文を執筆中ですが、今回はそれとは別に東武鉄道のダイヤ改正情報を踏まえた新年度からのSL大樹の撮影事情を考察していきます。
東武鉄道のダイヤ改正に関するニュースリリースは、昨年12月16日付で発表されました。以下のリンクからご覧ください。現行ダイヤはこちら。
https://www.tobu.co.jp/cms-pdf/releases/20221216095003CgiPlyiMuAYy0ETMej1V2g.pdf
私の被写体はSL大樹なのでこの中の日光鬼怒川エリアの内容に絞ります。
最後のページに「SL・DLと特急列車の接続向上」という項目があります。表向きには大樹の各列車と特急列車の乗り換えをスムーズに行う事を宣伝した内容ですが、そこに書かれている大樹の運転時刻に私は度肝を抜かれました。
4号・5号交換が終焉
ヒェッ…
2020年改正で2編成体制になり、途中駅での交換という新たな名物シーンが生まれましたが、僅か3年で消滅となります。
2020年改正では「SL大樹1~6号」の3往復体制から、「SL大樹1~2~5~6号」「DL大樹3~4~7~8号」の2編成4往復体制に増便。「SL大樹5号」が大桑駅で12分運転停車し、その間に「DL大樹4号」が通過するダイヤでした。同年12月26日に真岡鐵道から引退したC11 325が東武でデビューして以降はSLの2両体制が確立され、C11のすれ違いを拝むべく全国からSL爺がやって来たものです。私は2回ほどしか撮りませんでした。
2022年改正では交換駅が大桑から新高徳に変更され、交換待ちをする列車が5号から4号に変わりました。新高徳の交換は外から撮りにくいため撮影者は減少した気がしますが、たった1年しか見られないシーンとなるため撮るなら今のうちに撮っとけ葬式鉄諸君。
改正後は下今市で両者交換となります。4号が着いてすぐに5号が発車。当駅で上下列車が並ぶのは実は初なので、新たなシーンが生まれます。
変わる追っかけ事情
また、2号にも若干の時刻変更があるようです。従来の時刻表と比較してみれば分かりますが、鬼怒川温泉発車が現行ダイヤから2分遅くなります。しかし下今市到着は変更なし。これは新高徳での運転停車が4分から2分になるという事です。追っかけ先ではポジショニング、フレーミング、セッティングまで迅速に行う必要があり1分2分の違いが大きく影響します。少しだけ余裕がなくなると思ってください。
そして、4号が下今市まで直行する事になると従来5号を待避するために設けられていた新高徳での15分停が消えるため、スジが立ちます。4号を1発撮って新高徳以南まで先行して一旦5号を1発撮ってから4号の2発目を撮るというトリッキーな追っかけプランは使えなくなります(果たして身内以外でコレをやってた人は居るのか?) 。
5号は下今市発車が30分繰り下げとなります。下今市で交換する事で追っかけ撮影自体は楽になり、稼げるカット数も増えます(4号のバカ停の合間に1発刻むだけだった5号を2発以上撮影可能になる)。また、ふたら運用の時は「ふたら72号」が東武日光~下今市~鬼怒川温泉となり、鬼怒川線内を5号のスジで走りますが、5号の時刻変更にともなって東武日光線内のスジも繰り下げとなります。
ちなみに7号が無記載という事は大きな変化がないとみていいでしょう。
待望の時変?
6号繰り上げキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
現行ダイヤでは日没の早い時期でほぼ全区間影落ちしている「冬光線の大敵」6号が、特急接続の向上を名目に30分も繰り上げられます。
これの凄いところは、倉ヶ崎ストレートが(ほぼ)オールシーズン撮影地に化ける点です。倉ヶ崎までの区間では、線路西側にある山脈に冬の夕陽が沈んでしまう所謂ドボンが難点です。
倉ヶ崎ストレートの中でも定番となっているSL花畑を16時5分頃に通過する6号を影落ちせずに撮るには、私の経験から太陽高度10度が限界で、日没が17時より早くなると一旦シーズン終了となります。現行ダイヤでは10月中旬から翌年1月下旬まで(105日前後)がそれに該当し、一年のうちで最も太陽が低く光線も綺麗な時期に晴れカットを撮れないという致命的な欠陥となっています。
新ダイヤの6号は倉ヶ崎を15時35分頃に通過。オフシーズン期間が11月中旬から1月上旬まで(50日前後)と半減します。定番より500m下今市寄りの3.1キロポストではオフシーズン期間がなくなり、日没が最も早い11月下旬から12月中旬までの間でも撮影可能となります。この期間の太陽高度は7.9度で、限界光線とはいかずとも太陽高度10度以下のエロ光を満喫できます。
また、鬼怒川温泉の発車時刻を比較すると所要時間が2分伸びており、ほぼ確実に新高徳での運転停車が2分から4分になるでしょう。ゆとりある追っかけ撮影ができるようになります。
ただ、この変更も手放しに喜ぶ事はできません。最も太陽高度が低くなる時期に有効なギラリやシルエットは今までのように撮れません。ギラリの光が弱まる事が最大のデメリットと言えます。改正前に葬式しようとしても、既に6号ギラリシーズンは終わってしまいました。ただし、8号は現行ダイヤを継続とみられるので、ギラリ・シルエット・マジックアワーを狙うのは8号となる見通しです。
総括
いかがだったでしょうか。私が見る2023年改正は、全体としては一長一短です。従来の撮影プランを大幅に見直す事になりますが、新ダイヤでどのようなVカットが撮れるか今から楽しみです。そして改正で見納めとなるシーンは今年度撮れた人達が得しましたね。SL大樹が絶滅する事はこの先しばらくないと思いますが、細かいところは年々変わっているので、やはり撮れる時に撮っておくことが賢明です。
それでは沿線でお会いしましょう。