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センパイ著者にききました#03/後藤好邦さん①(全4回)


2月に初の単著『仕事の楽しさは自分でつくる! 公務員の働き方デザイン』を出版した私、島田正樹が、同じ地方公務員として先に本を出版している「センパイ公務員著者」にインタビューをするシリーズ。

三人目は、山形市に勤める後藤好邦さんにお話をおうかがいしました。
2021年2月に2冊目となる単著となる『『知域』に1歩飛び出そう! ネットワーク活動でひろがる公務員ライフ』を出された後藤さんは、山形市役所に勤めながら東北オフサイトミーティングを立ち上げたり、月刊『ガバナンス』で5年間にわたり『『後藤式』知域に飛び出す公務員ライフ』を連載したり、公務員の生き方や業務外での「ネットワーク活動」について伝えるため地方自治体等から研修の講師として招かれ全国を飛び回っています。

今回のインタビューでは、後藤さんがどのようにして日々原稿の執筆をされているのか、また、どのような想いで「ネットワーク活動」に取り組まれ、将来に向けてどのようなビジョンをお持ちなのかお聴きしました。


連載から単行本をつくるのは大変

―― 本日はお忙しい中、お時間をいただきありがとうございます。よろしくお願いいたします。

後藤さん:はい。よろしくお願いします。


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―― 後藤さんの2冊目の単著『ネットワーク活動で広がる公務員ライフ』、内容が濃いですよね。

後藤さん:1冊目よりもいろいろなことが書かれているね、と言われています。5年間の連載をベースにしているので、それまでの5年間の活動がぎゅっと詰まっているんですよね。

―― 連載から単行本をつくる方が、一冊まるごと書き起こすよりつくりやすいのかなあという印象があるのですが、実際のところはいかがでしたか。

後藤さん:1冊目より大変でした。

―― そうなんですか、意外ですね。

後藤さん:連載で書いたものをそのまま出せるなら負担は無いんですよね。

でも、今回は1冊にまとめるにあたって連載で1,400字くらいだった記事を2,800字くらいにボリュームアップしてくださいと言われたんです。
連載を書いていた当時は毎回多めに書いてから絞っていたので、それをもう一度膨らませなければならないというのがなかなか大変でした

―― 2,800字に膨らませる作業そのものは具体的にはどのようにやっておられたのですか。

後藤さん:昔の原稿を出したときの1,400字の構成を軸にしながらその前後やその中に何を加えるとか、どんなエッセンスを加えるか自分でイメージしながら書き加えた感じですかね。

例えばですけど、誰かの言葉をベースにしているとすればその人との関係性も説明したりとか、どんな場面で言われたのかとか、裏話みたいなものを入れたりとか、そんな感じで膨らませていきました。

―― そう考えるとゼロから2,800字書いたほうが楽なのかもしれませんね。

後藤さん:そうですね、2,800字の組み立てができますからね。



◆2冊の著書の違い

―― 連載当時から伝えたいメッセージ自体が変わったような項目はあったのでしょうか。

後藤さん:その時はこうだったけどその後こういうことが起きて、今その考え方とは違うかなぁ、みたいな項目もあったと思います。基本的にはそんなに考え方が変わってなくて一緒なんですけど。

例えば副業に対する考え方は「地域に飛び出す首長サミット」のことが新しい要素として加わったので、最初の頃の薄い思いからもう少し熟度の高いものにブラッシュアップしたものを書くことができました。

―― 後藤さんご自身としては、どのようなところに1冊目と2冊目の違いを感じていますか。

後藤さん:1冊目と2冊目の大きな違いはやはり1冊目がゼロから書いたので、こういう構成にしたいという編集者の思いと私の思いを込められました。

一方で、連載がベースになった2冊目ではそもそも1冊の本を書こうと思って毎月連載を書いていたわけではないので、全体の構成に難しさを感じるところがありました。ここの分野にこの項目を入れるのはちょっと強引かなぁと思いつつ、でもそれはここにしか入らないよなぁと思う箇所があったのは事実です。

もちろん、一つ一つのエピソードを単品として読んでいただく分には全然違和感はないはずです。ただ、連載をベースにした2冊目と比較すると、1冊目の方が全体の構成が練られている分だけまとまっているなという印象になるかもしれません。

