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音姫

いつから尿の音を別の音で掻き消しはじめただろうか。中学生の頃からだろうか。生理現象だし、生物はみな出すものだし、恥ずかしいものではないと心の底から思ってるのだが、気がつくと音消しのボタンを押している。

本当は全然押したくない。むしろ聞いてほしい。私の音を。だがなんか無言の圧力というか、エチケットというか、公衆トイレに座るとちょうど目線の高さに音姫が設置されてる事実にいつも屈してしまう。

押したところで、私から出てくる放尿ミュージックを音姫さんが完全にかき消すことに成功した試しはない。音姫の長さに合わせようと勢いよく出したら爆音になる。かといってチョロチョロ出してたら途中で音姫が消える。どちらの状況も恥ずかしい。中途半端が1番恥ずかしい。


どこかの国では、尿の音を高らかに隣の方々に聞かせるのがエチケットと小耳に挟んだことがある。いいなー行ってみたいなー。どこだっけなー

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出てこない。


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