センパイ著者にききました#02/牧野浩樹さん②(全4回)
2月に初の単著『仕事の楽しさは自分でつくる! 公務員の働き方デザイン』を出版した私、島田正樹が、同じ地方公務員として先に本を出版している「センパイ公務員著者」にインタビューをするシリーズ。
二人目は、倉敷市に勤める牧野浩樹さん。
牧野さんが『コミュ障だった僕を激変させた 公務員の「伝え方」の技術』(学陽書房)を書くために編集者にアタックした経緯や本に込めた想い、そして書くということに対する考え方などお聴きしました。
◆ゴールデンタイムは朝4時
―― では、本の中身の話から、続いて作家としての牧野さんの部分に触れたいと思います。
毎日の仕事に加えて子育てもあり、落語もあって、お忙しい中で『コミュ障だった僕を激変させた 公務員の「伝え方」の技術』(学陽書房)を書きあげました。書く時間はどのように確保していましたか。
牧野さん:僕朝ですね。家族が寝ている朝4時〜5時頃に起きて書いていました。
―― ええ~! すごい。朝書けるって尊敬します。4時に起きられるんですか?
牧野さん:そうですね。仕事終わって帰って、4歳の子どもがいるので9時とかに寝るんですけれど、一緒に寝ちゃうんですよね。
一旦布団に入るとだめで。疲れてて夜は頭が全然働かないですし。なので、朝起きて、書くっていう方が一番効率は良かったです。
―― きっと朝は効率いいんでしょうね。
牧野さん:朝やばいですよ。本当に。
―― ちなみにこの本の執筆中に限らず、早く起きて、何かされているんですか?
牧野さん:いや、今はもうしていません。でも本を書くとか、講師を頼まれた研修のパワポをつくるとか、落語の披露が迫っているとか、しなきゃいけないことがあるときは朝早くやります。考えなきゃいけないものがあるときや、アウトプットするときは朝がいいですね。
それは仕事でもそうで、朝5時とか6時とか早く職場に行って仕事することもあります。
―― 朝は牧野さんゴールデンタイムということでしょうか。
牧野さん:そうです。ゴールデンタイムです。朝起きてやるっていうのが習慣になっていますね。
―― 本をお出しになったり公務員アワードを受賞されたから、講師などを頼まれる準備作業も増えているんじゃないですか?
牧野さん:本を出してからは県内の他の市町村から研修来てくださいって呼んでもらったり、オンラインで話をしてくださいですとか。あと地元の大学で話をしてくださいとか。そういう機会は増えましたね。
あと滋賀県の市町村協会みたいなところからも、お声がかかったんですがコロナ禍で行けなくて。そういう他県の方からも声をかけていただけるっていうのはありがたいですね。
◆一番苦労したのは「文字数」
―― ちょっと話題が変わるのですが、今回企画書が通った後、目次はつくりましたか?
牧野さん:つくりました。
―― コラムも含めて4章にわたり30項目ありますよね。この項目は、スイスイ出てきたのですか?
牧野さん:うーん、そうですね。企画書を書く段階で、こういう感じかなとイメージはしていました。あとブログ(筆者注:現在は閉鎖中)を書いていたので、その内容も材料に目次に落としていった感じです。ですので、そんなにめっちゃ大変って感じではなかったです。
―― ブログから本になるっていいですよね。
牧野さん:島田さんは違うんですか。拝見しましたけれど、確かに本の内容とブログはまた違いますよね。
―― 私はブログから直接使えた記事が少なかったんですよね。牧野さんの場合は、ブログで書いていたことが、本を書く際にも活かすことができたわけですね。
牧野さん:そうですね。ブログの内容は、どちらかっていうと面白おかしく書いていた部分もあって、それこそフィクション的な感じで。最終的には公式とかはブログのものを使って、間のエピソードについては挫折の経験などをもとに書き直しました。
―― 本で書かれている先輩とか上司とかのやりとり、なかなかリアルですよね。
牧野さん:そうですね。ただ、本の最後にも書きましたが、事実をもとに再構成して書いているところもあります。全部事実でっていうより、ちょっとフィクション的強さも実はあるんです。
―― なるほど。税の現場だと「ここまで書いていいんだっけ」ということも色々とありそうですね。
牧野さん:そうなんです、守秘義務もありますし。あと、どうしても少し面白おかしく伝えたいっていう想いが出てくるので。なので最後にちょっと、事実をもとにわかりやすく構成して書いていますっていうのを入れました。
―― そっか、じゃあ書き始めたときには、ブログも書いていましたし、本に書きたいネタはもうだいたい揃っていたんですね。
牧野さん:はい。目次を最初に決めて、わかりやすい話で「公式」というスタイルで書こうっていうのは決めていました。それぞれの項目の内容については思い出して書くんですけれど。
でも一番苦労したのが、文字数が決まっているじゃないですか。この項目は何ページで大体千何百文字って。それに収めるのが、ブログと全然違って大変でしたね。
―― そうなんですよね。その気持ち、わかります。
牧野さん:そこがブログと本で全然違いますよね。ブログって好きなときに好きな文字数で書けるんで。そこがもう本当に大変でした。
―― たとえば2000字とか3000字くらい書いて、絞っていく感じですか。
牧野さん:そうですね。僕の場合は、エピソードのパートが4ページとかだったんで。なんとなくこのくらいかなって思いながらバーってひと筆で書き出しちゃって、多かったら削りますし、逆に少なかったら、あ、ここ増やそうって感じでした。島田さんはどうでしたか、字数とかは。
―― やっぱり牧野さんがおっしゃるように、書きすぎてて削るものもあれば、その逆もありました。最初に目次立てをしたときにはもっと書けるかなと思ってたのが、意外と文字数が伸びない項目があって。そういうのは2つくらいの項目をガッチャンコして、1つの項目にしたものもありましたよ。
牧野さん:島田さんはスーッと書けるんですか。普段ブログもかなりの文字数をけっこうな頻度で書かれているじゃないですか。書くのは全然苦痛じゃなく、普段考えていることを言語化してるみたいなイメージなんですか。
― そうですね。ブログの場合は、あらかじめ構成をきちっと考えているわけではなくて、考えていることを考えている順番に書いている「だだ漏れ系」です。余裕があると並べ替えたり、言葉遣いを考えたりします。
牧野さん:でもめちゃくちゃわかりやすいですよね、ブログ。
― ありがとうございます。ちょっと文字数が多いのが悩みで、もっとコンパクトな千数百文字くらいの記事をテンポよくポンポン書きたいんですけど。
牧野さん:え、そうなんですか。あんだけ深堀りして書いている人はあんまいないんで。
― ありがとうございます。牧野さんのインタビューなのに恐縮です。
>>「センパイ著者にききました#02/牧野浩樹さん③」に続きます。
★ご報告★
おかげさまで初の著書を出させていただきました!
主に若手公務員を対象に「公務員が充実した気持ちでイキイキと働くことが、住民の幸せにつながる」という信念のもと、「自分の人生のハンドルは自分の手で握ろう」というメッセージを込めて書かせていただきました。
そのあたりのことは、こちらの記事でもお伝えしています。
よろしければお手に取っていただけたら嬉しいです。
また拙著に関連する記事はこちらのマガジンにまとめて掲載していますので、併せてご覧ください。
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