欠番
欠番の放送とは❓
DVDや衛星放送が普及し、あらゆる“埋もれた名作”が発掘、復刻されている21世紀。しかしその片隅では、抗議や自主規制などにより再放送およびソフト化がされず、いまだ決して目にすることができないいわゆる放送禁止映像が存在する。いや、存在しなかったこととされている。それら封印された作品は、いったい何を問題視されたのか…。本書はそうした封印された“全263作品”から知る映像の暗黒史を物語る膨大なリストである。
封印理由を考えると差別的表現や発言が原因ではないかと思われるかもしれないが、決してそれだけではない事がよくわかる。しかし、これらの作品群も近年のDVD発売や衛星放送により修正を加えられたり、オリジナリティーを尊重することで日の目に見ている作品は多々あるので封印は解かれつつある。
それでも様々な事情により今現在も放映不可能な作品は多く、中でも『ウルトラセブン』第12話「遊星より愛をこめて」、『怪奇大作戦』第24話「狂鬼人間」の挿話から『オバケのQ太郎』『ジャングル黒べえ』『キャンディ・キャンディ)』が今現在も封印に到るに関する挿話には安藤健二氏の労作『封印作品の謎』『封印作品の闇』〈大和書房刊〉をおススメする。
個人的には大好きな萬屋錦之介主演の大ヒット時代劇『子連れ狼』で欠番(現在では欠番表記もなし)が存在しており、現在は第1シリーズ第2話の放送リストには『鳥に翼 獣に牙』となっているが本来その第2話に原作『乞胸お雪』の挿話が放送(1973・4・8) されていた事に驚愕した。私自身、その噂を耳にしていたが、てっきり脚本段階で却下され、映像化されていないものと思っていた。現在では原版が現存していないとの事であるが、出来るなら是非見てみたい。
最後にP.156にある『クレヨンしんちゃん』の挿話も大変よかったです。