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今シーズン、山小屋で働きたい人へ ~山小屋アルバイト【体験談】準備編~
どうも、しましまです。
今回はタイトルの通り、山小屋アルバイトに興味がある方、行ってみたいけどやっぱり不安が拭えないという方向けに書いていきます。
普段の生活とはかけ離れたイメージの山小屋での住み込みアルバイト、いざ行ってみてもやっていけるか心配ですよね。
そんな方のために、登山経験1回で山小屋に働きに行った私が、小屋選びの時に重視したことなどを書いていきます。
少しでもイメージが沸いて背中を押すことができればと思っていますので、良ければ読んでみてください。
そもそも山小屋アルバイトとは?
山小屋アルバイトとは、登山者が宿泊や休憩をする山小屋で働く仕事のことです。登山客への接客を中心に、食事の準備や清掃、物資の運搬など幅広い業務をこなします。
山小屋の仕事は一般的なアルバイトとは異なり、山の厳しい環境の中で働きつつ、初めて会う人たちと共同生活を送るため、体力や適応力、ある程度のスルースキルが求められます。しかし、大自然の中での貴重な経験や一生ものの出会いが得られる魅力的な仕事でもあります。
仕事はどんなことをするのか?
山小屋の仕事は大きく分けて以下のような業務があります。
1. 宿泊者対応・受付業務
宿泊予約の確認・受付
チェックイン・チェックアウト対応
2. 食事の準備・提供
朝食・夕食の調理補助
食器の洗浄・片付け
弁当の準備(小屋による)
3. 清掃・片付け
客室・共有スペースの掃除
布団の上げ下げ
風呂・トイレ清掃
4. 物資の運搬
食材や燃料の運搬(ヘリや人力)
5. その他の業務
売店などの販売業務
遭難者対応(まれに発生)
小屋によってはSNS運用やブログ更新
除雪や道しるべのための竹竿差し(小屋開けの時や雪の季節)
登山道整備
これらが一般的な業務内容になります。小屋(というか山域)によっては食料、燃料の運搬や登山道整備などはほとんどやらない場合もありますが、大まかにはこんな感じです。
小屋によってこれらのことを協力してやっていたり、完全に分業制だったりと様々です。
応募ページの仕事内容のところに大体は書いてあるので、応募前に必ず確認しましょう。
生活環境はどんな感じ?
生活環境は小屋のある場所によって様々です。
山小屋というとアクセスは歩いて数時間、水は自由に使えず、部屋は相部屋でみんなで雑魚寝、みたいなイメージがぱっと浮かぶのではないでしょうか?
確かにそういう山小屋もあるのですが、場所を選べば初めて山小屋で働くのが不安な方でも安心して働けるような小屋もあります。
稜線にある山小屋の特徴
補足:稜線にある山小屋とはざっくりいうと、本気の山小屋です。多分山小屋と聞いてイメージとしてぱっと浮かぶのはこちらの方です。
アクセス:徒歩のみ。物資の運搬も自力で行うため、生活に必要なものは背負って運ぶ。(小屋開けの時にヘリで運んでもらえたという友人も中にはいました。)
水事情:水の使用が制限される。顔を洗うのも最小限。雨水で体を洗うなんてところも。
寝泊まり:スタッフ部屋は狭く、雑魚寝が基本。プライベート空間はほぼなし。
向いている人:過酷な環境を楽しめる人。
登山口・低山の山小屋の特徴
アクセス:高原バス等で比較的近くまで行けます。
水事情:比較的豊富で、シャワーが使える、お客さんようの風呂に毎日入れる小屋もあります。
寝泊まり:個室や少人数部屋もあり、プライベートを確保しやすい。
向いている人:ある程度の快適さを求める人。
ざっくり分けるとこんな感じでしょうか。
私が働いたのは立山(富山県)と上高地(長野県)のエリアでした。初めて働くならこのあたりは個人的におすすめです。
私が働いたところは、電気・水道・wi-fi有り、Amazon届く、休みの日に街に行ける、みたいな超快適なところでした。
どちらも共通しているのは、公共の交通手段で小屋の集中しているエリアまで行けるということです。(立山はケーブルカー+バス、上高地はバス1本)
インクノット(山小屋求人サイト)さんの募集内容のページに小屋までのアクセスにかかる時間がだいたい載っているので、参考にしてみてください。
求人はどこで見つけるのか?
