秋の西表島2024 マルバネや色々
また、この時期がやってきた。
ヤエヤママルバネクワガタのシーズンである。僕らは今年で2回目。昨年の反省をもとに、60upの採集を目指して。
以前から噂されていたことだが、来年の3月から西表島を取り巻く環境はすこし変わる。
詳しくは
1日目
いつものように、成田空港におりたつ。前泊して多少休んでから早朝便で石垣空港を目指す。
数時間経ったのち……
移動にかなり疲れてしまったので、少し休んだ後、昨年何度か行った場所に赴く。
西表らしい生き物たちによく出会える。天気の塩梅がいいようだ。
しばらく林内を散策しても昨年の木にはマルバネはついておらず、しょぼんとしながら帰路についたが、帰る途中道を間違えた。とはいえ帰り道の途中だしせっかくなので周囲を眺めてみることにした。
すると、
なんとか一頭確認。
その後同行が少し粘り大歯を得てきた。55mmとかなり小さい個体だったが。
初日ということもあり、正直体力も限界だった。
大歯を抜かれた悔しさを噛み締めつつも、幸先が良いので少しウキウキで帰った。
昨年は1匹目を見るまでだいぶかかったから……
2日目
夕方になり、昨日と同じポイントを目指す、が、足を少しぐねったので、僕は少し手前側で頑張ることにした。
林道の登り途中にすでに数匹確認する幸先の良い日。
かなり意外なところにも居たので、マルバネはよくわからないなぁと思った。
ただ、数匹の追加はあったものの大した成果は出ずに終わってしまった。悔しい。出会った同業者らも芳しくないようだ。
3日目
朝起きると、スカッと晴れていた。濡れた服などを乾かして、昼の散歩に向かう。
夕方、先日とは違うポイントに向かってみる。
昨年も入った場所なので、そこまで迷わず入って行く。
一匹居た木はある程度きちんと観察したほうが良いが、その木において一等地と思われる場所に小さい個体がついている時は他の大きい個体などは期待できない。
普段は空いているポイントなのに数グループ来ている雰囲気があった。上手い人が居る時は、見れて中歯までかなぁ、などと思っていた。
ここで、同行からLINEが来る。
「大歯!!!!」
少ししたら行こうかなと思ったが、あまりに今見ているエリアが薄いので
ポイントを捨て大急ぎで向かった。
そして、ついた場所にはとんでもない強さのマルバネ臭と、衝撃的な光景が広がっていた。
このために西表に来ている。脳汁どばどば。昨年の60mm超えの夢はあっさりと叶った。
ああ、今年来てよかった。
兄弟と思われるメスも数頭おり、ブリード用もしっかり確保された。
その日は二人で大はしゃぎしながら帰路についた。まだ22時位だった。その後は、正直よく覚えてない。
4日目
昨日の大歯が夢でないのを確認し、ほっとする。
知り合いが西表に居るみたいなので、今日は半休息日にした。
昼間は有名な林道で蝶々などを探す。
夜になり、集落の外れに向かう。
短時間であったが簡易的なライトトラップを嗜む。
少しポイントを変え、マルバネメインでは見ない場所を夜間ルッキング。
5日目
疲れが溜まってきている。昼までダラダラ眠り夜まで特に何もしなかった。
今日は今まで行ったことのないポイントを攻めてみる。
歩きやすいものの有名過ぎて人が多い。移動可能な範囲が狭いのでなかなかやりにくい場所だなと感じた。
日暮れ直後から小〜中、メスなど、小物を6,7頭見かけ、幸先は良いものの
大きい個体に出会えない。
エリアを変えて、知り合いとLINEしながらだらだら歩いていると……
あら、
そこそこ大きく見える大歯が。さわり心地は63くらいあると思ったが、顎の伸びが悪く、身体のむっちり感。ノギスを当てると61.5くらい。少しがっかりだが、これはこれでかっこいい。
(帰ってから測ったところ62.2であった。)
とりあえず、精神的な満足は得た。
6日目
夜まで十分な休息を取り、まったりと先日大歯を見たポイントに向かった。
マイポイントを経由しながら同行に合流すると素晴らしい個体を得ていた。
おー、マジか……。63を超えると流石に重量感がかなり増している。63台ではあるが、64に迫るサイズだった。
勉強になるなぁ。
ここ数日で見つけていた良い木には小さい中歯しか発見できず、個人的に収穫はなかったが、良いものを見られて非常に満足だった。
7日目
台風がひどく船が出るか不確定になってきた。
同行は帰りが伸びるわけには行かないのでその日の便で帰宅。ここからしばらく1人での行動になった。
その晩は一昨日のポイントに行ってみる。明日から台風らしいので気持ち的には一旦最終日。
同じポイントに入っている人がさらに増えていて、取れる数も明らかに減っている。小歯さえも居ないとなるとかなり苦しい。なるだけ他の採集者とかぶらない場所を選んでいるつもりだが、それでも他の方に出会ってしまう密度感だった。
「こんばんはー。どうですか?」を言うだけのマシーンになっていた。
数時間坊主の時間が続く。こういうときが一番つらい。
かなり高いウロの中にぽつんと中歯が見えた気がした。
竿で落とそうとするもうまく行かない。網も入り込まないウロで色々やっているうちに落っこちてしまった。
でも、数分経つと元の場所に居るのが見える。
何度もトライし、なんとかネットイン。中歯にここまでやるなんて、ばかみたいだ……とおもい、
掴んでみると、大歯だった。そういうこともあるのね。
そのあと、数匹の小歯を見て、そのまま帰路についた。
8日目
雨につき、何もせず。
島で知り合った方とお昼をご一緒した。
宿にカメムシが歩いていたので採集した。
9日目
雨が少し止んでいたので山に入ってみたが、樹皮が濡れており全くクワガタが見つけられない。中、小歯だけ確認し、帰路についた。
10日目
束の間の晴れ間。蝶々などを求めて色々うろうろしてみた。
ただ、夜は雨がひどく採集には行けなかった。
11日目
晴れ予報であったが、車を借りていなかったので近所にできた新しいレンタカー屋でジャイロキャノピーを借りてみた。
12日目
昼間暇だったので例の林道へ。
そこまで成果はなく、戻ってしまった。
夜にはなんとかイボ大のような個体を得る。56ミリ程度。
13日目
台風がまた発生し、明日の船が朝1番くらいまでしか出ないことがわかった。明日以降の宿泊を断られた虫屋も居たようで、多くの人が明日帰りとしたようだ。
本当はもう少し残る予定だったが、急遽切り上げることに。最終日マジックを願ったが、ダメだった。以降写真ギャラリーどうぞ。
14日目
今まで体験したことのない揺れの中船がすすんでいく。多くの船が大急ぎで各島に向かう姿が見れた。八重山を支える船会社の皆さんへの感謝の気持ち。
総括
昨年の目標をゆうに超える良い結果が得られた遠征であったが、台風の影響で森に入れない日があったのが残念だ。
来年はとりあえず63ミリをまったり探したい。
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