学び続ける人が3分の1しかいない社会で、それでも学び続けるということ
あなたは、昨年1年間に、自分の意志で仕事にかかわる知識や技術の向上のための取り組み(たとえば、本を読む、自分で勉強をする、 詳しい人に話を聞く、講義を受講する、など)をしましたか
先日、2021年10月に『LIFE SHIFT 2』が発売され、毎週土曜日の早朝に5週間かけて読書会をやることになったので、改めて『LIFE SHIFT』がどんな本だったかザックリとですが、読み返してみました。
そこで頭に思い浮かんだのが冒頭の問いかけです。
まだ、この記事を書いている時点で『LIFE SHIFT 2』は半分の4章まで読み終えましたが、長寿となる社会の中でいくつもの人生の”移行”を成功させるために、学び続けることの重要性を強く感じています。
あなたは、昨年1年間に、自分の意志で仕事にかかわる知識や技術の向上のための取り組み(たとえば、本を読む、自分で勉強をする、 詳しい人に話を聞く、講義を受講する、など)をしましたか
冒頭でもお示ししたこの問いは、リクルートワークス研究所が実施している「全国就業実態パネル調査(JPSED)」という調査の設問の一つです。
調査結果の中では、この設問にYESと回答した人を「自己学習を行った人」としたとき、その割合を雇用者全体でみると33.1%という低い数字になったという結果が記されています。
自らの意志で学ぶのは 雇用者の3分の1
皆さんはこの数字をご覧になって、どのように感じるでしょうか?
私は、初めて目にしたとき結構ショックでした。
しかも、この調査結果からまとめられた分析報告書「どうすれば人は学ぶのか ―「社会人の学びを解析する」― 」(PDFファイル)によると、
・学ばないことに理由はない
・時間ができても学ばない
ということも分かっています。
『LIFE SHIFT』や『LIFE SHIFT 2』を読んで感じるのは、生涯をとおして学び続けることの大切さです。
教育→勤労→引退という3ステージモデルからマルチステージモデルへと移行する結果、私たちはいつでも学び直す機会を得られるし、異なるステージへ移行しようとすればその都度学び直しが必要になると言われています。
そこでは多くの場合、今いる会社での仕事に役立つかどうかではなく、新しいステージへの移行のために必要なことを、会社の外で学ぶことになります。
『LIFE SHIFT』『LIFE SHIFT 2』を読んで、このリクルートワークスの調査を思い出したのは、そのためです。
人生100年時代もダイバーシティも働き方改革も地方創生もDXも官民連携も、ここ数年私たちの周りで語られるテーマは、根底で繋がっているなと感じていることがあるんですね。
それは、
「これが正しいんだから、これがルールなんだから、このとおりにやればいいんだよ」
では乗り越えることができない問題に向き合う必要があるということ。
誰かが正解を教えてくれるわけではない。
誰かと共有したそれが正解とは限らない。
みんなが支持するそれでは解決できない。
自分も、目の前の問題の状況も、それらを取り巻く社会の環境も変わり続けるからこそ、問題と向き合ったときに「ある一つの解決策にたどり着くこと」ではその問題を解消することができない。
だからこそ、様々なことが変わり続けることを前提に、「今この瞬間にどうやら解決策に近い何か」に一歩でも近づくために、過去の知恵に頼るだけではなく、今この瞬間も学び続けていることの重要になっている。
こんな感覚を強くしています。
3割しか学んでいないというのは、この社会をよりよくしていきたいと考えると不安も感じますが、逆に考えれば、私や私の多くの友人も含めて、習慣的に学んでいる人たちは、残り7割の人たちと比較して、有利だと考えることもできます。
人生100年時代だとか、AIやRPAが浸透してくるとか、ロボティクスがひとの作業を代替するとか、どんな変化が「本当に」訪れるのかは分かりませんが、いずれにしてもそれほど先でもない将来、
働くと学ぶと生きるは
重なり合って一つになる
そんな風に思っているのですが、いかがでしょう?
私自身のキャリアデザインを考えたとき、内部で影響力を発揮するためにも、外部でも通用する人材になるためにも、学び続けることは必要だと考えています。
同時に、私ひとりが学ぶことの向こう側――周りで学び続けるひとが増えるために、自分にできることは何だろう?
今日から始まった『LIFE SHIFT 2』をみんなで語る朝活の皆さんとの会話を思い出しながら、こういった場をつくることも、「自分にできること」の一つかもしれないな感じています。
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