でも、2冊目は自分が伝えたいいろいろなエッセンスを詰め込むことができました。それが2冊目の気に入っているところです。


◆執筆者の人選の気配り

―― 単行本の話から少し離れますが、月刊『ガバナンス』での連載は、もう5年間です。すごいことですよね。

後藤さん:毎月、今くらい(※インタビューは2月27日実施)が1番大変なことになってきますね。私はなるべく発刊の前月の末日ぐらいまでに出したいなと思っているんですよ。4月号であればちょうど明日まで。まだ全然書いていないんですけどね。

ガバナンスは「つながる力」のコーナーの執筆者の人選もしているので、そちらも一緒に提出しています。編集長に立て続けに2つメールを送るようにしているんです。

受け取る側もその方が毎月そうだっていう認識でいらっしゃると思うのでそのほうがいいかなと思って。だから、自分の原稿もなるべく月末までには終わらせて早く送るようにしているんです。なかなか大変ですけどね。

―― 「つながる力」のプロデュースもしていると、2本連載持っているようなもんですね。

後藤さん:実は「つながる力」の人選の方が大変だったりもします。全国北海道から九州まで地域のバランスを見ながら人選しているので。

―― それは細やかな気配りですね。

後藤さん:東北ばかりとか、東日本ばかりとか言われるのが嫌なんですよね。そこは偏りなくお声がけしようと思ってやっています。そういう事情もあって誰に頼もうかなみたいなことは悩んだりします。

でも、基本的に原稿はその執筆した方が書いているし、私が手直しを入れるような原稿もありません。仮にあったとしても、それはその人の色なのでそこはそのまま。

基本はそのまま編集部に送るだけなのでそんなに大変では無いんです。それでも忙しいとメールを送るだけでも手間だなと思う事はありますけどね。

―― 中にはギリギリになっても届かなくてリマインドかけなきゃいけなくなるような人もいたりするんじゃないんですか。

後藤さん:それは皆さん守ってくれるんですよ。
私も最初そうでしたけど、雑誌に自分の文章が載ると思っている人なんていないじゃないですか。だから皆さん喜んでくれるんですよね

「私でいいんですか」「喜んでやらせていただきます」みたいな感じで受け取ってくれて。依頼をした時点からモチベーションが高いので期日を皆さん守ってくれますよね。

―― 皆さん、喜んで書いてもらえるものなんですね。

後藤さん:以前、一度だけ困ったのが都内自治体のSさんに「私じゃ書けません」と断られたとき。それでも解きほぐしてなんとか書いて貰いました。今まで断られたのはそのときだけです。

別にすごい活動をしている人だけがつながる力を持っているわけではなくて、こんな人でも書いているんだとか読者から思ってもらいたいんですよね。特に女性が男性がとかなく、女性でもそういうつながる力を持っていろいろな地区で活動をしていることがこれからは求められるから、Sさんみたいな意識を持っている人が書いてもらえるとありがたいんだけどみたいなやりとりをして、何とか書いてもらえました。

―― 私は、後藤さんに依頼していただいた時はすごく嬉しかったです。

後藤さん:島田さんみたいに「つながる力」で書いてくれた人が、単行本を書くところまで進んだりするのを見るとすごく嬉しいですよね。

―― 私も後藤さんに見出していただいた一人ですからね。

後藤さん:いやいや、決して見出したわけでは無いですけど、何かしらの活動をしていることがその後続かないとそういうふうにはならないわけじゃないですか。続いているっていうことはその人の努力でしかありません。

「つながる力」を書いたときの思いを持って継続的に活動して、他の人からも評価を受けて本の執筆までいったりするっていうのは、すごい嬉しくて。なんていうか切磋琢磨しているみたいで私もがんばらなきゃいけないなぁなんて思って嬉しく思います。

>>「センパイ著者にききました#03/後藤好邦さん②」に続きます。



★ご報告★

おかげさまで初の著書を出させていただきました!

主に若手公務員を対象に「公務員が充実した気持ちでイキイキと働くことが、住民の幸せにつながる」という信念のもと、「自分の人生のハンドルは自分の手で握ろう」というメッセージを込めて書かせていただきました。

そのあたりのことは、こちらの記事でもお伝えしています。

よろしければお手に取っていただけたら嬉しいです。

また拙著に関連する記事はこちらのマガジンにまとめて掲載していますので、併せてご覧ください。


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