【しまね女子ブログ】隠岐の自然に背を向け、私は引き籠る~移住のきっかけ~
半年前から、健康のためウォーキングを続けている。長く続ける習慣にしようとウォーキングシューズも新しく買った。道中、靴紐が緩んでいることに気づいた私は、腰を落とし、まだ真新しく、固さの残る靴紐をしっかりと結び直した。そして再び歩き出そうと顔を上げた私の眼前に、信じられないほどきれいな景色が広がっていた。
え?え?凄くない?ヤバくない?この空の青!雄大な山々!広がる日本海!こんな絶景が観光旅行に行かなくても、すぐご近所で見られるなんて!!!
という感動を、移住して4年経った今でも、未だに味わっているのが私です。
初めまして!しまね女子ブログで隠岐エリアを担当させていただくことになりました、フリーランス漫画家『あーさ』と申します。4年前に単身、地元愛媛県から隠岐の島町に移住して来ました。せっかくこんな綺麗な場所に引っ越してきたのに、遊びに出るでもなく、日がな一日家にこもって漫画ばかり描いているヤツです。だからこそ、一歩家から出ると、未だに「うわ…絶景…!」ってなるのかもしれませんが(笑)
さて、田舎––特に離島への移住を希望される方は、家族と一緒の移住を考え、アウトドア派の方が多い印象です。家族で釣りやキャンプ、畑仕事を楽しめたら、すごく素敵ですよね。一方で、私は独り身かつ超インドア派です。一人大好き。お家大好き。
「いったい何しに来たの?」と言われそうですが、実は私のようにインドア派だけど隠岐に移住して来たって人は、結構それなりにいます。インドア派にはインドア派なりの田舎の楽しみ方があるのです。
そんな私の日々思うこと、感動したことを、こちらのブログで描かせて頂こうと思っています。
移住のきっかけ
移住のきっかけは、漫画の大スランプでした。
私は子どもの頃から漫画を描くことが大好きでした。それが高じて、社会人になってからは、他の仕事と併用して、漫画執筆の仕事もしていました。しかし、次第に仕事で漫画を描くことが辛くなってきたのです。もちろん、仕事なので締め切りは守っていましたが、子どもの頃に感じていた「漫画が楽しい!」「描かずにはいられない!」という情熱はすっかり消え失せていました。漫画を描くことが人生で一番の楽しみだった私にとって、これは由々しき事態でした。
宇都宮に旅行した際、日光東照宮で「また漫画を描くことが楽しくなりますように」と絵馬に願ったほどです。
今のままの生活をズルズル続けていても、現状は変わらない気がする…。ではどうするか…と考えた時、最初に思いついたのが、環境を変えることでした。思えば、私は地元愛媛からほとんど離れたことがありませんでした。新しい環境で生活すれば、刺激を受けて、また創作の情熱が戻って来るかもしれない!そうひらめいた瞬間から、私の『移住計画』が幕を開けたわけです。
実は、最初は都会への移住を考えました。横浜、名古屋、沖縄の那覇…どの街も面白く、刺激に溢れているように思いました。しかし、なんとなくそこで暮らしている自分のイメージが沸かなかったのです。
ちょうどその頃のことでした。隠岐の島町の存在を知ったのは。
隠岐の島町との出会い
私に隠岐の島町を教えてくれたのは、普段相談事でお世話になっている先生でした。私が都会への移住を考えていることをお話すると、先生は「これからは都会より、注目度の高い地方の方が面白い。」「隠岐の島っていう面白い島があるんだ。」と教えてくれたのです。
先生がそこまで勧めてくれる隠岐の島…一体どんな所なんだろう?そう思った私は、一度遊びに行ってみることにしました。
実際に訪れてみて最初に感じたことは、隠岐の雄大な自然の素晴らしさでした。私はアウトドア派ではありませんが、自然は大好きです。
特に乳房杉の神々しさときたら…!
でも、隠岐の島町に来て一番「ああ…素敵だ…!」と感じたのは『人』です。この島特有の、人と人との距離感。例えば港で分からないことがあれば、近くにいた地元のおじちゃんが笑顔で教えてくれる。スーパーで買い物をすれば、知らないおばあちゃんが「最近野菜高いね~」と声をかけてくれる。気さくで優しく、でも決して近過ぎないこの距離感は、私にとってとても心地よかったのです。
あと移住者の人たちの面白さ!皆さんそれぞれ想いを持って、隠岐に移住して来ています。それは起業であったり、自身の人生の見直しであったり。色んな職種やスキルを持った人たちが集まって来ているので、話を聞くだけでもめちゃくちゃ面白いのです!
この島に住めば、失った創作意欲を取り戻せるかもしれない!そう感じた私は、旅行から戻って2週間ほど経つ頃には、もう隠岐の島町への移住を決断していました。
そしてこの予感は的中しました。なんと、隠岐へ移住して2週間経つ頃には、私はもう新しい漫画の執筆を始めていたのです。(この漫画に関しては、次回詳しく!)
今ではフリーランスの漫画家として、島内を中心に活動しております。
40代というターニングポイント
自分は40歳という節目で、大きく環境を変える決断をしました。人生80年と考えると、ちょうど『人生の折り返し地点』だ…と感じたからです。
残りの人生の後半戦、まだ頭と体が動くうちに、子どもの頃からやりたかったこと、やり残していることにチャレンジしたい。私の場合は『漫画』です。「自分自身が読みたくなるような漫画を描きたい!」「漫画家で食べていきたい!」コレです。
自分の人生を楽しむために。後悔しないように。
きっと他の移住者の方々も、同じような気持ちを抱えて、人生の決断をしたのだと思います。
よく人生って「旅」に例えられますよね。人生の目的を「旅の終着点」とするなら、旅の醍醐味はおそらく目的地への到着ではなく、それまでの道中……どんな体験をして、どんな人たちと出会えるのか……に価値があるのでは?と思うのです。
もちろん、目的地に意味がないと言っているのではありません。目指す場所が違えば、出会える人や体験も変わってくるわけですから。
私は、隠岐の島町に来て、地元・移住者関係なく、自分らしく生きている人たちと仲間になれました。彼らからインスピレーションをたくさんもらい、おかげ様で漫画もバリバリ描けるようになりました。
先に述べたとおり、私が移住を決意した動機には、「隠岐に住むことで、創作意欲が戻ればいいなぁ」という期待がありました。まさかここまで夢中になって描けるようになるとは…。
ああそうだ。もし次に宇都宮方面へ行く機会があれば、日光東照宮にお礼参りに行かなくてはいけませんね。
◆◇◆━━━━━━◇ プロフィール ◇━━━━━━◆◇◆
【ペンネーム】あーさ
【居住市町村】隠岐の島町
【UターンorIターン】Iターン
【移住前の居住地(都道府県)】愛媛県
【年代】40代
【お仕事】漫画家
【好きなこと】仕事で漫画を描くこと 趣味で漫画を描くこと
隠岐の美味しいご飯屋さん巡り インコを吸うこと
【Love shimaneとしてひと言】
隠岐の島町に愛鳥と共に移住して早4年。暇さえあれば家にこもって漫画を描いているため、まだ訪れたことのない隠岐の観光地がたくさんあるという、なんとも残念な体たらく。
そんなインドア派でオタクでおひとり様の私ですが、ここ隠岐の島町で豊かな暮らしを楽しんでいます。
普段は引きこもり、たまに外に出て隠岐の自然や人々との交流を楽しむ…そんな私の日々の感動をお伝えしていきたいと思います。よろしくお願いいたします。