街の歯医者さんの「歯がこの子を守ってくれたんだよ」この言葉で救われた
次男が2歳の時のこと。
転んだ瞬間
手をつくことができず、
顔面をコンクリートに強打。
その瞬間に前歯を折りました。
「ポケットから手を出してー」
親のこんな声も虚しく
その時彼は
ガシャのカプセルを
両手に大事に握って
トコトコと
公園に向かって走っていた。
瞬間的に手を出すことができず
顔面をコンクリートに直に打ち付けて
前歯一本の半分が折れ、
その拍子に斜めに歪んだ状態で
さらに奥まで突きささってしまった。
今思い出しても恐ろしい。
マンションとマンションの間の道。
「ピキーン」って
イヤな音が大きく響いた。
走り寄って顔を起こすと
折れた歯の部分には
砂と血が混ざって入り込み、
まるで悪夢。
「やっちゃったーーー」
って思ったっけ。
そのあと
彼はなんとお昼寝時間の睡魔に負けて
痛みはなかったということなのか
自宅に戻る前、
13時半くらいだったかな、
抱っこの状態で眠ってしまった。
こんなことってあるの?
って思いつつ
帰宅後急いでこの時間でもやってる
歯医者さんを探した。
奇跡的に14時まで受付けている
町の歯医者さんがあった。
どうやって向かったのか
あまり記憶がないけど
おそらくベビーカーに乗せて
猛ダッシュしたのだと思う。
救急で入った院内で
カラダをぐるぐるラップ巻きにされ、
ミイラ状態で診察台に抑えつけ
(暴れると危ないからね)
麻酔をし、
神経を抜く処置をしていただきました。
…もう10年くらい前のお話。
折れて、斜めに歪んで
奥まで突き刺さった状態だった歯は
その2年後に
永久歯の生え変わりのタイミングで
ようやく抜くことになる。
それまで前歯は当然
歯抜け状態。
愕然とした記憶が蘇る…。
まるで一生「歯抜け」かと思うくらいに
落胆したっけ。
子どもがポケットに手を突っ込んで歩くって、
ましてや走るなんてことは、
本当に怖いことなんだよね。
「ポケットから手を出して」
っていわれ続けている本当の意味を
この時
身を以て知った。
当時
大事故になってしまったことで
半泣き状態だったわたしに、
麻酔をし、神経を抜く処置をしてくれた
先生のひとこと。
とても温かく
今でもずっと印象に残っている。
「歯がね、脳を守ってくれたんですよ」
この言葉を聞いた瞬間、
涙が止まらなかった…。
もしあの時
そのままコンクリートに頭を打っていたら…
そう思うと身の毛もよだつ。
本当の意味で歯が、
次男を守ってくれたんだね。
あの状況で
歯が一本欠けただけで済んだって
本当に奇跡。
ステキな言葉をくれた歯医者さんには
その後もずっと、今でも通ってて
今年で10年になるかな。
時々あの時の言葉を思い出して
一人先生の顔をじっと眺める…。
きっと先生からしたら
ちょっと怖い人。
なのかも(笑笑笑