野口流人生の楽しみ方 ~野口雄志先生特別セミナー~
今回の特別セミナーのゲストは、グリットコンサルティング合同会社代表の野口雄志さん。
定年を過ぎた今は「自分のやりたいことを、やりたいタイミングでしているから毎日が楽しい」とのこと。
第二の人生をいかに楽しくすごすかをテーマに、セミナーでお話ししていただいた内容を、ほぼノーカットでお届けいたします。
自分はまだまだ若いと思っている?
第二の人生を語る前に、「高齢者」を皆さんがどのように定義しているのかを少し見ていきたいと思います。
「自分の年齢からみて何歳くらいの人が高齢者だと思うか」という意識調査を厚生労働省が2016年に調査しています。こちらの資料を参考に話を進めていきます。
40代からみた「高齢者」の年齢は、65歳以上と70歳以上が同じくらいの数値となっていました。それに対し、50代、60代、70代、80歳以上の人からみた「高齢者」は70歳以上と答える人が一番多いという結果となりました。
このことから、「自分の年齢はまだ若い」と思っている人が多いことがわかります。
実年齢が近づいてくると、「高齢者だ」と認めたくない自分がいるのかもしれません。
VUCAの時代の時代を生きぬくには
最近、「いまはVUCAの時代である」という言葉をよく耳にします。
VUCAとはひとことでいうと、「予測不能で、なにがおこるかわからない」ということ。
以下の4つの単語の頭文字をつけた言葉です。
現に、コロナや戦争、自然災害など予測不能なことが既におきています。この状況のなかでわたしたちは生きていかなければなりません。すると、これまでに体験しなかったことをすることになるので、知らないうちにストレスを感じてしまいます。実際、近年では働き手の半分以上は仕事でのストレスを抱えており、「一億総メンタル不調社会」ともいわれています。
いかにわくわく生きていくべきか
予測不能な時代を迎えているなか、いかにわくわくした気持ちで生きていくのかが課題となります。人間である以上、みんな平等に時間はわりふられているのです。
平均85歳とした場合、75万時間。
寝ている時間を減らした場合、50万時間。
ぼっとしていると、時間ばかりが過ぎてしまいます。
時間は、だれにでも平等に限られ、平等に経過しているので、いかにその時間を有効に使うかがカギとなります。むだには使いたくありません。
私(野口先生)の場合でいうと、85歳を寿命としたとき残り10万時間を切っています。そのため、必死に楽しもう、後悔しないようにしようと思いながら行動することを心がけています。
「楽しむ」というのは「遊ぶ」ということだけではありません。自分やまわりのために、どう時間を使うかということです。
野口流人生の捉え方
人生はどんどん良くなり、だれでも右肩上がりの人生になることができます。平等にチャンスがあるので、ぜひ実践していただきたいところです。
アドラーの考え方
「アドラー心理学」で有名なアルフレッド・アドラーは「人の性格は死の一日前まで変えられる」といっています。
ライフスタイルは、人生そのもの。
人はどんなに年を重ねたとしても、なりたいと思えばなりたい自分になれます。ただ、本人の意思がなくては変えることができません。楽しい方向に変えよう(=ポジティブシンキング)と思うことで、必ず変えることができるとアドラーは語っています。
野口流人生の楽しみ方
自分を愛する
自己変革への力
ワクワクを生きる
自分を愛する(信頼関係)
信頼関係が最も大事な関係性をあらわします。一人で生きることはできません。まわりの人、家族、先生、友達とより良い信頼関係を、いかに築けるかです。
普段の自分の姿が信頼関係を生むことにつながります。それが生きざまにつながります。
自分を愛する(健康面)
人を愛するためには、まず自分を愛することが大事です。
●笑顔の効能
笑顔は、自分の気持ちを相手に伝える素晴らしいツールで、世界共通のものです。年齢も関係ありません。笑顔で話せば、必ず笑顔でかえってきます。苦しい時ほど笑顔になりましょう。朝、顔を洗った後、鏡をみながら笑顔の練習をすると、気持ちがととのいます。
●自己肯定感について
自分の自慢や自尊ではなく、自分がこれまでやってきたことを誇りに思うようにしています。それが自信につながり、自己肯定感をあげることになります。
今まで生きてきた誇りと、これからの人生に謙虚にむきあうことで、更に自己肯定感をあげることになります。まずは自分を信じましょう。
●ご縁について
積極的に動き、知りあいましょう。「今〇〇をやっています」と名のるだけでいいのです。
