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Phase One H20・デジタルバックで感動した話

こんにちは。今回はオタク話。

中判カメラ用のデジタルバックってあるじゃないですか。商業写真スタジオとか、そこそこカメラ系にお金かけてる界隈で観ることのある、定価ウン百万もするような機材です。

この記事の中では接続できるカメラごとにまとめていきます。

出会い

デジタルバックの歴史は意外と古くて1990年代後半からその概念はプロユースとして受け止められていたものでした。とは言え解像度は大したことなかったようなのでフィルムの補佐のようなものだったようですが。当時からLeafとPhaseOneが有名だったようですね。

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今回僕が触れたデジタルバックはフェーズワンのH20という機種。2001年発売の機材です。19年前…。家にある19年前の写真なんてまだフィルムしかなかった気がします。

画素数は1600万画素。(一応、4K対応ですね笑) 接続はFirewire。液晶ディスプレイやバッテリーはなく、PCとのテザー接続が前提になっています。単体駆動は無理。新しめのMacBookとかだと電力足りなくて駆動しません。古いボディが必要とのこと。かなりシンプルな構成です。

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H20はVマウントのデジタルバックなのでハッセルブラッドのデザインに最適化されています。

つなぐと本体のLEDが点灯してピッ!っとお返事してくれます。撮影OKの合図。一回接続されるとキビキビ動きます。

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ハッセルブラッド側には同調ケーブルを刺さないけません。とりあえず脇腹のとこに接続。(基本使わん場所らしいけど)

Hasselblad 500C

まずはハッセルブラッドで撮影してみましょう。

記念に自撮り。普通に撮れちゃってびっくりです。1969年のボディでデジタル写真が撮れてる…すごい…。

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例によって遠出は出来ないので家の中と近所にあるものを撮りましょう。

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えー、凄い良い…。(ボキャ貧)

ハッセル用のレンズのあの艶めかしさがちゃーんと出ていますし、1600万画素とは思えない解像度。コダックセンサーの産む独特のカラー。まるでポジフィルムのような透き通るカラーです。2000年代の色!

RAWデータを拡大してみます。

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すっごい無駄ない…。

1600万画素ってこんなに画質良かったっけ??EOS 1Dとかってけっこう低画素路線でしたがその理由がわかったような気持ちに。

僕はデジタルセンサーの仕組みはよく知りませんが、デジタル写真でもセンサーは大きければ大きいほど強いようです。1画素当たりの面積が広いということですね。

ダイナミックレンジもそこそこでした。当時のカメラで比べたらぶっちぎりで良好でしょう。どアンダーの写真で実験。

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ポジフィルムに似た色合いが出ますがダイナミックレンジがそこそこ広いのできちんと測光すればまったく問題のないクオリティが得られそうです。

今のカメラと比べると案外普通に感じてしまいますが…笑

さすがは、元プロ用機材。びっくりするくらいの描写能力を持っていました。無駄の無さには感動。参考に成れば幸いです。

それにしても今の中判デジタルカメラは〜億画素とか言ってるし恐ろしい…。

Mamiya RZ67 Pro ii

H20はマミヤのRZシリーズでも使用できます。V to RZマウントのアダプターが必要です。(1〜4万円程度)

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RZ67proiiでの作例。ハッセルに比べ接写が向上するのでまた違った楽しみがあります。

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TOYO-VIEW 45G

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フェーズワン純正フレックスアダプター、その他サードパーティ製のアダプタがあれば、4x5判のカメラでも問題なく動作します。主に、トヨ、ジナー向けのマウンターが発売されていました。アオリ、タイル撮影が思いのままです。(しかし、かなり難しい。きちんとしたライティング機材が必要だと感じました。)

ウェイクアップシンクケーブルが有るとスムーズな撮影が出来ます。

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↑3枚の写真を合成

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↑2枚の写真を合成

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↑1枚撮り。

総評

今の時代で考えても十分楽しめるオールド機材でした。(というかこの時代からそこまで変わってない…)

デジタルで有りながらフィルムカメラと同じリズムで撮影できる価値は代えがたいものがあります。

この機種はフルセットで揃えても10万行くことは無いです。デジタルバックとしては入門向けだと思いますので、手が滑ったときにでもぜひ。

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