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公務員にとってリスキリングは必要か?~月刊ガバナンス掲載のご報告~

月刊ガバナンス(株式会社ぎょうせい)の10月号に記事を掲載していただきました。

記事のタイトルは『キャリアの可能性を広げるリスキリング』

「リスキリングでDX時代にキャッチアップ!」という特集の中で「公務員のリスキリングについて書いてほしい」とご依頼いただき書いたものです。

DX時代のリスキリングについては、リクルートワークス研究所のレポートなどが分かりやすく、参考になりますが、ここではリスキリングの定義をこのように定義しています。

新しい職業に就くために、あるいは、今の職業で必要とされるスキルの大幅な変化に適応するために、必要なスキルを獲得する/させること

リスキリングする組織——デジタル社会を生き抜く企業と個人をつくる


リスキリングについては、これまでも下の記事であったり、日経新聞のインタビューなどで私の考えはご説明してきました。


今回、ガバナンスで改めて「公務員にとってのリスキリング」についてお伝えする機会をいただいたので、これまで伝えてきたことに加え、私の実体験であったあり、公務員のおかれた状況などについて新しく整理し、掲載していただきました。


今回のガバナンスでの記事では、誌面の都合もあり十分に書き切ることができなかったのですが、「公務員にとってのリスキリング」の最大のポイントは、「《リスキリング》は、公務員にとって自分ごとなのか?」ということだと私は考えています。

言い換えれば、民間のひとたちと比べて、公務員の方がリスキリングが自分ごとになりにくいのではないか、ということでもあります。

それは、①転職がまだそれほど一般的ではないこと、②組織が消滅したり大きく業態変化する可能性が低いこと、③スキルが待遇やポストをもたらさないこと、などが大きな理由です。

DX推進と声高に叫んでも、情報政策担当も人事担当も、上記の理由から特にインセンティブ(動機付け)が働かない職員に大幅なリスキリングは求められずに、細々とした研修を繰り返すにとどまっているという実態もあるでしょう。

それを許しているのは、DX推進のスピード感が組織の生死を分けることがない(と思い込んでいる)、行政特有の温度感が大きいと言ったら、必死で取り組んでいる担当者の皆さんに叱られるでしょうか。

でも、実際に、手続きをオンライン化することで便利になったり、コストカットにつながることはあっても、「オンラインでサービスを提供できなければ、この業界では生き残れない!」といった切迫した気持ちを、役所の中で感じることはありません。(それがいいか悪いかの評価は難しいのですが)


詳しくは誌面をご覧いただきたいのですが、それでもなお、「個人としての公務員ひとりひとり」にとっては、リスキリングは大きな意味があると私は考えます。
それは、個人のキャリア自律の実現という意味、そして同時にリスクマネジメントとして。


いずれも例ですが。小さいものとしては、人事異動による新しい分野についての学び。大きなものとしては、自分のキャリアデザインを考えた大学院等専門家としての学びなどが挙げられます。転職や独立のために新しいスキルを身に付けるものも、大きなリスキリングの方に含まれるでしょう。

リスキリングが小さいリスキリングから大きなリスキリングまでグラデーションのようになっているのだとしたら、公務員にとっては程度の異なる様々なリスキリングの場面があります。

広義のリスキリングにこのような連続性があるとしたら、人事異動への対応のレベルから本当の意味でのリスキリングと呼ぶのか、大きなリスキリングのみが本来のリスキリングとするのか。その線引きによっても、公務員にとってのリスキリングの必要性・有用性は変わってきます。


ただ、ここまでいくと、やや言葉遊びの領域に踏み込み始めている気がしますし、そもそもその学びがリスキリングであるか否かに、それほど大きな意味はありません。


それよりキャリアコンサルタントであり、現役の公務員でもある私としては、それをどう名付けようが、定義づけようが、自分で選択して主体的に学べることが、人生のハンドルを自分の手で握ることにつながることは、ひとりでも多くのひとにお伝えしたいなと思います。


皆さんにとって、リスキリングは遠い世界のことでしょうか? それとも自分にとって向き合う必要があるテーマでしょうか?



今回、ガバナンスでの記事執筆の機会をくださった三海編集長に、感謝申し上げます。最後の最後まで、本当に私が書いていいのかな~という気持ちでしたが、書かせていただいたことで、新しいテーマで出会えました。



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そのあたりのことは、こちらの記事でもお伝えしています。

よろしければお手に取っていただけたら嬉しいです。

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