③MRI検査と恐れていたこと
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不妊治療で通っていた病院で、
「なんかお腹が何か固いんだよね」と言われ、
MRI検査をする為の紹介状を書いてもらうことになりました。
病院は〇〇〇でいいかなと言われ、
その場で予約も取ってくれました。
( 住んでいる場所での判断です。)
しっかりした病院…通いやすい場所…
「その」病院で間違いがないのですが、
私の中にはどうしても「知り合いにバッタリ会うのが嫌だな…」という気持ちがありました。
仕事柄、医療従事者の方と関わる機会が多かったので、
その県立病院はあの方が働いている…とかそんなことを思って帰りました。
(病院選びについてはこの先いくつも判断を迫られるタイミングがあるので、また別の記事でも書かせてください)
夫に諸々と報告をすると、当日一緒に行くよと言ってくれましたが、
なんとなく今までの人工授精までの過程での経験上、
この先まだ仕事を休んでもらわないといけないことがあるような気がして、
今回は一人で大丈夫。と、当日を迎えました。
産婦人科(産科・婦人科)へ行き受付を済ませると、別のMRIのある場所に案内されました。
着替えをし、騒音防止の為のイヤホンの説明などを受けて筒の中に入りました。横向いたり、上向いたり、反対向いたり、結構長い間入っていた気がします。
正直15年前の話なので曖昧にしか覚えていない部分もあるのですが、
結果はその日には出ず、数日後にまた予約を取りその日の検査は終了だったと記憶しています。
そして。
お会計に使うファイルを待っている時、私が恐れていたことが起きてしまいました。
最近はそこまで頻繁にはお会いしてなかったのですが、
沖縄に引っ越してきてすぐ、とてもよくして頂いていた近所の奥さんが「あらーーー!」と小走りに向かって来たのです。
奥さんは別の科を受診して前を通っただけなのですが、
私がいる場所は、
「産婦人科」
遠慮がちな優しい笑顔で、
「あっ♡!えっ??」
と。
奥さんのことは今も大好きなんですが、
でもその時はとにかくこの「不妊治療」に関しては
「誰にも知られたくない。誰も会いたくない」
私だったんです。
「違うんですちょっと生理が不順で…」
とだけ言うのが精いっぱいでした。
もしかしたら顔が引きつっていたかもしれません。
今現在はなかなか赤ちゃんが来てくれなかったよと、
ざっくばらんに話せるし、
「赤ちゃんが欲しくて今頑張ってるんです!」
って言えば、みんなそっと、でも全力で応援してくれると思います。
15年前の私は、何にそんなに怯えていたんだろう…。
でもその頃は「不妊治療」を公表する芸能人などもあまりおらず、
今よりもっと閉鎖的な印象だったことはあるかもしれません。
あの頃の私に大丈夫だよっ。
ずっとじゃないよって言って、
肩をポンポンとたたいてあげたい。
(少し先の話になりますが、この後も、この「怯え」が増してしまうようなエピソードがいくつか起こってしまうのでした・・・。)
そして、数日が過ぎ、検査結果を聞きに行きまいした。
お腹の固い原因は、
・両側の「卵巣膿腫」
・大きい方は7㎝ほどあるかもしれない
・これだけ大きければ腹腔鏡手術ではなく、開腹手術をお勧めする。
・多分「皮様膿腫(デルモイド)」であろう
・20代から30代女性に比較的多い割と一般的なもの
・今後どこで手術をするかにもよるけれど、卵巣は残し腫瘍部分だけを取り除く。
・捻転した時の激痛は意識が飛ぶほど。飛んだり跳ねたりしないように。
ということでした。
聞きたいことはたくさんありましたが、
何より1番聞きたかった、その先にある「妊娠」について色々と話を聞きました。
先生のは、
「もちろん手術してみないとわからないけど、
手術をすることで妊娠の可能性は確実にあがるでしょうね」
と。
そうか。
むしろ可能性は上がるのか…。
今まで大きな病気をしたことなど一度もなかったし、
開腹手術なんてショックを受けそうなものですが、
帰り道、私はなぜかホッとしていました。
結婚して3年が過ぎ、蕁麻疹に悩まされ、朝起きたら唇が腫れていて鏡の前でぎょっとして、クリニックに行くのも苦痛になって、次は体外受精にステップアップと言われていた
”どうにもうまくいかない” ”ぐずついた現状”
から抜け出せるんだ・・・
原因があったんだ。
手術が終われば、妊娠できるんだ。
と一筋の光が見えた気がしました。
家に帰り、夫に落ち込むこともなく説明し、
これから手術する場所、病院、決めることがたくさんあるんだ。と、
意気揚々と話を進めたのでした。
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28歳 結婚
30歳 妊活スタート
初めてのクリニック
基本検査
タイミング 4カ月
人工授精 3ヶ月
身体中に蕁麻疹
大きい病院でMRI検査
両側に卵巣膿腫が見つかる
開腹手術の予定を組む←(リアルタイムではないですが)いまここ