唯一無二 Leica M9
今更感は有りますが、Leica M9を購入したのでレビュー記事のようなものです。
Leica M9とは何なのか
M9は少し古めのデジタルカメラです。発売は2009年ごろ。時系列としてはCanon 5Dmk2、Nikon D700とおおよそ同時期です。フルサイズCMOSセンサーが普及しだしたような時代ですが、LeicaはM8系から引き続きM9でKodak製CCDセンサーを採用します。「フルサイズCCDセンサーMマウント機」の登場です。M9の個性は不動のものとなりました。その後登場したM-Eも似た感じのカメラです。元々はM9の廉価版でしたが、今の価格帯は少し高め。
CCDセンサーはライブビュー撮影ができないので現在のデジタルカメラと同じような使い方は殆ど出来ないと言えます。テンポが違うという表現のほうが適切でしょうか。なんというか、フィルムMにだいぶ近いんですよね。
また、上の画像を見ていただければ分かるように、M9まで採光窓が残っています。そこまで大きい要素では無いですが、フィルムのM型に慣れた方には素敵なポイントだと思います。
UIはフレンドリーという感じではないですが、慣れればなんのことはありません。強いて言えばISO変更はどうにかならないのかと思いましたが、フィルム的操作を大事にするとなると簡単に感度が変わってしまっては困るので仕方がないことなのかな。(最近のM型では物理ダイヤルに変更されています。)
シャッターが少し面白く、分離シャッターという機能が有ります。レリーズを押すとシャッターが切れ、指を離すと「ジー!」とチャージされる、というもの。当時のデジタルライカはまだシャッター動作がうるさかったのでそれの解決策として提示されている機能です。スナップしたあと、レリーズ押したまま音がしても良いところまで移動してチャージ音響かせる、みたいな。
もちろん普通にシャッターを切ることもできます。レリーズと同時にチャージ音が入るのでライカモーター付けた時のような音がします。
M9は便利なデジカメでは有りません。M10の完成度はびっくりするくらい高まってきていますし、M10-Pのシャッター音なんて拗ねちゃうくらいです。
しかしM9は唯一無二の発色というパワーを持っています。正直コレを再現するのはかなり難しいと思います。
LeicaというカメラとKodakというフィルムメーカーは20世紀前半から同時代をともに存在し、現在まで残り続けています。この21世紀のデジタルカメラ時代、奇跡のコラボレーションのようなカメラを所有できる喜びは他に代えがたいものが有ると思います。
M9というカメラはフィルムとデジタルの微妙な境目のような場所に居るカメラです。センサーはフルサイズだけど、操作はぎこちないし、レンジも狭いです。なんというかこの危うい感覚、少し可愛く見えませんか…?フィルムカメラに抱くような感情に方向性は似ていると思うのですが、M9、如何でしょうか。
フルサイズミラーレス機界の異端児、M9のお話でした。
M9購入において注意点
一部のM9には深刻な持病があります。CCD面の剥離です。
ライカ公式の交換サービスは終了しているので交換品を狙って購入することをおすすめします。CCDのIDが15以上のものが確実に対策品になります。それ以下は怪しい。5は確実に駄目。色々あるようです。
参考記事:Determining New Sensor - M9
海外の修理業者は出てきましたが10万くらいするそうです。
安物買いの銭失いの可能性があるので覚えておいて損はありません。私は非対策品と思われるものを使っています←(汗
こわいなぁ…。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?