逆ダイバーシティ問題(清水勝彦研究室ブログ)
シカゴで15年ぶりに旧友のJames Conley教授にあった。次男のボストン留学が決まってドタバタしていたせいか、連絡を取ったのは帰国2日前。会えるとは思っていなかったが時間を切り詰めてディナーに参加してくれた。
5人の子持ちで長女が2日前に結婚したところだという。次男の話をするとぜひシカゴに来いとかいつでも泊まれという話から、彼が担当する博士課程の実態を聞いて驚いた。
彼はエンジニアリングとビジネス(Kellogg)の両方に籍を持つ。前者の博士課程には毎年150人くらいの応募があるうち「アメリカ人」の応募者は今年3人で、この傾向は最近ずっとそうだという。いわゆるマイノリティ(黒人、ヒスパニック)は全然いないし、彼の部門全体でも「アメリカ生まれ」は自分を含め2人しかいないという。
今回のAOMの出席者も中国人が非常に多い印象だし、AIのセッションに行くとプレゼンターの名前はだいたい長い。
同時期にアメリカでPh.D.をとった早稲田の三橋先生と話すと、早稲田からのAOM参加者のほとんどが中国人学生であるという。「そのうち、日本の組織学会も中国人の先生が仕切ることになるのでは」という指摘は、あながちジョークではない。
日本でも、おそらくアメリカでも、ダイバーシティというときにどこかに上から目線がある。現実は全く違っていて、だからこそ白人の利益を擁護しようというトランプ候補に人気が出るのだろう。「柳井vs前澤」論争なんてあったけど、日本もふと気づいたらそうなっているかも、と思った。
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