ちょっと違う感を楽しむコンデジ。SIGMA DP2 Merrill
久しぶりに手に入れたTHEコンデジ。見た目は普通ですが分かる人がみたら分かる、少しヤバいカメラです。
興味が出たのは去年の晩秋、大学で使っている方がいたのをみたこと。今60代半ばの先生です。もともと5x7の大判で作品を撮る方だったのでデジタルをプリントしているのに驚き、使っているカメラを聞いたらSIGMAのDP2 Merrill。「フィルム時代を生きた身としてはこのサイズ感でここまで写るなら大判カメラなんて持ち出す理由なくなるよね。蛇腹の調子が悪いのも有るけど、今は5x7ほとんど使ってないよ。」とのこと。僕がその先生に教わった頃(2年位前)はまだフィルムで撮っていらっしゃったので相当なインパクト。
カメラの解像度からは想像つかないレベルに美しいプリントを出力していたので感動しました。その晩ツイッターでその流れをつぶやいたところ譲ってくれる事が決まり今に至ります。
僕の今持っている大きめのカメラはRB67とIntrepidの安物8x10。その流れに食い込めるのかというのが気になるところです。
カメラについて
2012年の7月発売のカメラ。古いのか、新しいのか。際どいラインです。僕にとっては比較的新しめです。
デザインも案外悪くなく、持っていて嫌な気持ちになることのない所有感のあるカメラです。シンプルなボタン配置。
DP2のレンズは30mm F2.8。換算45mm。すこーーーしだけ広い標準域。
操作性は少し違和感を感じます。難しくはないのですが、少し直感性に欠ける印象。最初は2分くらい悩みました。説明書は見たほうが良いです。
小さく入ったMerrillの文字が個人的には好き。こういうフォントをここに置くカメラって少ないですよね。MerrillはFoveonセンサーの生みの親の方の名字らしい。
バッテリーは小さいやつ。現行シグマとは違うかな?最近は大きいバッテリーを積んでいるカメラが多いと思うので懐かしいサイズ感のバッテリーですね。一本で200枚くらいは撮れる感じです。いいテンポですね。SDカードは適当な32GBのを入れましたが問題なく読みました。
このカメラに使われているのはFoveon X3センサー。約4608万画素 (4,800×3,200×3層)のAPS-Cサイズのもので、解像感は結構高め。一つ注意しなくてはいけないのは普通のカメラと画素数の計算方法が違うため、実際得られるデータは約1500万画素です。
そんなに詳しくはないので細かい解説は別サイトにおまかせするとして、データやプリントをみただけでも結構違いはわかります。
このセンサーのメリットは偽色が出ない、ということ。フィルムカメラと同じ感覚で写真を撮れるのはありがたい。デジタルフィルムカメラっていう感じ?
撮れる写真。
退廃的なものを撮りたくなる描写傾向です。つるつるしたものもいいですね。つるつるかザラザラ。どっちか。色のコントロールは結構難しいですが、基本的にカメラまかせで大丈夫かなと思っています。
数字上の解像度が微妙なのですぐにでもプリントしてしまったほうが良いです。プリントしてアナログの世界に持ってきたほうがいい結果になるカメラな印象です。
プリントしたデータの解像感は本当に相性が良いです。現行フジ機はベイヤー配列なので似た雰囲気になりますが、見せかけな部分が多い雰囲気。Foveonのほうが良い印象です。2LからA4あたりならシグマに軍配が上がるとおもいます。
↓プリントした結果。
紙への定着の仕方が異様に美しい。4x5のコンタクトに雰囲気が近いです。十分大判の立ち位置までまで食い込んできました。
実際のプリントを観ていただきたいところですが、雰囲気で感じてくれると助かります。プリント向きのカメラは素敵ですね。普通のセンサーのカメラはどうにも普通に刷れてしまうのでこういうデジカメがあるとなんか嬉しいです。良いスパイス。
現在の相場は3.5万程度から。なかなか値崩れしないカメラですがその訳がしっかりと分かるカメラでした。
一つ問題はシグマの現像ソフトがMacだとかなり現像が重いです。シグマ純正の現像ソフトのほうが良いのでしょうが、あまりに動作が重いのでtiffで書き出してCameraRAWに任しています。Psで出力するので基本的にはそんなに問題ない感じです。Windowsだとそれなりにいい感じに動くと聞いたので今後はシステムを組んでいってあげたいところ。
色々よくわからないところが多いカメラですが、仲良くしたいですね。
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