コミュニケーションの大敵:妖怪スリカエ
私の授業ではないが、授業の一環で生徒がお互いをインタビューする、という時間がある。今日のトピックは “SNSコミュニケーション時のマナー” ・・・高校生はどんなマナーに気をつけているのかを聞けてなかなか面白かった。
色んな意見が出たのだが、その中でも大きく頷いたのは
何の話題でも乗っ取って自分中心の関係ない話をするヤツはめんどくさい
おぉ、同意!
私自身、SNSは生徒用を一つとアルフィー用wを一つしかやってないけれど、面倒だな・・・と思える人・コメントを見る事がある。
よそ様のポストに残されるリプを読んで、この人が私のつぶやきを読みませんように、と思うこともある。
誰かの写真にえらい難解な解釈で難癖をつけているのを見たこともある。
楽しい楽しいばっかりの世界ではない。ちょっと面倒なものも見えるのがSNS。
基本は文字でのやりとりのみなので、コメントは常識ある人ならば気を使うはず。自分が意図していた解釈をされなかったり、言葉の使い方で誤解されたり、間違いの揚げ足を取られたりすることがあるし、もし顔や名前や職場を公表していたら失言のリスクは大きい。無礼な物言いをしたり、嘘の情報を出したり、あからさまに差別発言をしたりするヤツたちは避けたい。
過度に話題を自分中心にすり替える人 はSNSだけではく、実際の会話でもうんざりする。
私も一緒〜 とか 私はこうだったよ〜 と、共感・同意もそうだけど、私の時は違う〜とかこっちではこんなだよ〜など、違う視点や経験をシェアしてくれるリプは楽しいしありがたい事だけど、時々全く関係のない別次元に移動する人がいる。ある程度の自分トークは想定内だしそれがまた違うトピックに発展したりするけれど、本当にまれに話題とは何の関連もないことを自分が語りたいだけ語ってるリプを見ると ”それは誰かへのリプではなく、自分のページでやってくれ” と思う。
妖怪スリカエ だ。
例えば “美味しいりんごをたくさん貰いました!アップルパイを作ります🍎”というツイートに
“私はりんごは苦手なのでバナナを毎日食べています。バナナに関する記事もたくさん読みました。私は最高1日8本バナナを食べました😀” という返事。
こんな返信を見るたびに、“いや、それは違うやろ” とつっこんでいるが、果たして自分にそんなコメントが来たらお腹が痛くなるほど悩むと思う。
こういう 妖怪スリカエ にはどんな対応をしたら彼らの返事はみんなを困らせているのかわかってもらえるのだろうか。
バナナ、美味しいですよね ← 問題点を指摘していないので、また妖怪が来るチャンスがある
りんご、苦手なんですね ← なぜりんごが苦手なのかのリプをつける恐れがある(妖怪の好みはどうでもいい)
あなたに作るんじゃないんですけど ←自分が悪い人のような気持ちになる、妖怪でも傷つけたくない
何も言わない ←無視されたと傷つくかもしれない、後味が悪い
書いてあることが理解できないのか、読んでないのか、読んでても関係ないのか・・・妖怪スリカエに遭遇すると、非常に困る。
日常会話でもこうなのかな?と心配になる。
友達や会社の人にドン引きされてないかな?と不安になる。
家族の人に無視されてないかな?と悲しくなる。
妖怪スリカエは避けたいのだが、遭遇するとハラハラする。
普段のコミュニケーションのくせはSNSにも出る。
妖怪スリカエは、給湯室での立ち話を、会議での発言を、夕食時の報告を、自分中心の誰も聞いてない・興味ない話にすり替えてうんざりされているのではないか。
かわいそうだ。でも関わりたくない。
そんな 妖怪スリカエ をうまくあしらっている人を見かけると、このお方は心が広い良い人だ、と勝手に好感を持ちつつも、この人も悩んで悩んで出した返信なのかもしれん、と同情心も芽生える。
私が書くものも主観的で自分語りで自分勝手で狭い世界だ。
それでいて、誰かが反応してくれることを前提に言葉と内容を選んで書いている。
そうそう〜とか、どうなの〜?とか、ちょっと違うけど面白い〜とかの優しい返信をいただくと本当に嬉しい。他の人だってそうだろう。
たかが画面上のSNSだけど、コミュニケーションの本質は同じだ。そしてどんな手段であろうと、私たちにとってお互いが快適な意思の疎通は大切だ。
要点を軸に会話が成り立っている。
スムーズにコミュニケーションをとっている。
一緒に同じ対象を(違う視点からでも)楽しんでいる。
お互いを理解している・理解しようとしている動きが見える。
誤解が起きても訂正できる。
相手の表情が見える。
お互いの好意が表れている。
たかだか顔の見えない、実際には知り合いでもない、そんなつながりのSNSで他人がどうコミュニケーションを取るかを気に揉むのは馬鹿馬鹿しい・・・だろうか?
本当にありがたいことに、インスタグラムでもツイッターでも、みなさんは私と共通の話題を中心に素晴らしいコミュニケーションを取ってくれている。このnoteはSNSと呼んで良いものかわからないけれど、ここでもコメントをくださる皆さんは理想的なコミュニケーションを取ってくださっている。ありがとうございます。
実生活でも夫も、家族も、生徒たちも快適なコミュニケーションを心がけてくれている。
願わくば、そんな私達の元に妖怪スリカエがふらりと立ち寄って長居をしませんように、とお祈りしている。
そして自分も知らぬ内に妖怪スリカエにならないよう、気をつけている。
シマフィー
*注:妖怪スリカエは他人の会話に入って、自分ばかり語る妖怪です。自分のページ・ツイートで自分を語る方は健全な人間です。
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