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新橋ぷらっとニュース(ふぐ割烹 まさお)

今年度の取り組みの一つ、街の情報発信「新橋ぷらっとニュース」。本日は記念すべき第一回をお届けします!
※新橋ぷらっとニュースとは、商店街とオフィスビルが共存し、鉄道発祥の地として知られる新橋で、その活気を支える魅力的なスポットを店舗オーナーのご協力から毎月1回(全7回)お届けする企画です。

ぷ(まさおVer.)

先代の味を令和の時代に。新橋の歴史を知る老舗ふぐ割烹

新橋駅の烏森口から徒歩数分。街路灯に提灯が下がる商店街・柳通りに店を構える昭和47年創業の「ふぐ割烹 まさお」は、今年で52年目を迎えた老舗のふぐ料理屋。手入れが行き届いた昭和レトロな店内を見渡すと、野球選手や有名漫画家など著名人のサインを発見。ビジネスマンが行き交う新橋という街の中で不思議と心が落ち着く場所です。

明るく気さくな2代目店主

そんなアットホームな空間を作り出しているのが、今回お話をうかがった店主の足立さん。宮内庁御用 調理師松和会理事、東京みなと ふぐ料理組合監事などさまざまな経歴・経験を持つふぐ調理師ですが、明るく気さくで誰とでも打ち解けてしまう穏やかな人柄が印象的でした。

先代の直筆メニューは今も大切に保管
コース料理をご予約ご来店のお客様には感謝の気持ちをこめて「鳥味噌」のお土産をご用意。
先代の手書きメッセージにほっこり。

今も昔も変わらず、お客さまとのつながりは大切にしたい

もともとは銀座・歌舞伎座の向かいにあった料亭の板長だった父親が独立して開業したという「まさお」。今は足立孝太郎さんが父である足立正男さん(先代)の後を継ぎ、二代目として切り盛りされていますが、小学生の頃からお店を手伝っていたのだとか。昔は工事現場や出版社までお弁当を届けに行くこともあったそうで「築地市場が近かったので、当時の新橋はフグ屋がたくさんありました。インターネットがない時代だから口コミや上司に連れて来られる方が多かったですね」と、懐かしみながら語ってくれました。

調理場の様子

長きにわたり営業している「まさお」のおすすめメニューは、やはり1年中楽しめるふぐ料理。天然ふぐより旨味成分が高いとされている熊本の国産トラフグ「六福」を使った自慢の料理は、ふぐさし、先付け2品、前菜、ふぐの唐揚げ、ふぐちり、雑炊、御新香、デザートのコースで7,980円とリーズナブルな価格設定が人気です。創業から変わらない味に常連として通う方も多く、ふぐ料理以外でもエイヒレや焼きなすなどの一品料理や、活はも料理、すっぽん料理も大好評。2022年に50周年記念で復活した夏季限定ランチは、先代の味を守り抜いているさば味噌煮御膳をはじめ、ふぐ御膳、鯛めし御膳と、お財布にやさしい豪華なランチを提供されています。

歩くほどおもしろい。それが新橋という街

再開発計画が進むエリアとして注目されている新橋の魅力について尋ねてみると「昔、新橋の街で迷ったことがあるお客様からこう言われたんです。古い店もあれば、新しい店もある。たくさん歩いて感じたのは新旧混在することによって面白い店が多い、と。再開発の話もありますが、反対するわけではなく、昔の新橋の空気が味わえたらと思いますね。新しい建物だけど、中身は新橋の個性が残っていると嬉しいです。」と笑いながら新橋の未来を想像してくれた足立さん。周辺の店舗についても「今はローソンだけど昔は徳間書店だったんだよ。」など、新橋の歴史を教えてくれました。

取材に答える足立孝太郎さん

審判という特等席で野球の試合を見ています

普段は一流のふぐ調理師として腕を振るっている足立さんですが、休日は3人の子を持つお父さん。週末はお子さんと一緒に野球をされているそうで、実はアマチュア審判3級と野球コーチの資格(公益財団法人日本スポーツ協会公認スポーツリーダー)を持っており、小学生や中学生の試合で審判として活躍することも多々あるそうです。「審判は野球の試合を目の前で見ることができて楽しいですよ。ある意味特等席ですね(笑)」働くお父さんでありながら野球試合の審判も務められる足立さんは、とてもポジティブで野球が大好き。そんなお人柄もあり、野球界の著名人が店に訪れることもあるそうです。

心休まる店内

店主の心温まるおもてなしが光る「ふぐ割烹 まさお」楽しい会話と美味しい料理に酔いしれながら、新橋の歴史を感じられる空間を堪能してはいかがでしょうか。

【今回ご紹介したお店】
ふぐ割烹 まさお
東京都港区新橋3-16-16
03-3433-2662 (または050-5493-3519)
月〜金 17:00-22:30(L.O.21:30)
火〜金 ランチ11:30-14:00(L.O.13:30)※ランチ営業は1階席のみ、4〜9月まで
定休日:土日祝※12〜1月の土は営業、夏季休暇あり

今回のイラスト・ロゴデザイン担当
鈴木文華(日本大学芸術学部デザイン科池田光宏研究室)