島津六

普段は大人向けの娯楽小説など書いたりしていますよ。

島津六

普段は大人向けの娯楽小説など書いたりしていますよ。

最近の記事

飲み会、合コン、出会い。

 暇なかたは読んで下さい。  ただの飲み会のつもりで参加した合コンが、一口では説明し難いほどに面白い人間関係へと発展したという話し。個人的になかなか得難い体験が出来たので書き残すことにする。  そもそものいい出しっぺはとある編集者(A記者とする)だったそうだ。彼は『普通に生活しているとまるで異性との出会いがない。だから自力でどうにかしよう』というDIY精神のもと、自分と同じく異性との出会いを渇望する某ブロガー(ブロガー氏とする)に合コンの話しを持ちかけた。  ブロガー氏は

    • 【支援企画・成人向け】後輩んちに処女を捨てにきたギャルの話し

       一 「お。島田くん。今日バイトだよねー」  聴きなれつつあるハスキーな声が背後から聞こえた。  島田泰【しまだ・たい】が廊下を振り返えると、そこには矢上舞衣【やがみ・まい】の姿があった。大勢の生徒たちが行きかう学校の廊下でもひと際目立つ華やかな女生徒――端的に表現するとギャルである。  眩しいほどのワンレンの金髪に、きらびやかなメイクとほんのりと焼いた肌。制服のスカートは限界まで丈を上げて履いている。  舞衣が目立つのは、ギャル的な装いだけではなかった。  すらりと背が高

      • Lass本編集後記

         ※本編を読まれてからのほうがスムーズにご理解いただけるかと思います。  今回の企画が生まれたのは、僕がLEGIOん氏と知り合ってすぐ(10年代後半)の頃でした。ぼんやりとした思い付きレベルのもので、企画などとは呼べないしろものだったのですが。  当時の僕は、LEGIOん氏と顔を合わせるたびに失礼にならない程度に当たり障りのない「Lassのあれこれ」をお訊きしていました。すると、LEGIOん氏は僕の欲している答えの三倍くらいの情報を返してくれるのです。またその話が濃くて面白

        • コミケ当日に関してのお話しです。

           オンタイムで頒布を開始する予定ですが、なにぶん初めてのサークル参加です。準備が押してスタート当初はバタつく可能性があります。台風がぶつかった場合はどうなるか分かったものではありません。交通機関の遅延によっては遅刻もありえます。(開催中止にならないかぎりは台風でも参加します)  その辺りを勘案していただいて、慌てずのんびりお越しください。事前アンケートを見る限り、十冊以上売れ残る計算です。枕さんのブースで『サクラノ刻』のサントラを買ってからゆっくり来ていただいて大丈夫です。(

          同人誌・Lass史本に関して。

           以下は同人誌の詳細です。ほぼネタバレです  本編はすべて剣技マナ氏とLEGIOん氏へのインタビューです。語っていただいたお話しを、読みやすいかたちに成形しました。それをさらにお二人に監修していただく、という工程で制作しています。  +αの要素として、制作に関わった方々からのコメントを掲載します。かなり長文で書いて下さったかたもいれば、一行・一言だけというかたもいらっしゃいます。    お二人には高校時代の出会い~Lass結成~Lass消滅までを過去から現在へ流れるかたちで

          同人誌・Lass史本に関して。

          入院と手術の話

           二月中、ちょっとした手術を受けるために入院していた。  ここしばらくの間、僕がSNSから離れていたのはこのためだ。  始まりは一月の初頭だった。右の肩甲骨付近に強烈な違和感を覚えたのだ。手で触れると背中の皮膚にはっきりとした凹凸が出来ている。軟骨が肥大化したような、何とも不気味な感触だった。  違和感は徐々に痛みへと変わっていった。肩甲骨から背骨にかけての皮膚が熱を帯びてじんじんと痛む。我慢出来るぎりぎりの痛さだったのが、かえってたちの悪さを感じさせた。寝ている時の痛みに

          入院と手術の話

          三日間の夏休み

           一日目  ドアを開けると一気にセミの声が強くなった。  真夏の熱気が身体を包む。 「行ってきまあす!」  河田凜は家の奥で引越しの作業をする両親に声をかけた。片道三時間のドライブを我慢してきたのだ。少しくらい遊びに出ても怒られはすまい。  そもそも、凛は未だ小学四年生の男の子である。  引っ越してきたばかりの土地への好奇心を抑えられるはずがない。 「まずは探険しないとな! 全然知らない街なんだから!」  河田一家が引っ越してきたのは坂の上の一軒家である。 「この坂をチャ

          三日間の夏休み

          2020年月記・師走

           十二月六日。エヴァオンリーのワンフェスが開催された。夏頃開催予定だったイベントが流れに流れた結果の開催だけれど、開催場所も新宿から幕張へと大幅に変更されている。新宿だったらよかったのに。  オフィシャルではだいたい三十卓くらいの参加がアナウンスされていたものの、いまいちネットで情報が得られない。「エヴァワンフェス」で検索すると、「エヴァワンフェスに(客として)参加予定」というツイートないしはアカウントばかりがヒットする。先月もこんなことがあったぞ。  ただ、なんとなくだけれ

