おこめつぶ
少し前までのひとりごと
好きな人やお世話になっている人、友人や家族 渡したい人それぞれを思い浮かべて渡すチョコレート 感謝の言葉も添えて、ぬくもりあるプレゼント。 小さい頃は家族に、学生時代は友人や恋人に 大人になってからは仕事先の人へ 2月14日はなんだか照れくさい甘酸っぱい思い出から ほろりほろ苦い思い出までカラフルな思い出が次々浮かんでくる。 子どもの頃、バレンタインデーになるとクラスの女の子も男の子も はたまた先生たちもいつもよりそわそわした空気。 特別好きな男の子もいなかった自分は遠巻
壁に掛けてあるボタニカル柄のエプロン。 柔らかい綿素材で膝丈。 ぱんっとしわを伸ばすように振り広げ わっかになった肩紐を首にかけ、左右の腰紐を背中側に一度回してから前に持ってきてお腹の前できゅっと結ぶリボン。 すっと背筋が伸びて毎回新しい気持ちでキッチンに向かう。 小さな頃から料理が好きだった。 いつも仕事でいない両親の代わりに近所のおばちゃんが色んな料理を作ってくれていて、その作っている姿を隣で手伝いながら眺めるのが楽しみで、 学校から帰るとキッチンから聞こえてくるトント
月に一度訪れるお弁当の日が楽しみだった。 料理上手な母が作ってくれるのは所謂ふつうのお弁当。 海苔が巻かれた俵型のおむすびに、小さくて味がしっかりついた唐揚げ、薄黄色の卵焼き、ウインナーとピーマンを炒めたもの、ちくきゅうに彩りのプチトマトとブロッコリー、うさぎの林檎。 いつも同じ献立だったけれどお弁当を開けるたびににんまりとしていた。 小学校と中学校は給食で、今思えばバランスの良い食事を毎日食べられるのだから本当に有難いことなのだけれど、当時好き嫌いが多かった自分にとっては
年に一度フルーツトマトを送る友人がいる。 大学生の時たまたま隣の席になった男の子に、 どこの出身?と聞かれ、 四国の下の方。と答えると 俺フルーツトマト大好きやねん! 今度送ってや! 大学で言葉を交わしたのはそれが最初で最後だったが、その時連絡先を交換して以来、年に一度お歳暮としてトマトを送るようになった。 送り続けて早12年。 トマトを送るとそのお返しに毎回お手紙が返ってきます。 おしゃれで綺麗な便箋に お前のトマトで俺の健康は保たれている! と、いうような言葉
サンドイッチよりもおにぎり、パスタより牛丼。チョコより煎餅。 糖質制限なんてなんのその、お米が大好物であります。 お米を食べるためにおかずを作るといっても過言ではない。 以前友人に誘われて女子会というものに参加した。 人生初の女子会だったので、テレビで見るこてこての女子会をイメージしてしまい、オシャレじゃなかったら色々言われるのかな、ちゃんと会話ができるかな、マウンティングって本当にあるのかなと不安や緊張を感じつつも、お気に入りの柔らかいニットと花柄のスカートを着てオシャレ
普段より遅く起きた朝、瞼が重く気分は少し落ち気味だった。 些細な感情の細波が大きな荒波を引き起こす狭い心の海、これを平穏に保つことがどれほど難しいことかはよく分かっている。 部屋が少し寒く感じたので椅子にかけてあった大きめのフリースを肩にかけ、二の腕を摩りながら階段を降りてリビングへ。 いつもなら明るい音楽をかけて口ずさみながら家事をして、ふにゃふにゃした顔にキリッとメイクを施して、お気に入りの洋服を身に纏って、その日一日がいい日になるように動きひとつひとつに気持ちを込め
多少の無茶も平気なくらいにはまっていた。 朝7時に学校に行き朝練、お昼休みにサーブの練習、放課後に部活動、終わってから社会人の練習に参加するほどバドミントン漬けの毎日だった。 はじめたきっかけは小学三年生の時地元でバドミントン大会があると聞き遊び半分で参加したことだった。 結果は準優勝。 もっと前から始めていれば、もっと練習しておけば、真面目に取り組んでおけば。と次々と押し寄せる悔しさでいっぱいいっぱいになって泣いた。 その後スポーツクラブに入り、ラケットの持ち方とシューズ
