自分のトリセツ「強運体質になる」
「運がいい」とはどういうこと?
わたしが所属している経営者の勉強会では、経営の「やり方」ではなく、経営者としての「あり方」を教えてくれます。
そして、そこで教えてもらったことは、知識として「知ってる」だけでなく、行動として「出来る」という状態になるまで、繰り返し習慣化していきます。
経営者として、相応しい「あり方」が身についてくることによって、仕事も人も大繁盛していくようになるのですが、このことは、別の表現をすれば、「運がよくなっている」「強運体質になっている」ということだとも言えるでしょう。
人によっては、「運」というものは生まれながらに決まっているものだと、思っているのではないでしょうか?
目に見えないものについての話なので、色々な考えがあって良いと思いますが、「運」は生まれながらに決まっているものではなく、それぞれの「あり方」によって、上げることも可能だと思った方が楽しいように思うのですが、どうでしょう?
今回はそんな観点から、強運体質になるための、ルールや仕組みについてお伝えできればと思います。
どんな人でも、自分の「あり方」次第で、どんどん「運」を上げることができることに気がついてもらえたら嬉しいです。
「不運」の理由
コーチングのお仕事をさせていただいていると、多くの人が、ある一つのことを変えるだけで、仕事や人間関係がみるみるうちに上手くいくようになっていきます。
その「ある一つのこと」というのは、「セルフイメージ」と呼ばれるものになります。
セルフイメージという言葉は既に聴き慣れたものだと思いますが、「自分に対する思い込み」のことを指す言葉です。
そして、仕事や人間関係がうまくいっていない人の共通点は「不運なセルフイメージ」を持ってしまっているという場合がほとんどです。
そして、「セルフイメージ」がどのように作られるかといえば、
① それぞれの「経験」
② そこから得た「情報」
③ それらによって得る「感情」
④ それらに対する「意味付け」
によってとなります。
つまり、「不運なセルフイメージ」を持っている人は、何かしらの「経験」から得られる「情報」に対し、悲しい、悔しい、寂しいなどのネガティブな「感情」を持ったことによって、その経験を不運なものとして「意味付け」してしまったのです。
そして、そのような「意味付け」は無意識に繰り返されるパターンによって強化されていきます。
それを心理学の世界では「人生脚本」などと呼んだりしますが、この脚本を書き換えさえすれば、無意識に繰り返されてしまう「不運」なパターンを、「幸運」なパターンへ変えることも可能なのです。
「人生脚本」の書き換え方
自分にとって不都合な「人生脚本」を書き換え、「不運なセルフイメージ」を捨て、「強運体質」になるためには、脚本ができたプロセスを分析することが非常に重要です。
人生脚本では、不公平・否定的な「意味付け」のことを「禁止令」と呼んでおり、代表的な禁止令には次のようなものがあります。
代表的な禁止令
◆存在してはいけない
虐待を受けたり、親から否定され続けた場合、「生きていていい」とは思えず、この禁止令が根付きます。
◆男(女)であってはいけない
男の子が生まれて、親戚や知人に「本当は女の子が欲しかったのよ~」等と母親から言われると、根付きます。本人も無意識のうちに男っぽい女の子になったりします。
◆成功してはいけない
子供の成功を素直に親が喜べないケースが繰り返されると根付きます。
◆健康であってはいけない
「普段は異常に厳しく、病気になったとたんに優しくなる」ということが繰り返されるとこの禁止令が根付き、親から愛されるために病気がちになります。
◆考えてはいけない
子供が食べたい物や欲しいものを選んでいる時に、「これにしなさい」などと選択の余地を与えない機会が続いたり、自分の意見を聞いてもらえない機会が続くと「考えないほうが愛されるんだ」と思え、この禁止令が根付きます。
◆自然に感じてはいけない
笑ったり、泣いたりした時に、常に「静かにしなさい!」と言われ続けると根付きます。無表情のお子さんに多いです。
◆完璧でなければならない
