味噌

味噌汁はあまり沸騰させないものだが、豚汁を作るときは味噌を入れてから少し煮込むのがミソだ。

と、早速の駄洒落で恐縮だが、これは私の性分なのでご容赦願いたい。学友曰く、駄洒落を言うときの私は珍妙な笑みを浮かべているそうだ。稀ではあるが、駄洒落を言っていないにもかかわらず、表情のせいか間のせいか、何か駄洒落を言っているのではないかと勘繰られることがある。この場合、学友は考えるだけ損なので、私は少なからず罪悪感を覚える。

味噌で思い出したが、幼い頃、汁物に好みでランキングをつけていた時期があった。一位、魚のあら汁。二位、豚汁。三位、青魚のつみれ汁。もっともこれはうろ覚えで、三位以内にしじみ汁が入っていた気もする。しかしそんなことは些末な問題であり、魚介系を押しのけてまで豚汁がわざわざランクインしているということこそが、この話のキモだ。もとい、ミソだ。ヴァライェティ豊かな具材の織りなす複雑なアンサンブルは、魚好き少年をも虜にしたのだ。

考えてみれば、蟹味噌も脳味噌も味噌ではないし、蟹味噌が脳味噌というわけでもないから不思議なものだ。実のところ、蟹味噌は中腸腺という脊椎動物の肝臓と膵臓の機能を合わせ持った器官なのだそうだ。

ところで、この話のキモは何なのだろう。

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