オーストラリア 光と影 - 住宅編 -
こんにちは、シマッツです!
私は、現在オーストラリアのブリスベンという街に住んでいます。
こちらに移住してから半年以上が経ち、オーストラリアの光と影が薄ぼんやりと見えてきました。(今は家にいるばかりの小さな世界で生きているので、薄ぼんやりです。)
今日はオーストラリアの住宅(不動産)の光と影について書いてみようと思います。
高騰する不動産価格
現在オーストラリアの不動産の価格は恐ろしいほど高騰しています。
不動産エージェントで、今まさに自身の家を購入しようとしているBさんが「オーストラリアの不動産価格は今、世界で一番高いわよ」と言っていましたが、まさにその通りかもしれません。
オーストラリアの家は、一般的な日本の一軒家と比べるとかなり大きいです。しかし、それを踏まえたとしても、郊外にあるごく普通の中古住宅が普通に8000万円くらいするという有様です。
中古住宅です。新築ではありません。
しかも、これはブリスベン価格で、メルボルンやシドニーの方では、もっと高いとか…。
5、6000万円くらい、もしくはそれ以下の中古住宅もありますが、そのくらいの値段だと、だいたい状態が悪いか、条件が悪いかのどちらかのようです。(イギリスでは、住宅が古くなるほど、価値が上がり価格も上がるという話を聞いたことがありますが、その文化も多少はあるのでしょうか…。)
そんな中、感染者の少ない、ここ、ブリスベンのあるクイーンズランド州に、シドニーやメルボルンから、家を売って引っ越してくる人が急増しました。
その影響もあり、住宅価格はさらに高騰。住む場所を見つけるのも難しい…そんな状態になっています。
以下はニュースサイトからの引用です。
ブリスベンでは毎年22.31%住宅価格が上昇しているみたいです。
不動産価格高騰の一番の理由とは…?
さて、オーストラリアの不動産価格がここまで上昇しつつある背景には、大きな理由があります。
それが「不動産投資」です。
オーストラリアには投資物件を所有している人が多くいます。
私の義父母ですら、投資物件を持っています。毎年これだけ価格が上昇すれば、そりゃ不動産投資をしようと思う人だって増えるはずですよね。中古住宅の価値が下がる日本では考えられない現象です。
こういった投資家達は新たな投資物件を購入することで、税金を回避するそうです。ローンは家賃収入で賄えるので、どんどん投資物件を購入して、中には60件もの物件を所有する人もいるとか…。
そして、この状況が、オーストラリアの不動産価格を吊り上げてしまったのです。
オーストラリア 住宅の光と影
家賃も不動産も高騰したオーストラリアでは、今、若い人たちが、なかなか家を持てないという影が落ちています。
実はオーストラリアでは、家を購入する際、20%の補償金を支払わなければなりません。
つまり、6000万円の家を購入するには1200万円の貯金が必要です。
家賃の支払いに逼迫され、生活するのに精一杯の若い世代が、高額な補償金を貯金することができないのは容易に想像できます。
「でも、オーストラリアの賃金って高いでしょ?」と思った方もいるでしょう。
しかし、オーストラリアはそれなりに物価も高いのです。(オーストラリアの賃金や物価についてはまた別で書きますね。)
先週、義姉夫妻に会った時も、この不動産の話題になりました。
「この問題を、政府がなんとかしなければ、大変なことになる」と義兄は言っていました。
今、この問題について、大手銀行が警鐘を鳴らしているというニュースを見ましたので、近い将来なんらかの動きはあるでしょう。
しかし、ここまで高騰した不動産価格が急に下落するなんてことは考えにくいので、若い世代や、これから家を購入しようとしている人達にとってはまだまだ苦しい状況は続きそうです。
今日は「光と影」について書こうと思っていたのですが、影の部分にだけフォーカスする形になってしまいました。
次回はもう少し光の方にもスポットを当てたいと思います。
もっと短くまとめるつもりでしたが…真面目に書くのは難しいですね😅
次回は「賃金編」を書いてみようと思いますので、ご興味あれば覗いてみてください!
家の近所の様子。
今の時期はこの紫の花をつける木々をいたる所で見かけます。