【しまね女子ブログ】 山本千栄vol.5
山から学ぶ 山と暮らす 山で生きる
「見えるか?山がここに道を作ってくれっていうてるやろ?」
そう言って山肌を見ながらにこやかに話す、林家、橋本光治先生。
橋本先生は山に道を作る大先生で山仕事をする方々にその技術を教えています。
私もその山仕事をする1人で、その先生からたくさんのことを学んでいます。
学んでも学んでも尽きない。山はとても奥深いです。
さて、今回は【山】の魅力をお伝えしたいと思います。
山の奥深さ、魅力は無限にあって全部伝えるのはなかなか難しいですが
精一杯書くので伝われば嬉しいです。また共感してくださる方がいれば更にとっても嬉しいです。
森に癒される
ふとした時やちょっと疲れてる時などに
「自然があるところや緑のあるところに行きたいなぁ」と思うことはありませんか?
最近ではキャンプが注目され、自然のあるところで過ごす方も増えました。
私は京都という街から島根にやってきましたが京都にいる時から
お休みの日は庭園のある神社やちょっと電車に乗って緑のある場所によく行っていました。
理由はたくさんありますが、一番は心がすっきりするから。
そこに降り立った瞬間、心がスーッと綺麗になる感覚になるんですよね。
都市部に住んでいる方は私のような人はたくさんいるのではないでしょうか。
”心地いいー”
そんな声が漏れてしまいます。
森や自然は人が本能的に戻りたくなる場所なんだろうな。
そんな風に思います。
山が欲しいから始まった山のある暮らし
日本は国土の67%が森林で、世界でも有数な森林国です。
そのうち島根は78%が森林で全国で4位です。
それほど、島根は自然に恵まれた場所です。
私が島根に移住したきっかけは山が欲しいから始まりました。
Vol.1の記事でも書いていますが欲しいのは”飲める水”がある山。
他にもあるのですが第一の条件はそれでした。
日本はとても水が綺麗です。その理由は山があるからで、山の環境が良いからです。
海の美しさ、海にあるたっぷりの栄養を作るのは山で、山が豊かな証拠です。
島根の海が綺麗なのも、魚が美味しいのも山のおかげですね。
ーそんな貴重な山の側で暮らしたいー
そんな理由から私は今に至ります。
私はこの地に来て山仕事を始めました。
“林業”と言われる職業に必要なスキルを学んでいます。
山が欲しいだけじゃ山が無駄になってしまう。
もっと山のことが知りたい。と思い、本格的に技術習得に励みました。
島根に移住してもうすぐ3年になります。
今ではチェーンソーで木を伐ることができるようになり、またバックホウで道を作ることがほんのちょこっとできます。(まだまだ修行中ですのでできる!とは言い切れません)
草刈機でどこまでも刈れます。
山での危険を察知する知識も積みました。
木を運ぶためのロープワークなども学びました。が大半忘れてしまいました。とほほ。(今年、ココ学び直したいです。。。)
山仕事を知れば知るほど深みにハマると共に、山の奥深さを痛感します。
山はいろんな樹種が混生していて同じ山は2つとありません。
樹種だけでなく地形や土質、目に見えない地中の水や石や岩。
存在もそうなのですが、山はこう!と言い切れないのです。
解読できない存在といえば伝わるだろうか。
昔から山は神様と言っていた意味が分かるような気がします。
生半可な私が偉大な山のことを軽々しく話せない。そんな感じです。
山仕事をする上で大切にしたいこと
冒頭で書いた橋本先生は現在74歳。
32歳の時、銀行員を辞め先祖から受け継いだ110ヘクタールもの山を管理から伐採、搬出まで一貫して営む「自伐型林業」を実践されている方です。
橋本先生は30年かけて30kmの作業道を作り、夫婦で林業をされています。
ちなみに「自伐型林業」とは簡単に説明すると小さい林業です。
広範囲に対し、大きな重機を入れて道を開設したり木を伐るのではなく、
少人数でチェーンソー、バックホウ、軽トラなどで山を施業すること。
大規模林業との違いは低コストで林業ができること。
また、土砂崩れなど環境破壊を誘発しない、細く長く管理をするので、持続可能な森林経営ができるとされています。
橋本先生は「自伐型林業」という言葉ができる前にそれを実践された方です。
その先生の教えからは学びはとても多く、山仕事だけでなく生き方、考え方は心を打たれるものがあります。
橋本先生はよく言います。
”山が全て教えてくれる”と。
もはや仙人レベルがおっしゃる言葉。。
「毎日山に入って歩いていたら、だんだん見えてくる。そうすると山の全部が見えてくる。
見えへんか?」
残念ながら、私は何も「・・・見えません。泣」
「ほな、もっと山入り〜!」
そんなやりとりをしました。
山仕事をコツコツと続けてきて私が山仕事をする上で大切にしたいことがあります。
それは、
・木を植えてくれた先祖に感謝すること。
・木を伐る時は木と相談すること。
・道を作る時は土中の生き物を殺さないこと。
・むやみに低木や雑と呼ばれる木を伐らず、生かすこと。
・10年後20年後、次の世代のことを考えて仕事をすること。
・今やっていることを伝えること。発信すること。
です。
昨年からは木材の6次産業化を目的に炭作りも始めました。
もう作り方を教えてくださるのは町に住む83歳のおじいちゃんだけになり、技術継承の目的も込めてスタートしました。
その様子を動画にしたのでご覧ください。
※↑画像をクリックしてください
山仕事の醍醐味
この仕事のいいところは
陽が昇ってから仕事が始まり、陽が沈む前に仕事が終わること。
季節や天候に合わせて作業をするので、とても自然に合った生活が送ることができます。
そして、なんと言っても“自然の中で仕事ができる”ことです。
目標はひとつの山で10の仕事を作ること
私の目指す林業はひとつの山で10の仕事を作ることです。
10という数字はあくまで仮定なのですが言いたいことは複合的な仕事をしていくということ。
山で木を伐って売るのもひとつ。道を作るのもひとつ。木を原料に育てるのもひとつ。
木を加工して製品にするのもひとつ。
こうやって暮らしを文字にしたりSNSで発信するのもひとつ。
いろんな形の仕事があって良いなって思っていて、そのために会社も立ち上げました。
たくさんの方に山に入る機会を作りたい。そんな想いで立ち上げました。
楽しい山ライフ
結果、私の山の側で暮らす選択は大正解!!
移住してからとっても自分らしく開放的に生活を送っています。
毎日が楽しくて、移住前にイメージしていた田舎暮らしのスローライフとは少しかけ離れていて
反対に時間が足りないくらいの生活です。
それと、好きな人と好きなところで仕事や生活ができてとっても幸せです。
森に癒される理由は体が求めているから。
皆さんにも是非、山に入ることをおすすめします♪
次回はその一歩を踏み出せる場所をご案内します^^
ではまた次回!
〜〜〜〜〜Profile〜〜〜〜〜〜〜
山本 千栄(ヤマモト チエ)
京都で画家・デザイン業をしていたが2018年に山が欲しくて
子狼を連れて島根に移住。
地域おこし協力隊3年目。山仕事を学ぶ。
豊な森を作るためNPO法人G.I.F.T in natureを設立。
山の暮らしや魅力を日々発信しています。
林業ママになりました⭐︎
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