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TRAVELER'S notebook

飛行機の中で雑誌を読んでいるとある特集に目をとめた。
旅をするように毎日を過ごすノートと書かれたページに、様々色の手帳の写真が載っていた。

使っているうちに愛着が湧いてきそうな質の良さそうな革、少し大きめのレギュラーサイズと持ち運びしやすいパスポートサイズ、好きなレフィルを沢山挟んだりと様々なカスタマイズが出来る機能性。
これは何だか良い物と出会った気がする!と直感的に感じ、販売しているお店の住所をささっと写真に撮り、
こんなところで素敵な出会いがあるとは。と東京に着くまで先走るそわそわ感が波打って落ち着かないでいた。

手帳はずっと兄のおさがりの茶色い革の手帳を使っていて、大きさも見た目もお気に入りでとても大事に使っていたのだが何分古く所々ぼろぼろになっていて、ペンホルダーもちぎれているのでそろそろ新しいものに替えないとなぁと考えていたところだった。

買い物するときは自分の直感のアンテナがびびびび!と反応したものを選ぶことが多い。所謂一目惚れが多いタイプである。
なんかほしいけど~とか、どっちにしようかなぁ~という曖昧な気持ちで買った買い物は大抵、いや必ず失敗に終わり無駄遣いだと嘆く。

一目惚れ癖はなかなかのもので勉強机も成人式の着物も、はたまた高校や大学の進学先まで悩むことなく、これや!と一発で決めた。
更に言えば人間に対しても波長の合う人は一発で分かるので、ロケットスタートで距離を詰めていくとんでもなく空気を読めない人間と化すので相手はさぞかし戸惑うのだろう。
しかしそうやって出会ってくれた人は今でも友人でいてくれているし、探し当てたモノはずっと長持ちしている。
案外良い物を引き抜く力はあるもんだと自画自賛している。

今回もきっと素敵なものに違いない。
着陸時間が短くなる程ほしいほしい欲求がぐいーんと急上昇。
お昼前に到着したら仕事の前にお昼ご飯だぞと空腹のお腹が大きな声で主張してくるが、いやそれどころじゃない。羽田空港に降り立てば真っ先にお店に向かうぞと荒ぶる空腹をなだめつつ、三度の飯より飯が好きなハラペコーヌなくせに思い立ったときの行動力には心底驚いている。

耳にイヤホンを付けたままさっさと飛行機を降りて立ち止まることなく手荷物をつかみ取り小走りで電車に乗り込む。
しばらく電車に揺られているうちに適当に曲を入れているウォークマンから知らない曲が流れているのに気付く。
早まる気持ちを抑えるためにゆったりとした曲を流しながら、新しい手帳には何を書き込もうか人知れぬ心の内でくゆりくゆりとイメージする。
明確にこれに使うと決めつけてしまうと想像力に囲いが出来てしまう気がするのでふんわりと使い道を考えているうちにお店に到着した。

思っていたよりも小さなお店にはアイデアがぎゅっと詰め込まれたレイアウトをしていてどこに何があるのかも分かりやすかった。
レギュラーサイズのブラウンのノートのすると決めていたら東京駅限定のノートを発見し、またまたアンテナが反応したので即決。
色の深みが表れる革の経年変化を楽しもうではないか。

次はレフィル。無地を三冊とスケジュールを一冊、付箋を一冊
これでとことん書き込んでやるぞと意気込んだ。
トラベラーズノートなのだからもちろん旅のお供に連れて行くし、旅の記録や思い出を書き込んで、もちろん切符やチケットを時系列に並べたり、旅先にあるスタンプラリーなんか所々に押したり、施設でもらえる記念のシールとか貼って、お気に入りのマスキングテープでおしゃれして大層賑やかなノートを作り上げてみせよう。
思考整理やビジョンボードもあれこれ書き込むからきっとあっという間に埋まってしまうから新しいノートを買いに来ることを次の楽しみに取っておこう。

店内をキョロキョロしていたら他にも少し重みがあってしっかり止まる大きな金属のクリップと本のチャームが付いたバンドがあったので一緒に購入。
ルールがなく自分なりに使いやすいようにカスタマイズができて実に満足。

書きたいこと綴りたいこと残したいことは山ほどある。
見て感じたあふれ出た気持ちも、閃いた新しい言葉のひとつひとつをこぼすことのないように、ゲームに出てくる魔法使いが魔術書を片手に持ち歩いているように手帳を持ち歩いて常々紙とペンで遊んでいたい。
旅をするように日々を過ごせていけたらきっと毎日新鮮で世界がもっと魅力的に映るのだろう。
前髪のカーテンをばっさり切って明るくなった顔を上げて。
いつもよりお出かけが楽しくなりそうだ。

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