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公害地域の再生ってなんだ?
9月から始まった、ゼミ学生との旅は順調に、山あり、谷あり。
昔々、公害の街だったらしい大阪・西淀川に今の大学生がなんかすることあるのか?
きっと彼らはまだそんな疑念を払拭できずにいるだろう。
今日はその疑念を少しでも晴らすべく、西淀川で活動する「あおぞら財団」のお二人にオンラインでレクチャーをしてもらった。
学生たちはこれまで、公害患者さんや支援者さんのお話を聞いてきた。
昔は煙モクモクで汚れていた空が、“何か”があって、今は青い空になったことを知った。
公害病にかかった人たちが、なぜ自分たちがこんな苦労をするのかと怒り、立ち上がって“何か”をして、今は笑顔で穏やかな暮らしをしていることを知った。
マイナスのもの=公害を取り除いて、私たちにとって当たり前の日常を取り戻した、“何か” 。
それが何なのか、彼らはまだわかっていない。
ここまでは、過去についてのお勉強の状況。
お勉強は、続く。
ただ彼らは、同時並行で、現在から未来に向かう動きにも、コミットしている。いや、させられている。
「アート」「防災」「映像制作」のテーマで西淀川のまちづくりに参加することになっているのだ。これ、公害の話とどう関係あるの?という疑問が生まれたようだ。
今日のゼミで、私の理解も整理された。
「映像制作」は、公害患者さんら、被害当事者のインタビューをもとに、中高生向けの動画をつくる。これは、過去の話を未来に向けて伝えることだ。
「アート」は、西淀川で行われているパブリック・アートのプロジェクトに出展をめざしている。地域がプラスの価値を生み出す創造力をつける、ということ。
「防災」は、水害に弱い西淀川で、災害による被害を小さくするための活動を考える。地域での防災教育や、災害時に助け合える関係づくりや情報共有などが考えられる。
現在・未来の地域が、マイナスの状態にならないようにする、ということになるだろう。
どれも住み続けられる地域づくりのための取り組みで、公害の文脈で言えば、公害地域再生のための取り組みなのだが、そこがつながらない。
公害地域の再生がめざすのは、トータルな人間と社会の再生であること、マイナスからゼロに戻すだけでなくプラスの価値を生み出すこと。
ということを、今日、彼らは教えてもらった。
きっと、それぞれに咀嚼して、これからの活動に活かしてくれると思う。
期待している。