【6曲目】花は誰のもの?/STU48
終戦の日ということで、今回はSTU48の8thシングル「花は誰のもの?」を取り上げたいと思います。
私は結成当初こそSTU48を追っていたのですが、それ以降はなぜか遠のいていました。そんな私が再度STU48にハマるきっかけになった曲でもあります。
私と同じように、この曲をきっかけにSTU48を知った方も多いようで、この曲はSTU48が公開する動画の中でも一番視聴回数が多く、現時点でSTU48の代表曲といっていいでしょう。
歌詞全体で「一つのメッセージ」のような気がするので、ピックアップして紹介はしませんが、この曲は花を題材に自由と平和を願う歌です。
アイドルの楽曲ではあまりテーマにしないジャンルかと思いますが、広島を中心とした瀬戸内を拠点に活動するSTU48が歌うからこそ大きな意味があり、だからこそその純粋な思いが多くの人の心に響き、大ヒットにつながったのだと思います。
この曲は石田千穂さん、瀧野由美子さん、中村舞さんの3人が「トライアングルセンター」として披露されていますが、3人のどこか切なく儚げだけど、何か強く訴えかけるような表情が印象的です。
さて、この曲でカギを握る言葉は「花」ですが、実はこの曲のタイトルである、「花は誰のもの?」というワードは曲の中で一度も出ていません。
秋元康さんは曲のタイトルは最後につけるそうで、だからなのか、それとも意図的なのかわかりませんが、曲中もっといえばサビの一番印象的に残る部分の歌詞をそのままタイトルにしていることが多いです。
もしこの曲も同じようにつけるとするなら、「もしこの世界から国境が消えたら」になると思います。
ではなぜこの曲は「花は誰のもの?」というタイトルにしたのか。
真相はわかりませんので、あくまで私の推測ですが、歌詞に登場する「もしこの世界から国境が消えたら」という表現は秋元康さんの中では比喩に過ぎず、実際の国境というよりは、人と人の間にある無意識の壁のような心理的な国境も含めて言っているのかもしれません。
「花は誰のもの?」
歌詞の中でも「国境」ではなく「花」を選んだことで、言葉通り捉えられるのを避け、より奥行きのあるメッセージにしたかったのかもしれないですね。シンプルだけど強いメッセージが感じられて素敵です。
そしてMVの最後に、当時キャプテンの今村美月さんが、その問いにこたえるかのように「花はみんなのもの」とメッセージを記します。
それがまたグッとくる演出です。
この曲はロシアによるウクライナ侵攻を背景に制作されたらしいです。
今も世界中で戦争や紛争が絶えない中で、日本も終戦から79年を迎えました。
これからもこの曲が、そしてSTU48が愛されて、ずっと歌い続けられることを願っています。