第五章 健康は促進するためにある-009
9.待ち合いはサロン
とある独居老人である90歳を迎えたご婦人が、
ぽつりと申されました。
「電話する友人が一人も居なくなった。寂しい。
昨日の夕方に娘からの電話を取るまで、1日の中で
一度もしゃべる機会がなかった」と。
一人で生きる中で、
誰ともコミュニケーションを取ることのできない
シチュエーションについて述べたのです。
人間という動物は、コミュニケーションを取らなくなると、
必然的に五感からの入力データを脳に入れることができなくなります。
このことによって脳は動かなくなると、
脳障害を引き起こしてしまうのです。
なぜか?と申せば、
人間の体には廃用性萎縮という、
使わなければ使えなくなるという仕組みが組み込まれているからです。
(恐ろしいですね)
私は「散歩の途中でオフィスにお立ち寄りいただければ、
お茶でもお出しします」とお伝えをしています。
また訪れる患者には
「是非お口でお困まりの方をご紹介ください」と
お願いをしています。
それはなぜか?と申せば、
この治療を受けた方が健康を促進するための内的環境を整えたとしても、
それだけで健康を促進する要因とは足りえないからです。
周囲の不健康問題を抱えている人に対し、
余計なお節介だと見て見ぬふりをすると、
必ずやコミュニケーションのできる目の前の大切な友人を
一人ずつ失っていくことになります。
この現象は、誰にでも起こりうることです。
このことをきっけとして、
結果的にあなたの不健康が誘発される確率は
高まってしまうのです。
(人生は有限であることに、早く!お気づきいただきたいと思います)
つづく