あの街は暑い日が増えたのか?1/2 (No.16)
先日、「東京は暑い日が増えたのか?」という記事を書きました。
暑い日を「最高気温30日以上の日」として、過去約150年間の年間暑い日をカウントし、時系列変化を見たところ、確かに暑い日は増えていました!
他の街はどうなんでしょう?
今回は3都市について、同じように時系列変化を確認してみようと思います。
今回分析する3都市:大阪・浜松・熊谷
東の東京ときたら、西の大阪
日本の中心地、東が東京だとしたら西は大阪でしょう!
来年(2025年)に万博が開催される大阪を見てみます。
日本一暑い街(2024年9月24日現在)
気象庁のウェブサイト「歴代全国ランキング」によると、観測史上全国で最も高い最高気温を記録した地点は2地点(1位タイ)。
浜松(静岡県、2020年8月17日)
熊谷(埼玉県、2018年7月23日)
現在歴代トップの記録を持つ浜松・熊谷、そして過去トップだったことがある四万十(高知県)・多治見(岐阜)・山形(山形)の5都市の民間団体によって、「アツいまちサミット」が毎年開催されているらしいです。
暑い街でも暑い日が増えたのか?、も見てみます。
大阪は暑い日が増えたのか?
以下、先日の記事と同様に、超長期の時系列分析をします。
分析手法については先日の記事をご覧ください。
大阪の気象記録は1883年1月まで遡ることができました。そこで、
大阪:1883年~2023年
の期間で、暑い日(最高気温30℃以上)の年間累積日数の時系列推移を見てみます。
大阪の2023年の暑い日は92日。東京(90日、先日記事)とほぼ同じです。
ただし大阪では、暑い日の日数が管理限界を超えた年はありません。
直近8年の連続した値が平均線より上に偏っているため、東京ほど顕著ではないものの、暑い日が増えつつある兆候は見られます。
暑い街は暑い日が増えたのか?
浜松の気象記録は1882年12月まで、熊谷の気象記録は1896年12月まで遡ることができました。そこで、
浜松:1883年~2023年
熊谷:1897年~2023年
の期間で、暑い日の年間累積日数の時系列推移を見てみます。
まずは浜松。直近2023年の日数が管理限界を大幅に超えており、顕著に増えています!
ですが、2023年の暑い日は87日。
わずかですが東京・大阪よりも暑い日が少ない!
日数「40日」あたりの実線は、時系列変化をみたすべての年の平均です。
この平均線が、浜松は東京・大阪より低いところにあります。
日本一暑い街・浜松は、東京・大阪より暑い日が少ない街だった!、といえるでしょう。今後の推移次第では、「涼しい街」を名乗れるかもしれません(笑)
次に熊谷。こちらも浜松と同様の傾向が見られ、顕著に増えています。
2023年の暑い日は92日。大阪・東京とほぼ同じです。
平均線は東京よりちょっと高め、大阪より低めです。
日本一暑い街・熊谷も、暑い日はそこまで多くないので…「暑い街」のイメージが強いこれらの都市では、年に数日ド派手に暑くなる日を耐え忍べば、大都市よりも快適な夏を過ごせる、かもしれません。
結論:イメージはあまりアテにならない
今回みた大阪・浜松・熊谷と、先日みた東京の4都市を比較します。
暑い日の顕著な増加
東京・浜松・熊谷は顕著に増加している。
大阪は増加の兆候は見られるが、他の3都市ほど顕著ではない。暑い日の多さ
平均線を比較すると…浜松<東京<熊谷<大阪の順。
「日本一暑い街」が、暑い日の日数が多いと限らない。
見方によっては、浜松は東京・大阪よりだいぶ涼しい街だと言えなくもないです。
暑い日の増加傾向については、もう少し他の年も見てみようかなと思います。
今回の気づきは、暑い街イメージの街が意外に暑くないかもしれない…ということですね。
猛暑≒過ごしにくいを想起させると思うので、「アツい街」ブランディングって地域おこしに奏功しているのかな???、とちょっと謎に思ったりしました(笑)
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