インクノット:山小屋の求人が多く掲載されています。大体の人はこれを見るのではないだろうか。
山と渓谷オンライン:山小屋以外にも、山にかかわる仕事の求人も載っています。
SNS:小屋によってはInstagramなどで募集情報を発信しているところもあります。普段の仕事の様子やスタッフの仕事ぶりなどがのっていることもあるので、どんな人がどんなふうに働いているか見ることも出来たり出来なかったり。
私が小屋選びの時に重視したこと
電波があるか。
電波というか通信環境は、もちろん小屋にいるときの暇つぶしや調べものもそうですが、私は小屋にいる間に次の仕事も見つけておきたかったので、そういう面でもあってよかったと思います。水は豊富か。
洗濯や風呂はもちろんですが、気兼ねなく水を使えるところの方が住環境は綺麗な気がします。特にトイレとか。(後々自分が掃除することになるかもしれない場所ですからね。)交通の便はよさそうか、歩行距離は短いか。
私はガツガツ山を登るわけでも、山の不便な生活を楽しみたいわけでも、一生モノの出会いがしたい(キラキラ)でもなく、景色がいいところで働きたかっただけの雑魚山小屋アルバイターだったので、、、。
あとはやっぱり狭い小屋の中で初めましての人たちと長期の生活になるので、人見知りの自分としては息抜きに街にすぐ降りられる環境というのは気が楽でした。そこの景色が好きか。(重要!!)
これは後から思ったことなんですが、結構重要な要素でした。毎日見るものなので、これが物足りなかったりすると、山での生活に慣れてきたころにもっとほかの場所に行ってみたい!ってなるんですよね。休憩時間や休日に山にのぼれるか。
意外に思うかもしれませんが、小屋によってはこれを禁止しているところもあるそうです。理由としては、怪我の可能性があるからです。まあ当然ですよね。働き手としてきてもらった人が怪我ですぐいなくなってしまったら、山小屋としたら困りますもんね。
私が働いたところだと、小屋明け~GW終わりまでのBC(バックカントリー)は初年度の人は禁止なんていうのがありましたね。
応募から採用まで
インクノットさんでの山小屋の求人は年明けから徐々に始まるため、早めに動くといいかもしれません。
(この記事を書いているときにインクノットさんをチラ見したら、2月頭時点で今シーズンの募集がすでに埋まっているところもありました・・・。)
応募方法は、小屋ごとに異なりますが、基本的には履歴書の提出と電話・オンライン面接が一般的です。
私の場合は、最初のところは電話面接を受け、言われた通り履歴書を送ったらいつの間にか採用になっていました。笑
その次に働いたところは電話の数日後にオンライン面接でしたが、面接とは名ばかりの契約内容のすり合わせでした。(採用の方向で話を進めていきますねと最初に言われました。)
ということで、山小屋アルバイトに関して言えば、面接らしい面接を私はしたことはありません。
採用が決まると、必要な持ち物やアクセス方法の案内があり、いよいよ山小屋での生活がスタートします。
最後に
如何でしたか?少しでもお役に立つ情報があったならば幸いです。
多くの人が山小屋バイトで不安な点といえば、生活に関して風呂、洗濯面での不安だったり、プライベートが確保されているか等かと思います。
一概には言えませんが、小屋をしっかり吟味すればこの点は大丈夫だと思います。
あと私個人としては働いている人の年代は自分と近いか、仕事内容は自分にもできるんだろうか?などの不安もありました。
この辺は次回の記事で書こうと思いますが、仕事に関しては先に結論を言ってしまえば、山小屋で働いている人たちって大体の人がアルバイトで(中には社員だったり、リピーターである程度スキルのある人もいますが)ほとんどが未経験スタートみたいなものだと思うので、そこは心配しなくてもいいかと思います。山に登ったこともないって人も案外います。
次回の記事では、実際に山小屋での仕事がどのようなものだったか、生活の様子や人間模様などについて書いていきますので、よければまた読んでください。