遠い国の悲しく懐かしい歌
日本人には(というか世界的に)馴染みのない Sea Shanty(シーシャンティ)というジャンルの船乗り労働歌で有名なカナディァンバンド、Great Big Sea の素晴らしい音楽を紹介したいと思います。
シーシャンティの労働歌は蒸気船ができる前の時代、ヨーロッパから新大陸への商業船の船乗りたちがオールを漕いだり、甲板を掃除したり、長い航海の間の労働時にリズムに合わせ体を動かすようにして出来たコーラスの歌です。みんな働いていますので楽器はなく、大抵が太鼓のようなものがベースのリズムを取っています。かつては樽だったり床だったりを叩いたのでしょう。
そんな海の男の労働のうたは悲しいものが多いです。海で死んだり、愛しい妻にもう会えなかったり、遭難したり、海賊として絞首刑にされたり。
なのに歌詞がわからなければ陽気に楽しく調子を合わせてハモるような明るいリズムで、暗い歌詞とは対照的で、それがまた悲しさをあおります。
Great Big Sea は残念ながらもう引退しており、メンバーの2人がそれぞれソロ活動をしているだけになっていますが、Youtubeの公式チャンネルでもいくつか映像が見れます。ロックバンドですので、シーシャンティだけを歌うわけではないんですが。
私が、なんとなくやる気が起きず体が動かない時によく聴いている3曲です。
おっさんたちのコーラスが素晴らしい!(アルフィーもおっさんのコーラスが素晴らしいので、私はおっさんのコーラスが好きなだけかもしれません)
1曲目は キャプテンキッドという絞首刑にされた海賊の話。
2曲目は リバードライバー という川を下る材木運び屋の話。
3曲目は ジェネラルテイラー というアメリカ第12代大統領だったテイラー大尉が戦死した話。
どれも悲しいですね・・・。その内容と音楽のギャップが面白いんですが。
彼らが歌うシーシャンティはカナダのニューファウンドランドあたりに伝わるもので、その土地の民謡のようなものです。スコットランドやアイルランドからの移民が多かったのでしょう、アイルランド民謡に似ているものもたくさんあります。そしてなぜか、遠い日本で育った私からも、なんとなく 懐かしいな、という感情を引き出してくれる素晴らしい音楽です。
ぜひ日本の皆さんにも聴いてほしいなぁ〜
シマフィー
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