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よふかし
夏休みの夜更かしがぬけずにリビングへやってきた中学生と、寝る前の習慣について話したゆうべ。本はどう?という流れから、長女が生まれてすぐから、末っ子が小学校中学年になるころまで、ほぼ毎日続けてきた絵本の読み聞かせの話に。あれはあれでいい時間だったのだけど。
「読み終えたら一緒に寝たふりしてたな」
「なんで寝たふり?」
「ママが目を開けてると、寝ないから(笑)」
「俺たちが寝たら、起きてたの?」
「そうだねー。寝たのがわかったらこっそりお布団出たりね。でも君たちの寝息があまりにも気持ちよくって一緒に寝ちゃうことも多かったから、2時ごろ起きて仕事したりしてたかな」
「そっか。そのときはまだ、パパいなかったもんね。大変だったよね。気づかなくてごめんね」
最後の一言に思わず絶句。
「いま」や「そのとき」を、君はそんな風に見るんだね。気づかなくて、じゃなく、君は小さい頃からいつもこうして、気遣ってくれてたんだよ。シングルの仕事と子育てと母の闘病のはじまりが重なって、先が見えない不安を誰にも言えずにこっそり泣いていたとき。まだふっくらとした小さな手で私の頭をなでたり、背中をトントンしたり、黙ってハグしてくれたのはまだ3歳の君だった。
思春期になって荒ぶるときもあるけれど、根っこの部分はこうして人の気持ちに寄り添える繊細な子に育ってくれていることに、ありがとうの気持ちでいっぱいになったのだけど。同時に、人の気持ちに気づきすぎて余計なことを抱えてしまうことになるんじゃないかと、なんだか申し訳ない気持ちにもなった。
3人3様の子どもたち。いつか私が旅立ったとき、君たちがそれぞれに生きやすく、幸せにいられるように。私は何をしてあげられるだろう。