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秋の西表島2024 マルバネや色々

また、この時期がやってきた。

ヤエヤママルバネクワガタのシーズンである。僕らは今年で2回目。昨年の反省をもとに、60upの採集を目指して。

以前から噂されていたことだが、来年の3月から西表島を取り巻く環境はすこし変わる。
詳しくは

1日目

いつものように、成田空港におりたつ。前泊して多少休んでから早朝便で石垣空港を目指す。

成田空港の景色、連絡バスから望む。
いつもの格安航空。
飛行機から眼下を望む。成東のあたりだろうか。
小さく見える富士山。しばらくは見られないので最後見られてよかった。

数時間経ったのち……

石垣島に到着。常夏の様相。
港の近くのA&Wでお昼ごはん。13:00の船まで暇つぶし。
今回の西表行の船は個人的には当たりだと思っている、安栄観光の「うみかじ」だった。
50分ほどで西表島到着。5ヶ月ぶりの景色。
恒例のゲンキクール。

移動にかなり疲れてしまったので、少し休んだ後、昨年何度か行った場所に赴く。

宿から見た景色。18:20ごろだが、本土に比べるとかなり明るい。

西表らしい生き物たちによく出会える。天気の塩梅がいいようだ。

しばらく林内を散策しても昨年の木にはマルバネはついておらず、しょぼんとしながら帰路についたが、帰る途中道を間違えた。とはいえ帰り道の途中だしせっかくなので周囲を眺めてみることにした。

すると、

今季初のマルバネクワガタ。うろから出たばかりの新成虫であった。

なんとか一頭確認。
その後同行が少し粘り大歯を得てきた。55mmとかなり小さい個体だったが。

初日ということもあり、正直体力も限界だった。
大歯を抜かれた悔しさを噛み締めつつも、幸先が良いので少しウキウキで帰った。
昨年は1匹目を見るまでだいぶかかったから……

2日目

星の砂浜で遊んだ。
ビーチコーミングをしつつ、虫も探したがめぼしいものはなく。
レストランから見える良い景色。
グルクン(タカサゴ)の揚げ物定食を頂く。

夕方になり、昨日と同じポイントを目指す、が、足を少しぐねったので、僕は少し手前側で頑張ることにした。

林道の登り途中にすでに数匹確認する幸先の良い日。
かなり意外なところにも居たので、マルバネはよくわからないなぁと思った。

おそらくウラジロガシっぽい木についていた。発酵が進めばマルバネも寄るのだろうか。
もう1匹、林道沿いの目立つお手本のような木についていた。
板根の側面に居るオオベソマイマイ。八重山の良い陸貝の一つ。
雨が降るとカニがよく木に登っている。

ただ、数匹の追加はあったものの大した成果は出ずに終わってしまった。悔しい。出会った同業者らも芳しくないようだ。

下山中、初めてヤマネコを見た。何度も来ているのに本当に初めて。
道沿いで寝ていた鳥。光を当ててしまって申し訳ない。
駐車場に戻るとオリオン座が見えた。冬が近いのを実感する。