          2020年月記・師走

          2020年月記・霜月

           十一月一日。普段使いのマスクが減ってきた(なぜか着けて出ると失くす)ので、新たなマスクをネットで探す。夏に入る前くらいから、スポーツ系ブランドを中心に色々なメーカーが自分たちのロゴ入りマスクを販売するようになった。ネットで検索すると本当に多種多様なマスクがヒットして目移りすることおびただしい。なので、僕はミュージシャンのマーチや、ファッションとは無関係のお店のマスクで、なおかつ千五百円以下のもの――と決めて探している。もちろん、会社に着けていけるデザインであるというのは最低

          2020年月記・霜月

          2020年月記・神無月

           十月一日。「パペラキュウ」が終わってしまったので月初の楽しみがなにもない。会社が忙しいだけだ。  十月二日。担当者から原稿の戻し。それなりの量の修正が求められている。後半が順調に進んでいたので焦る焦る。  十月三日。人間椅子の三十周年ドキュメンタリー映画を観るために新宿へ向かう。上映館の少なさゆえかかなりの入り。ディルアングレイのバンTのお姉さんがいて驚く。付き合いで来たのか、はたまた色々と聴く人なのか……  映画そのものはただのツアーファイナルのダイジェスト映像でしか

          2020年月記・神無月

          2020年月記・長月

           九月一日。毎月一日はwebコミック「パペラキュウ」の更新日である。だが、まるまる九年続いた作品もついにこの日で最終回となった。 前半のバイオレンス&ゴア描写からの後半の回想エピソードを経てサスペンスドラマに至る作劇の変遷。そしてなによりも、終盤になってメインキャラの韜晦や因果応に関わる精神性の描写が大きくなった部分は報賛否あると思う。  個人的には最後には血みどろの暴力描写をもってきて欲しかったけれど、そもそも「バクネヤング」のころだってこんな作風だったのだ。起承転結をしっ

          2020年月記・長月

          2020年月記・葉月

           八月一日。一日かけて原稿の修正。担当者に指摘される修正点というのはほぼ例外なくこちらの筆がノリすぎてしまったところか、もしくは読者のテンションを想像せぬままに書きたいものを書いてしまった部分の指摘だ。言わば商業的な意味でのダメだしである。これは本当にありがたい。ときどき「担当者なんていらない」という作家を見かけるけれど、彼らはいったい打ち合わせでどういうやりとりをしているのだろうか。  もちろん、どんな社会にも奇態な人間はいるものなので、当然編集者にもそういう人はいるのだろ

          2020年月記・葉月

          2020年月記・文月

           七月一日。いまいちPCの調子が悪く、さりとて原因が掴めず……という状況が続いていた。CPUもGPUもそろそろ寿命の折り返し地点を過ぎた頃合で、どちらが原因でもおかしくはない。ただ、CPUを載せ代えるとなると恐らくはマザーボードの交換もしなければならない(最新規格とはソケットが合わないので)。そうなるとほぼ確実にOSを入れ直さねばならない。半年ほど前にクリーンインストールしたばかりだと言うのに……  そこでひとまずGPUを換装することにした。選択肢としてはAMDのRX5600

          2020年月記・文月

          2020年月記・水無月

           六月一日。会社へ行き、帰宅後は原稿の日々。食事を作る余裕が消え、完全に出来合いの弁当になる。太る。  ネットで調べ物をしていて見かけたとある大作娯楽小説を購入する。ハードボイルドの流れを汲む冒険小説だ。  読み始めて気になったのが、主人公の人物像――というか、ハードボイルドにありがちな主人公像――だ。  彼らの大部分は三十代中盤から四十代後半の男性である。アクション映えと大人の分別と色恋沙汰を同時に盛り込めるからだろう。そして、ルポライターやカメラマンや元警官・自衛官とい

          2020年月記・水無月

          2020年月記・皐月

           五月一日。原稿に向かう以外はひたすらSteamで「Bloodstained」に興じる。面白い。「魔塔ハンター」もそうだったけれど、操作が単純なのがいい。マップが半分埋まったところでラスボスっぽい敵と遭遇。頑張って倒したらバッドエンドになってしまった。これは恐らく「月下の夜想曲」と同じく、何らかの事前準備をして戦わないと駄目なパターンに違いない。そう言えば「月下~」は自力でマップをコンプリートしたではないか。折角なのでネットでヒントなど集めずにクリアしてみよう。  この日は

          2020年月記・皐月

          2020年月記・卯月

           四月上旬。そもそも三月後半からからずっと、昼は会社へ行き、夜と土日はずっと家にこもって原稿と格闘する日々が続いている。通販で映画のソフトを買ってはいるものの、原稿の進捗が悪いので落ち着いて観ることが出来ない。仕方ないので観るのは我慢して積んでいる。  その代わり、家でちびちびと「ドロヘドロ」のアニメを鑑賞している。あの長編を全十二話でどうまとめるのか期待していたのだけれど、全くまとめずに終わったのは予想外だった。むしろああして結末をぶん投げてしまうと逆に一般視聴者は「原作で

          2020年月記・卯月