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過ぎ去りし日々が作った現在:正しい和訳”Days Gone By”

”Days Gone By”はThe ALFEE が若き日の思い出を歌った1986年発売のシングル "Rockdom-風に吹かれて-"のB面ですが、これがA面に並ぶ素晴らしい曲です!リードボーカル桜井さんの美しい英語にうっとりしてつい何度もリピートしてしまいます。

作詞作曲は高見沢さん、訳詞がLinda Henrrickさん、となっていますが高見沢さんが書かれた日本語の歌詞は世に出ていないようです。(*追記:アル中さんに87年のパンフに原詞が載っており、更には多分その頃のラジオでも高見沢さんが朗読されたという情報をいただきました!ありがとうございます!)

ちなみに、Days gone by とは”過ぎ去った日々”という意味ですが、アルフィーさんの1979年の再デビュー曲”ラブレター”のB面も”過ぎ去りし日々”というタイトルです。

高見沢さんは一体過ぎ去りし日々・Days Gone Byをどう捉えていたのかな、と思いながら訳しました。
英語の勉強をされている方もいるかもしれませんので、分かりにくい表現などを解説しながらの翻訳です。
若き日の自分を思う美しい高見沢さんを想像しながら読んでみてくださいね!

Often in my memory I wander, the evergreen of days gone by
未だ色褪せない過ぎし日の思い出の中を彷徨うことがよくあるんだ
Like a book of poetry, each page a story of my life
まるで一冊の詩集のようにページ毎に僕の人生の一編がある

歌詞はVictory Garden様で見れます


Wanderはウロウロする、彷徨う、迷い込むという意味です。目を閉じて思い出の中を行ったり来たりしている高見沢さんをイメージしてくださいね。
Evergreenは常緑樹を指すのですが、"古ぼけないもの”という意味もあり”色褪せない”としています。思い返すと様々な場面がページを捲るように鮮やかに浮かぶのですね。

Trustin' in my visions of glory, I felt myself growing strong
夢は叶うと信じて、栄光に向かって力強く伸びていくのを感じていた
Much too young yet to understand, too proud to say I was wrong
若すぎて何にも分かっていなかった、プライドが邪魔して過ちを認められなかった

My vision =未来に見えるもの・ビジョン、my vision of glory で栄光という夢・いつか成功するというビジョン
Too 形容詞 to で 〜過ぎて出来ない、なのでここでは”若すぎて理解できない” ”プライド高過ぎて自分が間違っていたって言えない” になります。

Love was such a mystery, when it first came along
初めての愛にとまどってどうしていいのか全くわからなかったんだ
If I'd known what I know now, I would still be holding on
今の自分ほどわかっていたなら、その愛を手放したりしなかったのに

mysteryは理解不能な訳のわからないもの・真実が見えないもの、come along は人間の場合は”一緒に来る”という意味ですが、何かが起こる・現れる時にも使います。なので it (love)がfirst (初めて) came along (現れた時)=初めての恋に落ちた時・初めて愛を知った時
Hold onとは踏ん張る、続ける、しっかり持つ、などの意味で still be holding on = まだしっかりつかんだままの状態。
”もしわかっていたら、まだつかんだままなのに”、ということはわからなかったが故に手放してしまったのですね。先に出てくる”プライドが邪魔してゴメンって言えなかった”のはこの恋の相手に対してでしょうか。

Time makes a fool of a memory, and yet my memories still shine
時間は思い出をバカらしいものに変えるんだ、それでも僕の思い出はまだ輝いているよ
Though yesterday may never come again, I sing of days gone by
昨日はもう戻らないけれど、それでも過ぎ去った日々を歌おう

make a fool of  は誰かをバカにする・コケにする・笑いものにする、ですがここでは”時間が経つと昔の思い出なんてどうでもいいことに思える”という意味です。
一般的にはそうなのかもしれませんが高見沢さんの思い出は輝いたままであり、過去はもう帰ってこないことは重々わかっているけれど、それでも今、過ぎた日々を歌うのには意味があるのですね。

Funny how the images still linger, though seasons faded into years
イメージはずっと残っているんだ、季節は年月の中へと消え去ったのに
But once it seemed the world was mine, and mine the laughter and tears
でもあの時は世界は僕のものだと思えたんだ、笑いも涙も全てが

Linger は人間の場合は”名残惜しくずるずると残る”という意味で使いますが、匂いや思い出などの見えないものが漂い残っている時にも使います。
ここでのimages 映像は思い出の一コマ一コマだと思います。
大きな”幾つもの季節”というまとまった形は時間が過ぎて消えていったのに(=随分時間が経ったのに)輝いていたあの瞬間、瞬間はまだ鮮明に心に残って消えない(linger)・・・そういう意味かな。
Once 一度は・かつては it seemed 〜のように見えた・ようだった、ということで”世界は自分のもの”=夢を掴んだ、と思えた(だけでそうではなかったのかな)。

Kept one eye upon a star, searched my heart for the truth
星を見ながらも(上を目指しながらも)、心の中に真実を探して来た
Now I know I've come this far, riding the dreams of my youth
今はわかるんだ、若い自分の夢に乗ってこんなに遠くまで来たんだって

Keep one eye on 何か、で1つの行動をしている間ももう1つの何かに気を配る・目を光らせる、なのでもしこの文章を書き換えるなら"I kept one eye upon a star, while I searched~"となり、スターを夢見ながら上を目指す間にも自分の心を見つめ真実は・本当の夢は何かを探していた、となると思います。
そしてcome this far こんなに遠くまできた=歳をとり成功にたどり着いたのは自分の若き夢を原動力に進んできたからだとわかる、と現在の自分はあの日の自分全てが作ったのだと信じているのがわかります。

I can't say the past was really better, but I was never more alive
昔の方がずっと良かったなんて言えないけど、あの時ほど真剣に生きてたことはないんだよ
If I could do it all again, I'd do it just the same
もう一度やれるとしても、全く同じように生きるんだ
If I could do it all again, I wouldn't change days gone by
もう一度やれるとしても、過ぎた日の何をも変えたりしないよ

Never more alive、あの時以上に”生きてる!”って感じたことはない、それほどがむしゃらに頑張って来たあの日々が素晴らしかったってことです。
今の方が色んなことが better・もっと素晴らしい、のかもしれないけれど、それもあの日の”生きていた”自分があるからこそ、だからもう一度やりなおせたとしても何も変えない、あの日のまま笑いも涙も後悔も迷いも、そのままで。

かつての自分を振り返りながらもその全てを”それがあってこその今の自分” と歌うアルフィーさん。いつものお喋り・懐かしい思い出話、そのままの歌ですね。
リードボーカルは桜井さんですが、お3方誰が歌ってもしっくりする内容でそれでいて3人で歌ってこその”僕らの”  Days gone by 過ぎ去りし日々 です。

シマフィー 

40周年のアルフィーさんバージョン(ちょっと泣く)

あの日のアルフィーさんバージョン(ちょっと泣く、カナブンも来る)

アルフィーさんは公式のYoutubeがありませんのでファンの方がアップしている動画です。サブスクがあるかたは是非Spotifyなどで聴いてね!


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