3日目

朝起きると、スカッと晴れていた。濡れた服などを乾かして、昼の散歩に向かう。

マングローブはいつ見ても面白い。場所によって居る生き物も様々だ。
ただ、高湿度のなかじりじりと差す太陽光にはこたえる。

夕方、先日とは違うポイントに向かってみる。
昨年も入った場所なので、そこまで迷わず入って行く。

アラゲウスベニコップタケ
足元をハコガメが歩いていく。
小さな枯れエントツに小歯が見える。

一匹居た木はある程度きちんと観察したほうが良いが、その木において一等地と思われる場所に小さい個体がついている時は他の大きい個体などは期待できない。

普段は空いているポイントなのに数グループ来ている雰囲気があった。上手い人が居る時は、見れて中歯までかなぁ、などと思っていた。

ここで、同行からLINEが来る。

「大歯!!!!」
少ししたら行こうかなと思ったが、あまりに今見ているエリアが薄いので
ポイントを捨て大急ぎで向かった。

そして、ついた場所にはとんでもない強さのマルバネ臭と、衝撃的な光景が広がっていた。

このために西表に来ている。脳汁どばどば。昨年の60mm超えの夢はあっさりと叶った。

ああ、今年来てよかった。

兄弟と思われるメスも数頭おり、ブリード用もしっかり確保された。

その日は二人で大はしゃぎしながら帰路についた。まだ22時位だった。その後は、正直よく覚えてない。

4日目

昨日の大歯が夢でないのを確認し、ほっとする。

知り合いが西表に居るみたいなので、今日は半休息日にした。
昼間は有名な林道で蝶々などを探す。

蝶々はすこし渋い。迷蝶も少なく見応えは薄めだった。

夜になり、集落の外れに向かう。

19:30ごろ、西表島で見る彗星の撮影にも成功した。すでに肉眼での観察が困難なほど暗くなっていたから一安心。マルバネの時間に森に入ってしまうとちょうど観察しにくい角度だった。
焦ってピントが合ってないけど、オオウナギ。
このあたりでは、ヤシガニをちまちま見かける。

短時間であったが簡易的なライトトラップを嗜む。

ヤエヤマノコギリクワガタ
ハグルマヨトウ(通称グルマヨ)

少しポイントを変え、マルバネメインでは見ない場所を夜間ルッキング。

クシヒゲボタル属
コガタノゲンゴロウ

5日目


疲れが溜まってきている。昼までダラダラ眠り夜まで特に何もしなかった。
今日は今まで行ったことのないポイントを攻めてみる。
歩きやすいものの有名過ぎて人が多い。移動可能な範囲が狭いのでなかなかやりにくい場所だなと感じた。

日暮れ直後から小〜中、メスなど、小物を6,7頭見かけ、幸先は良いものの
大きい個体に出会えない。

エリアを変えて、知り合いとLINEしながらだらだら歩いていると……

あら、

ふと見た木に62mm。発生木ではないようだ。

そこそこ大きく見える大歯が。さわり心地は63くらいあると思ったが、顎の伸びが悪く、身体のむっちり感。ノギスを当てると61.5くらい。少しがっかりだが、これはこれでかっこいい。
(帰ってから測ったところ62.2であった。)

とりあえず、精神的な満足は得た。

アイフィンガーガエルと思われる。
上を見上げると小さなヒラタクワガタが居た。

6日目


夜まで十分な休息を取り、まったりと先日大歯を見たポイントに向かった。

何かの鳥の巣。
オオルリオビクチバか?
小さなモクズガニ。

マイポイントを経由しながら同行に合流すると素晴らしい個体を得ていた。

同行が抜いた63ミリ。この子が今回の最大個体となった。

おー、マジか……。63を超えると流石に重量感がかなり増している。63台ではあるが、64に迫るサイズだった。
勉強になるなぁ。

足元に見られたハエトリグモ。

ここ数日で見つけていた良い木には小さい中歯しか発見できず、個人的に収穫はなかったが、良いものを見られて非常に満足だった。

7日目

台風がひどく船が出るか不確定になってきた。

同行は帰りが伸びるわけには行かないのでその日の便で帰宅。ここからしばらく1人での行動になった。

その晩は一昨日のポイントに行ってみる。明日から台風らしいので気持ち的には一旦最終日。

同じポイントに入っている人がさらに増えていて、取れる数も明らかに減っている。小歯さえも居ないとなるとかなり苦しい。なるだけ他の採集者とかぶらない場所を選んでいるつもりだが、それでも他の方に出会ってしまう密度感だった。

