RustやGo言語やラズベリーパイなどを使い遠隔操作が出来る介護・防犯・作業ロボットを作る
プログラミング言語Rustは、2016年から2022年にかけてStack Overflowが行った調査「開発者がもっとも愛するプログラミング言語1位」であり、安全性とパフォーマンスを両立できることから、近年ロボット開発の分野でも注目されています。
Go言語も他のプログラミング言語と比べると、C++並みに最速に早いという利点があります。他にPythonを使う説明をしているマイコンの書籍もあり、PythonはAIとの連携上は良いですが、RustやGo言語のような静的型付けではない動的という、自動車のオートマ車の様な感じで初心者向けです。
ラズパイ(ラズベリーパイ)とはロボットなどを制御する代表的なマイコン(マイクロコントローラー)であり、PC’(パーソナルコンピューター)などと違い、比較的安値で小型なコンピューターです。しかしPCよりも機能は落ちるといいますか、AIと電卓なマクロ・ミクロの分業関係に似ています。
これらを使うと専門家ではない個人でも、ロボットが作成できます。しかし世の中ではまだロボットや自動運転の開発や販売は、それほど多くは無いので、今のうちに着手した方が先行者優位という、早い者勝ちの利益が得られます。日本で普及が遅いのは、ホームヘルパーを嫌がる感情もあります。
現在の日本でニーズが増えるのは介護ロボット
日本の個人金融資産は約2千兆円と世界最多にあり、その大半は高齢者が所有しています。これは今までのような若者向けな商品開発ではダメということです。大企業でもわざわざ株を上場廃止して、福祉・介護に力を入れています。
介護ロボットは、介護が必要な方の自立支援や、介護者の負担軽減を目的としたロボットです。介護ロボットは介護だけでなく、医療や、工業などと様々な分野で役に立ち、人間を安全にします。
ロボットは、高齢化社会における人材不足を補い、介護・医療・運送・接客などの質の向上に貢献することが期待されています。しかし、まだ課題も多く、今後の技術開発が求められています。
ロボットができること
移乗支援: 車椅子への移乗や、ベッドから立ち上がる際の補助など、体力の必要な動作をサポートします。
歩行支援: 歩行が困難な方に対して、歩行器や杖のように支えとなり、安全な歩行を補助します。
排泄支援: トイレへの移動や排泄動作をサポートし、介護者の負担を軽減します。
食事支援: 食事の際の食器の保持や、食事介助をサポートします。
コミュニケーション: 会話や表情を読み取ることで、利用者の感情を理解し、適切なコミュニケーションを取ることができます。
見守り: 利用者の状態を監視し、異常を検知した場合には、介護者に知らせることができます。
リハビリ支援: 身体機能の回復を促すためのリハビリ運動をサポートします。
感染予防: 看護する人間や愛玩するペットと違い、ロボットは病院の無菌室などでの作業でも向いています。
ロボットの種類
ロボットは、その機能によって様々な種類に分けられます。
装着型: 手や足に装着して、身体機能を補助するタイプです。
移動支援型: 車椅子や歩行器のように、利用者の移動をサポートするタイプです。
生活支援型: 食事や排泄、入浴などの日常生活動作をサポートするタイプです。
ロボットのメリット
介護者の負担軽減: 重いものを持ち上げたり、体勢を変えたりするなどの身体的な負担を軽減できます。
利用者の尊厳保持: 自立を支援することで、利用者の尊厳を保持することができます。
24時間体制の見守り: 人手不足の解消に貢献し、24時間体制での見守りが可能になります。
ロボットの課題
高額な費用: 導入費用や維持費が高額であることが課題です。しかし無料のプログラミング言語やラズパイのような安値な機器が増えています。
操作の複雑さ: 操作方法が複雑で、高齢者や介護者にとって使いづらい場合もあります。しかしPCなどでは音声認識操作や、スマホのアプリなどで大きなボタンなどの作成も出来ます。
機能の限定性: すべての介護ニーズに対応できる万能なロボットはまだ存在しません。しかし人手不足が深刻なのと、多くのロボットやカメラなどを多用という体制が、今もされていません。
Rustでロボット開発がおすすめな理由
安全性: メモリ安全性が確保されており、プログラムの安定性が向上します。
パフォーマンス: C言語に匹敵する高速な実行速度を実現できます。C言語やC++は古い言語なので、ライブラリなども古いです。
コミュニティ: 活発なコミュニティがあり、多くの新しいライブラリやツールが開発されています。RustはC言語などと違い、事務職などの一般の人が、技術に転職しやすいWindowsでも開発しやすいです。
Rustでロボットを動かすための注意点や具体的な手順について、より詳しく解説していきます。
注意点
ハードウェアの知識: マイクロコントローラーやセンサーなどのハードウェアに関する知識が必要です。
組み込みシステムの知識: リアルタイム性が求められる組み込みシステムの開発経験があると有利です。
安全性: ロボットの動作によって人が怪我をしないように、安全対策をしっかりと行う必要があります。
具体的な手順
1. ロボットの設計
ハードウェアの選定:
マイクロコントローラー: Arduino、Raspberry Pi、ESP32など、ロボットの規模や機能に合わせて選択します。
モーター: DCモーター、サーボモーターなど、ロボットの動作に必要なモーターを選びます。
センサー: 距離センサー、光センサー、加速度センサー、深夜でも感知する防犯カメラの赤外線センサー、空き巣や害獣を感知し大音量を鳴らすなどの動感センサーなどと、ロボットの環境認識に必要なセンサーを選びます。