シューっとやかんが沸騰する音にハッとした。 少しとろんとした眠気にいかんいかんと顔を左右にブンブンと振り目を覚ます。 一人の朝は早めに起きてご飯とお味噌、昨日の晩の残り物を朝食にし、食後にのんびりコーヒーを飲みながら一息つくのが日課だ。 以前は出勤前に犬の散歩をしていて、1分1秒時間を無駄にしないためのドタバダ劇が繰り広げられていたのだが、無事シニア犬の仲間入りを果たした犬二頭は朝からぬいぐるみを枕に毛布に包まり一日中寝ているようになったので、散歩の代わりに食後のコーヒー
まだ真っ暗な中突然ぱちりと目が覚めた。 時計を見ると午前4時半、二度寝すると体がだるくなるんだよなぁとごろんとうつ伏せになって枕に顔を埋めた。 起床予定時刻は午前7時。 なんだか損をしてしまった気がしたけれど眠れないので、足元の机の上に置いてある旅行鞄からウォークマンを取り出して、ヘッドフォンから流れるゲームのサウンドトラックを聴きながら出来るだけ何も考えないようにぼんやりと過ごした。 心なしかとろんとろんしてきた頃、誰かのアラームが大音量で鳴った。 ヘッドフォンをしてい
初日はしまなみ海道から広島県に入り尾道と鞆の浦へ。 最近出来たいうカフェで海を眺めながら食べ方がよく分からないこじゃれた分厚いサンドイッチを食べつつ次の目的地までのルートを調べる。 どうやら近くに有名なお菓子屋さんがあってそこのプリンが美味しいらしいとカフェから数分の所にあるお店へ。 近くに車が停められないので少し離れた場所に停めてお散歩がてらてくてくと向かう。静かな商店街にわらわらとした人だかりを見つけそのお店だと分かった。 おやつとやまねこという名前のレトロなお店には、
午前5時、眠気と寒さをこらえながら服を着替えてメイクをする。 珍しく友人達と旅行をすることが決まり(普段は一人旅が多い)一泊という短い時間の間に出来ること行けるところどっさり詰め込まれたので、まだ空が暗い中を出発することになったのである。 決して嫌々ではない。が、めちゃくちゃ楽しみというほどでもなかった。 同世代の女子が行きたいところといえばオシャレなカフェや写真映えするスポット、可愛いがあふれている雑貨屋さんなどなど。 興味がないわけではないけれど、オシャレなカフェより美
飛行機の中で雑誌を読んでいるとある特集に目をとめた。 旅をするように毎日を過ごすノートと書かれたページに、様々色の手帳の写真が載っていた。 使っているうちに愛着が湧いてきそうな質の良さそうな革、少し大きめのレギュラーサイズと持ち運びしやすいパスポートサイズ、好きなレフィルを沢山挟んだりと様々なカスタマイズが出来る機能性。 これは何だか良い物と出会った気がする!と直感的に感じ、販売しているお店の住所をささっと写真に撮り、 こんなところで素敵な出会いがあるとは。と東京に着くまで
黒い服を着ないというこだわりがある。 20歳までは普通に着ていたのだが、アパレル販売の仕事をしていた時に このトップスには何が合いますか? このボトムスには何を合わせたらいいですか? そんな質問が多く、大抵黒を持っていけば間違いはないですよ。という答えがよく聞こえた。 けれど黒い服は誰もが持っていていつでも合わせられるし、折角ならこんな合わせ方もあるのかと新しい発見として新鮮な風をふわりと送り込んであげたいと考え、その為には自分が黒着てちゃだめだよなぁと思ったのが始まり。
おやついらない。と言っていた4歳の甥っ子。 そう?じゃあ私はミカン食べるね。と皮をむいた途端に甘酸っぱい香りが広がった。 ずっと背中を向けていた甥っ子がくるりとこちらを振り向き、ひょいっとソファーから降りると駆け寄ってきて僕もミカン食べたいと言った。 良い香りがするね。と半分に割った片方を渡すと鼻を近づけてクンクンと嗅ぎながらソファーに戻り、小さな口いっぱいにがぶりとかぶりついて手も口も汁でべたべたになりながら美味しいねぇとにんまりと食べていた。 小さい頃から我が家には食卓
好きなように文字をつらつら並べて好きなことを語りたいと思い立った。 周りを見渡してあるものはスマホに手帳、お気に入りのカップに入った甘いコーヒー、シンプルなカレンダー、電卓、のど飴、しっとりティッシュ。 顔をあげるだけで語れそうなあれこれがあるではないかとふと気づく。 そもそも今使っているPCだって使いたい理由があるから選んだのだ。 弩級の機械音痴に加え日頃の荷物の多さから、軽くて薄くて簡単に扱えるもの、キーボードを触ったときのぱちぱち感が心地よくマットな黒色が好ましい。機械