「こんばんはー。どうですか?」を言うだけのマシーンになっていた。

気になるウロを流し見していく。

数時間坊主の時間が続く。こういうときが一番つらい。

かなり高いウロの中にぽつんと中歯が見えた気がした。

竿で落とそうとするもうまく行かない。網も入り込まないウロで色々やっているうちに落っこちてしまった。

でも、数分経つと元の場所に居るのが見える。

何度もトライし、なんとかネットイン。中歯にここまでやるなんて、ばかみたいだ……とおもい、

掴んでみると、大歯だった。そういうこともあるのね。

とりあえず一安心、57ミリの小さな大歯。

そのあと、数匹の小歯を見て、そのまま帰路についた。

8日目

雨につき、何もせず。

ヨーゴは知らなかったので買ってみた。クールとは少し違う味。

島で知り合った方とお昼をご一緒した。

タコライス。

宿にカメムシが歩いていたので採集した。

9日目

ンママキーやまねこパーク

雨が少し止んでいたので山に入ってみたが、樹皮が濡れており全くクワガタが見つけられない。中、小歯だけ確認し、帰路についた。

なんとか居た小歯


10日目


束の間の晴れ間。蝶々などを求めて色々うろうろしてみた。

西表島は至る所にマングローブがあって楽しい。
大原の満八のそばとじゅーしーのセット、値段の割においしかった。

ただ、夜は雨がひどく採集には行けなかった。

11日目

宿の前に大きな水たまりができていた。

晴れ予報であったが、車を借りていなかったので近所にできた新しいレンタカー屋でジャイロキャノピーを借りてみた。

けっこう楽しいですよ。
クロツバメ(八重山亜種)
小さいサキシマスジオ?
わかりにくいけど、マンマルコガネ
一匹だけ出会えた。

12日目

昼間暇だったので例の林道へ。

ご覧の通りレンタカー進入禁止なのだが。
毎度マナーの悪い虫屋の車が散見される。老人虫屋が多い。非常に非常に、腹立たしい。

そこまで成果はなく、戻ってしまった。

涼を求めて、今まで来たことのない西表野生生物保護センターに立ち寄る。
とてもよい施設だった。
友人を迎えに港へ。
ツノダシっぽい魚が数匹見える。
今日からはじめて泊まる場所。全体的に天井が高い。

夜にはなんとかイボ大のような個体を得る。56ミリ程度。

毎回ずっと探していたオキナワスジゲンゴロウにも会えた。
面白い見た目のカニ。海にて。
ヤドカリたち。
カクレイワガニの紫はよく貼える。
天の川がよく見えて綺麗だ。

13日目

台風がまた発生し、明日の船が朝1番くらいまでしか出ないことがわかった。明日以降の宿泊を断られた虫屋も居たようで、多くの人が明日帰りとしたようだ。

本当はもう少し残る予定だったが、急遽切り上げることに。最終日マジックを願ったが、ダメだった。以降写真ギャラリーどうぞ。

むちむちのカエル。
イラガ!今年はなんか多かった。
アルビノのような色味のサキシマハブ。
道路を歩くヤシガニ。一体、何歳なんだろうか。轢かれないように気をつけてね。
タイワンヨツモンテントウダマシ。寝ぼけながらふとみたウロに居た甲虫。なんか、知らないオオキノコ居るなぁと思って採集しておいたもの。オオキノコではなく、テンダマでした。触覚が面白い。
疲れたので車で休む。
来年3月からの人数規制を知らせる看板。
12時ごろ。普段だったら数台の車が残っているものだが、今日は一台も残っていなかった。来年、というか、一生、ここに戻ってくることは無いだろう。

14日目


びゅうびゅうと強い風が吹き、白波がたつ。
7:00前だが、かなり薄暗い。

今まで体験したことのない揺れの中船がすすんでいく。多くの船が大急ぎで各島に向かう姿が見れた。八重山を支える船会社の皆さんへの感謝の気持ち。

戻ってきてしまった。。。
曇天のなか、なんとか飛行機は飛んだ。まだ空はそこまで荒れていなかった。
午後、成田に降り立つ。

総括

昨年の目標をゆうに超える良い結果が得られた遠征であったが、台風の影響で森に入れない日があったのが残念だ。
来年はとりあえず63ミリをまったり探したい。

東部 62.2mm
東部 57mm
北部 56mm イボ大
東部 マンマルコガネ

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