ときど記「ししおどし」
今日、ししおどしを漢字でどう書くか知った。「鹿威し」らしい。元々は庭園に来る鹿を威して追い払うためのものだという。少しギャップがあった。本来なら鹿が庭に来ることも、それ自体が自然なはずである。でも庭園は人間界に自然を持ち込んで楽しむものだから、鹿にいられては都合が悪い。そこでシシオドシが登場するのだが、野蛮な方法で追い払うと庭園の風情を損ねてしまう。だからししおどしは庭園に馴染んで、ひっそりと仕事をしているのである。そう考えると、ししおどしは用心棒のようなもので、庭園では異質な触れてはいけない存在なのかもしれない。思い返せば、庭園の中でもししおどしだけは人工物感がハンパない。ししおどしは日本庭園のタブーだったのか。今度からししおどしを見たら、あまり目を合わせないようにしよう。
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