このとき、さまざまな人がいるということを再認識しましょう。
まずは相手をリスペクトして、話をします。もし価値観が違っていた場合は、ある程度の距離感を保つようにしましょう。本当の友人であれは、きっと助けてくれるはずです。
組織外の人たちもたくさん助けてくれるので、できるだけ多くの人とつながりましょう。
自己変革の力(野口さんの半生をふりかえる)
29歳~34歳 ロサンゼルス勤務
バブルで日本がイケイケの時代。80年代中盤から後半。車で15分のところが職場だったため、働くことがモチベーションにつながり、必死に働いていました。
34~44歳 東京勤務
大きなプロジェクトリーダーになったものの、24時間×7日の働きかたをしていました。ほとんど家庭にはおらず、子どもたちと遊んだ記憶もありません。
いま思うと最悪の時代で、当時入院も2回しました。
44~54歳 シカゴ勤務
環境が変わるのでチャンスだと思いました。働き方を変え、自分を変え、効率的に働くよう心がけました。いわれるがまま働くのではなく、自分でつくりあげ、クリエイティブな仕事に取り組んできました。仕事の楽しさがわかるようになったところでリーダーの勉強をはじめ、大学院に通ってマネジメントを学びました。フラットでみんなが自由に発言し、行動する場ができました。
54~61歳 東京勤務
とにかく働きかた改革をし、会社を変えようとチャレンジしました。それなりにうまくいきましたが、7万人いる会社組織を変えることはできませんでした。
61~69歳 起業(黄金期)
楽しい毎日をすごし、右肩上がりの生活をしています。
いまは、次のステージを模索しているところです。これまでいろいろな変革をしているので、もっと変革したいと思います。
●人が生まれ変わる条件
自らが他者の幸福のために貢献しようと性格を修正しようとするとき、人は生まれ変わります。もっと社会の貢献のためにいろいろとやりたいと思うようになります。
周りの人がさらに元気に輝いていただきたいものです。皆さん自身が輝きたいと思えば、いくらでもお手伝いしたいと思います。
ワクワクを生きる
●笑顔と幸せのためにめざしていること
●ワクワクできる三原則
常に前向きに。くよくよしている時間はない。
笑顔でとにかく元気に走るように。
落ちこむときは、短時間で。
失敗を許容しながらたくさん挑戦していきましょう。なかには失敗もありますが、失敗をおそれてなにもしなかったら右肩上がりにはなりません。
●「なんとかなる」は魔法の言葉
Take it easy。だいじょうぶ、なんとかなる。
苦しそうな顔をしている人をみると、「責任はとるから、トイレに行って笑顔の練習をしてきて」といいます。
●いま、積極的にチャレンジをしていること
大人としてかっこよく生きているところをみせて、30代、40代の人に刺激を与えたいと思います。自分のことしか考えず、自分だけ手柄をたてようとする大人は見ていてかっこよくありません。
●真実の愛
幸福に欠かせないのが「愛の課題」です。
人を愛する、自分を愛する。
愛の課題ほど個人の幸福に結びついたものはありません。愛の課題を克服すれば、他の課題も克服します。ラブアンドパッションでいきましょう。
私たちの生きる目的は幸福になることです。
前半の人生で、どんなに立身出世を果たしたとしても、後半の人生で自己実現の人生を歩めなければ、その人は成功者とはいえません。
幸福になるためには自己実現。
これからの時代、いかに自己実現になるかを今から考えておいたほうがいいと思います。
受講して感じたこと
とにかく、あっという間の1時間でした。
野口先生のお話をうけて、いろいろと感じるところがありました。
わたし自身、人生のちょうど折り返し地点というところで、会社をやめて起業をするという選択をしました。それは、「自分のやりたいことを思いきりやってみたい」という強い思いからでした。
起業した当初に予定していた「寺子屋構想」は、わたしのなかにはもうありません。でも、この選択にはまったく後悔していません。この構想があったからこそ多くの教育関係者とかかわるきっかけができ、感謝でいっぱいです。おかげさまで、自分が感じていた以上のさまざまな課題とむきあう時間ができました。
いまの段階で成功しているのか失敗しているのかは、正直わたしにもわかりません。でも、「今を楽しむ」という意味においては、とても満足しています。
これからの人生、さらにワクワクした未来を生きるためにすること。
それは、人を愛し、自分を愛すること。
自分をねぎらいつつ前進するのみ、と改めて感じました。