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センパイ著者にききました#01/村川美詠さん③(全4回)


2月に初の単著『仕事の楽しさは自分でつくる! 公務員の働き方デザイン』を出版した私、地方公務員の島田正樹が、同じ地方公務員として先に本を出版している「センパイ公務員著者」にインタビューをするシリーズ。

お一人目は、諫早市に勤める村川美詠さん。

村川さんが本を書くことになった経緯や想い、そして書くということに対する考え方などお聴きしました。

>>前回「センパイ著者にききました#01/村川美詠さん②」



◆恥ずかしいけど、使命をもらっているんだろうな

― ((『公務員女子のお仕事帳』(学陽書房)『公務員女子のお仕事相談室』(学陽書房))の2冊を)読んでくださった方からのメッセージとしては、どんなものが嬉しかったですか?

村川さん:「職場の机において、凹んだときに読み返しています」とか「悩んでいる後輩にプレゼントしました」など嬉しい報告をいただきました。

一番嬉しかったのは「今、病院のベッドの上で、この本を読みましたが、早く復帰して仕事がしたい」と思いましたという知らない人からのメッセージでした

― すごいですね、病院のベッドの上で……。

村川さん:とうとう2冊目を書かざるをえないかんじでしょ。

― 逃げられないかんじがします、いい意味で。逃げられないし、背中を押されますよね。

村川さん:押された。このメッセージは、2冊目を書く1番の原動力になったね。だから、私が書く本を必要とする人もいるのかもなと思って。2冊目のオファーがきたとき、そういう人に届けばいいなって思って書きました。

― そんな嬉しい反応がある一方で、周囲の反応はいかがでしたか?

村川さん:心配していたほど、周囲からの反応はありませんでした。
もちろん、Facebookの世界では、お友達がたくさんシェアをしてくれましたし、知らない人から「本を読みました。元気をもらいました」等のメッセージが届きました。

だからこそ、周囲の無関心はなんというか……ちょっと不安になりました。

― 周囲の反応はなかったんですね。

村川さん:そうね、最初はこんなにスルーされるなんて、私相当嫌われているのねって思った。地元の新聞にも載ったし、地元の書店にも平積みされているから、まちを歩けないくらい恥ずかしかった。でも、実はみんな知らなかっただけなんです。

― みんな知らなかったんですか?

村川さん:そうなんだよね。あとで聞いたら、「村川さんが本を書いたって知らない」という人が多かったの。「本とか書いたんですか、そんなこっそりしないで教えてください」とか言われて。

「いや、こっそりしてないわ!」とか思って。

― こっそりどころか、なんならそこの本屋さんに平積みされてるわって思いますよね。

村川さん:そう、だから、本を読まない人にとって、本の情報って入ってこないんだよね。だから、嫌われているわけでもなく、ただ、知らなかったみたい。

― 最初は嫌われていると思ったんですね。「何よあの人、本なんか出して」みたいな。

村川さん:みんなで「さわるまいね」っていう取り決めしているのかなって思った。

― 先ほど「周囲の無関心は少し不安になりました」ともおっしゃってましたが、不安ってどういうことですか?

村川さん:私だったら地元で本を書いた人がいたら、そういう本はすぐ読んで「お友達になってください」とか行動すると思うけど、私が本を出したときはすごいスルーだったので「こんなに本読んでいないのか」とか「人に興味がないのかな」とか「学ぼうということはないのかな」とか不安になりました。

― 公務員で普段本を読んでいたら、ネット上で村川さんの本もおススメされるし、(諫早市の)書店では平積みになっています。にも関わらず知らないってことは、そもそも本を読んでいない。それにちょっと不安になった。

村川さん:そう、不安になった。


◆断れないかも……文章講座を受けに行った

― 続いて、ちょっと内容が変わるのですが、本を書いてみて、学びとか成長の実感はありますか?

村川さん:確実に変わったのは、文章を書くスピードがあがったことと、伝わりやすさを意識するようになったことですね。

― 書くということに対して、レベルアップした実感があるんですね。

村川さん:うん。一流の出版社の編集者が、添削してくれる経験なんてないじゃん。

― そうですね。本当に貴重な経験でした。

村川さん:うん。本当に的確なアドバイスをくれるから、いつもなるほどって思ってた。

― 伝わりやすい文章を意識するようになったっていうところ、もう少し詳しくお聴きしてもいいですか?

村川さん:8月にオファーがあったあと、断るつもりだけど……断れないかもしれないと思って、9月に「わかりやすい文章講座」というのを受けに行ったのね。そしたら「村川さんは一文が長すぎて伝わりにくい」とか「ノイズがある」とか、へこむくらいの添削を受けました。

結局本を書くことになって、講座で指摘されたことも意識しながら書いたけれども、それでもまだ長かったりして。それを、担当編集者の松倉さんに色々直してもらったんで、めっちゃ伝わりやすさは変わった。

だから、部下が回してくる決裁の文章も「これさ私がわからないんだから、障害者の人はもっとわからないんじゃない」って変えたりとかね。そういう風に意識が向くようになったかな。

― 職場でも活かされているんですね。

村川さん:うん、活かされる。

― 活かされるということは、両者に共通点があるということでしょうか。本の文章と役所の文章って全然違うような気がしますが。

村川さん:うん、そうね。相手に意識を向けることだよね。「この文章を読んだ人がこんなふうに誤解しないかな」とか、「読み間違えないかな」とか、自分目線じゃなくて、相手目線なんだと思う。だから「このエピソード書くとこういうふうに誤解されるかもですね」とか、「この表現がきついと感じる人もいるかもですね」って担当編集者の松倉さんが言ってくれるんですよね。そういうのが本を書く間に自分の癖として身に付いたのかなと思う。

― 何かを書くとなれば、自然と誰が読むのかという意識になるんですね。

村川さん:うん。特に私の本は共感をしてもらって、一歩進もうと思ってもらいたいので。

― そうですよね。真ん中の6の人たちのための本ですしね。

村川さん:うん、そう。こうやって話していると、なんか色々掘ってもらったかんじで面白いね。

― え、本当ですか。よかったです! 書くスピード、伝わりやすさへの意識の他には何か変化はありますか?

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村川さん:成長とは少し違うかもしれないけど、担当編集者からの提案やアドバイスのおかげで、書くことが楽しくなったのも収穫でした。

― このインタビューでもたびたび登場している松倉さん(担当編集者)ですね。村川さんにとって、松倉さんって、どんな編集者ですか?

村川さん:乗せるのが上手なんだよね。「村川さんさすがです」とか、「この表現村川さんらしい」とか、「村川さんならこうくると思っていました」みたいな。それを聞いて私も「でしょー!」みたいな。

― 「でしょー!」ですか。嬉しいですね、そういうの。

村川さん:そう。そういうのが上手なんですね。日本語のプロであることを前提としても、そういうやる気が出る、のせるっていうのがいいですね。


>>「センパイ著者にききました#01/村川美詠さん④」に続きます





★ご報告★

おかげさまで初の著書を出させていただきました!

主に若手公務員を対象に「公務員が充実した気持ちでイキイキと働くことが、住民の幸せにつながる」という信念のもと、「自分の人生のハンドルは自分の手で握ろう」というメッセージを込めて書かせていただきました。

そのあたりのことは、こちらの記事でもお伝えしています。

よろしければお手に取っていただけたら嬉しいです。

また拙著に関連する記事はこちらのマガジンにまとめて掲載していますので、併せてご覧ください。


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