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600万円の価値を噛みしめろ(後編)

割引あり

今回は語ることが多すぎて2本立てとなってしまった。
前編はこちら。

20代の頃、虫歯を放置したあげく左の7番を抜く羽目になった。
そして再び放置すること約10年、前歯のクラウンを作り直した医師から「欠損した7番のせいで、下の歯並びが悪くなっている」と指摘された。

歯並びというものは、隣り合った歯同士が支えあって形成されている。1本でも欠損すれば、その隙間を埋めるべく他の歯がズレてしまう。奥歯1本のせいで前歯が「すきっ歯」になってはたまらない。そこで6番8番(親知らず)でブリッジを施した。当時(2001年頃)インプラントは「富裕層が選ぶ究極の自由診療」というイメージで手術の成功率も今より低かったため、私も選択肢から外していた。

およそ10年後(40代後半)、ブリッジ部分に不具合が起きた。負担がかかり過ぎたあげく、根っこが割れてしまった。
これが8番ならば、抜いて7番(欠損)にインプラントを施すだけで済んだ。だがダメになったのは手前の6番、しかもブリッジを解体したら8番もグラついていた。結果、6番7番(20年前に抜いた)8番全てを失う羽目になった。


「噛める」歯が、老化を食い止める。

当たり前だが、歯は上下を噛み合わせることで役目を果たす。上の奥歯しかなければ、食べ物を噛むことはできない。
8番は親知らずだから無くてもいいとして、6番7番を失ってしまった以上もはや義歯しか選択肢はなく、取りあえずお手軽な「部分入れ歯」を作ることになった。

BBAっぽさ全開の「ザ・入れ歯」ライフは、QOLもメンタルも激しく落ち込ませた。そのことについては下記で綴っている。

それから2年後、まずは左6番をインプラントに替えた。さらに昨年は右7番もインプラントの土台を埋めた。ここは以前書いた、歯周病の悪化により失ってしまった歯だ。
埋めた土台が定着するまでの間、まさかの6番(隣の歯)にヒビが入った。痛みに耐えられず、神経を取ってもすぐ寿命を迎えるならばと抜歯した。

ブリッジを外すことになった原因も根のヒビだが、そっちは神経を取った歯だったので痛みはなかった。しかし今回は神経が残っている歯だった。
たかがヒビ、ではない。奥歯の根(二股になっている)の間が割れると、何を噛んでも痛くて鬱になる。じっとしててもシクシクと痛み、鎮痛剤でごまかすのも難しく、集中力が落ち不眠になった。もはや拷問される罪人の気分だ。

「いっそもう抜いて(痛みから)解放されたい」
神経を取っても使い物にならない歯など、残しておく意味はない。結局この歯も抜く羽目となった話は、前回泣きながら書いた。

2024年2月、その抜歯した右6番にインプラントを埋める手術をした。インプラントも3本目ともなれば慣れたもの。地獄の手術だった1本目(過去記事参照)とは違い、今の主治医は寝てる間に終わるので、恐怖心はゼロだ。

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