その他: バッテリー、電源回路、WiFiやブルートゥースなどの通信モジュール、患者に癒しな縫いぐるみなボディーカラーやペイントなど。
ソフトウェアの設計:
制御ロジック: ロボットの動作を制御するプログラムを設計します。状態遷移図や有限状態機械などを参考に、ロボットの動作をモデル化します。
センサーデータの処理: センサーから得られたデータを解析し、ロボットの動作に反映させます。
モーター制御: モーターの回転速度や方向を制御するためのPWM信号の生成などを行います。
通信機能: Wi-FiやBluetoothなどを使って、ロボットを遠隔操作したり、他のデバイスと通信したりするための機能を実装します。
2. Rust開発環境の構築
Rustのインストール: 公式サイトからRustのインストーラーをダウンロードしてインストールします。
エディタの選択: Visual Studio Code、Vim、Emacsなど、好みのエディタを選びます。
ビルドシステム: Cargoを利用して、プロジェクトのビルドや管理を行います。
ライブラリの選択:
GPIO制御: embedded-hal crateなど、ハードウェアにアクセスするためのライブラリを利用します。
シリアル通信: serial crateなど、シリアル通信を行うためのライブラリを利用します。
ネットワーク: tokio crateなど、ネットワーク通信を行うためのライブラリを利用します。
3. Rustのソースコード
PC上で新規テキスト書類に下記をコピペし「書類名.rs」などの書類名で保存してください。
use embedded_hal::digital::v2::OutputPin;
use embedded_hal::pwm::blocking::PwmPin;
// モーターを制御する関数
fn control_motor<P: OutputPin<Error = E>, Q: PwmPin<DutyCycle = u16, Error = E>>(
pin: &mut P,
pwm: &mut Q,
speed: u16,
) -> Result<(), E> {
// PWM信号を生成してモーターを制御
// ...
}
// メイン関数
fn main() {
// ハードウェアの初期化
// ...
// 無限ループでモーターを制御
loop {
control_motor(&mut pin, &mut pwm, 1000); // 例: モーターを1000の速度で回転
}
}
4. デバッグとテスト
シミュレーター: 実機で動作させる前に、シミュレーターを使って動作を確認します。
デバッガー: Rustのデバッガーを使って、コードの動作をステップ実行したり、変数の値を確認したりします。
ロギング: ログを出力することで、プログラムの動作状況を把握します。
5. ロボットの動作
プログラムの書き込み: コンパイルしたプログラムをマイクロコントローラーに書き込みます。
動作確認: ロボットを動作させ、意図した動作をしているか確認します。
調整: 必要に応じて、プログラムを修正し、ロボットの動作を調整します。
参考になるフレームワークやライブラリ
OpenRR: Rustでロボット開発を行うためのフレームワークです。ROSとの連携も可能です。
embedded-hal: Rustで組み込み機器を制御するためのライブラリです。
Rust公式ドキュメント: Rustの言語仕様やライブラリに関する詳細な情報が記載されています。
RustとGo言語、ロボットプログラミングに向いているのはどっち?
RustとGo言語、どちらがロボットプログラミングに向いているかという質問は、非常に興味深いですね。どちらもシステムプログラミングに強みを持つ言語ですが、ロボットプログラミングという文脈で見ると、それぞれに特徴があります。
Rustの強み
安全性: メモリ安全性を重視しており、セグメンテーションフォルトなどの致命的なエラーを未然に防ぐことができます。これは、ロボットの動作において非常に重要です。
パフォーマンス: C言語に匹敵する高速な実行速度を実現できます。リアルタイム性が求められるロボット制御に適しています。
並行処理: 並行処理を安全に行うための仕組みが充実しており、複数のタスクを同時に実行するロボットの制御に適しています。
低レベル制御: ハードウェアに近い部分まで制御することができ、効率的なコードを書くことができます。
Go言語の強み
シンプルさ: 言語仕様がシンプルで、学習コストが低い。
並行処理: Goルーチンという軽量スレッドのような仕組みがあり、並行処理が容易。
標準ライブラリ: 豊富な標準ライブラリが提供されており、開発効率が高い。
コミュニティ: 活発なコミュニティがあり、多くのライブラリやツールが開発されています。
どちらを選ぶべきか?
どちらの言語を選ぶかは、プロジェクトの要件や開発者のスキル好みによって異なります。
安全性とパフォーマンスを重視する場合: Rustがおすすめです。特に、リアルタイム性が求められる制御系や、大規模なロボットシステムの開発に適しています。
開発速度とシンプルさを重視する場合: Go言語がおすすめです。プロトタイピングや、比較的シンプルなロボットの開発に適しています。
既存のシステムとの連携: 既存のシステムが特定の言語で開発されている場合は、その言語との親和性も考慮する必要があります。
具体的に比較すると
まとめ
どちらの言語もロボットプログラミングに適していますが、プロジェクトの要件や開発者のスキル好みに合わせて適切な言語を選ぶことが重要です。
参照
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