両親から褒められる機会が少なく、優秀な兄弟と比較され続けると根付きます。「兄のように完璧でないと、今のままの自分では愛されない、完璧でないと愛されないんだ」という思いが繰り返された結果です。
◆役に立たなければならない
片親で手伝いをすると褒められる機会が続いたり、幼い時から親や祖父母のグチを聞かされ続けるとこの思いが根付きやすいです。他人優先で自分の思い、やりたい事がおざなりになるので苦しいです。
参考文献:杉田峰康『新しい交流分析の実際』
これらの禁止令に基づいてつくられた人生脚本を分析し、修正を図っていくのです。
人生脚本がつくられたプロセスを修正する
人生脚本を書き換えるためには、はじめに自らが持っている「意味付け」に気づく必要があります。
無意識のうちに根付いてしまっている「意味付け」に気づくことはなかなか難しいことではありますが、何か自分にとって不都合なできごとが生じた際には、大きなチャンスだったりします。
冒頭で触れた経営者の勉強会では、そのチャンスのことを、「苦難は幸福の門」などと表現したりしますが、無意識のパターンをひも解く方法として、痛い目をみるというのは、非常に有効だったりするのです。(好むか好まざるかは別として。)
そして、何かしらの不都合なできごとを目の当たりにしたときには、その本質的な原因に向き合うことが重要で、向き合うということは、「誰かや何かのせいにしない」ということだったりします。
例えば、わたしを例に出すとすれば、わたしは「完璧でなければならない」という禁止令を持っています。
2つ歳下の妹との関係性において、完璧な兄でいることが、親からの愛情を受け取る方法だと思ってしまっていたからです。
つまり、わたしの経験は、「2つ下の妹との関係性において、親の愛情を奪い合う経験」というものだったわけです。
そこから得た情報は、「妹より優れているところを示すことで、親が喜んでくれる」というものです。
そして、その時の感情は、「完璧(優秀)であれば褒められて嬉しい」というものになっていきました。
そうすることで、自ずと、「完璧でなければならない」という意味付けが形成されていったのです。
この「意味付け(禁止令)」を持っていると、何かを始めるときにとても大きなエネルギーを使うことになってしまいます。
失敗することが許されないので、何をするにしても必死な状況だったりするのです。(笑)
ただ、それに気づきさえすれば、あとは何かをするときに、それを修正してあげればよいのです。
例えば、欲しい結果が「仕事での成功」だったとして、通常運転であれば、「仕事で成功するためには、完璧でなければならない」という感覚に陥ってしまい、自分で自分を追い込んでいくようになってしまいます。
それを、「仕事の成功」の定義をもっと明確に詳細から「分析」することから始めるのです。
完璧主義の傾向を持っている、「完璧でなければならない」という意味付けを持っているひとは、仕事の成功を求めたとき、次のように思考が機能します。
①仕事で成功したい
②人より優れていることで成果をあげることができる
③完璧(優秀)であるために努力をする
④ますます完璧(優秀)でなくてはならない
この順番を「分析」から始めると次のようになります。
①仕事で成功することとはどのようなことか?
②求められる成果・結果とは?
③それを達成するための具体的な手順は?
④まず何から始めればよいか?
「分析」を取り入れなかった場合、「仕事で成功する」ということが「誰かから認めてもらう」という承認欲求に基づいてしまっていることが明らかになってくるのがお分かりでしょうか?
これが、わたしたちが無意識に引き起こしてしまっているエラーの仕組みであり、人生脚本の書き換えポイントとなります。
そもそも完璧なんてあり得ないにもかかわらず、それを意識してしまっているという矛盾に気づくことで、問題解決のはじめの一歩は踏み出せたといえます。
このような感じで「不運のセルフイメージ」を払拭し、「強運体質」を手に入れることができるようになりますので、まずは何か不都合なことがあったとき、それを受け入れるところからスタートしてみてください。
必ず人生は好転していきます。
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