ワークショップデザイナーとして《オープンな場》をデザインするなら
この週末は、ワークショップデザイナーとしての資格試験のグループセッションでした。昨年末に審査書類の作成、提出があり、1月は今回のグループセッションと来週の面接試験があります。
私のワークショップに関するスキル・知識は、2017年に学んだ青山学院大学での「ワークショップデザイナー育成プログラム」がベースになっています。
今回チャレンジしているのは、育成プログラムの「修了後、実践を積み、ワークショップを活用して社会に貢献できる資質を持ったワークショップデザイナー」に付与される「認定ワークショップデザイナー」。
今回、グループセッションに参加して、改めて自分がどんなワークショップをやっているのか振り返りました。
そこで感じたのが「私は《オープンな場》のワークショップデザイナーなんだな」ということ。
《オープンな場》とは、誰でも参加できる場。
イベントとして告知をして参加者を募って、申し込みをすれば参加したいひとは誰でも参加できるワークショップ。
「どこからどこまでがワークショップ?」という議論もあるのですが、ここでは参加者同士が話したり、一緒に協働作業をして学んだり気づきを得るような場とします。講義形式で一方的に話して終わる場は、該当しません。
『公務員を語る、公務員と語る』
『beの肩書きワークショップ』
『自己申告書からキャリアを考えよう』
『LIFE SHIFTおしゃべりカフェ』
『LIFE SHIFT 2をみんなで語る朝活』
『タグ付けワークショップ』
などなど、いろいろやってきましたが、どれも情報を見つけて、参加したければ参加していただけるオープンな場です。
オープンな場には、こんな特徴があります。
いい点としては、①▶参加者の主体性が高いことや、②▶好きなように場をデザインできるといったことが挙げられます。
でも、これは裏返すとネガティブな点として、①▶プログラムもファシリテーションも参加者に甘えてしまう、②▶成果に対して無責任になりやすい、③▶場の外で参加者の行動変容に介入できないと考えることもできます。
比較対象としては、例えば経営コンサルタントや組織開発コンサルタントなどが、ある企業から受注して社内で場をつくるようなケース。
関係する社員は否応なしに参加が求められ(⇔①)、クライアントが求める成果につながるプログラムをデザインし(⇔②)、必要であれば組織内でその後を追跡し必要な施策を追加で投入する(⇔③)。
好きなように場をデザインできるわけではないですが、そこには成果に対する責任があり、参加者のモチベーションがどうであっても、何とかしなければなりません。研修としてクライアントの要求に応えて実施するワークショップも近い状況でしょう。
それはワークショップデザイナーとしてはタフな現場に見えます。
それと比べると、私が日ごろ取り組んでいる《オープンな場》は、楽をしようと思えばいくらでも楽ができてしまいます。
誰かに納品するわけではなく、デキが悪いからとって契約したお金を支払ってもらえないという状況にもなりません。
でも、「《オープンな場》は楽でいいね」で終わるわけではありません。
オープンな場だからこそ、クライアントではなく参加者の期待を裏切らない場をつくれるよう、自分の内側から強く意識します。
オープンな場だからこそ扱いやすいテーマもありますし、参加者として設定できる対象もいます。
オープンな場だからこそ、本当にワークショップらしく、その場で起こることをトラブルも含めて受け容れ、意味を見出せます。
ただ、私自身を振り返ると、《オープンな場》であることに対する甘えやサボり心を抱えたまま、実施してしまったワークショップがあるかもしれません。
そこは今回の認定試験を受験したから、改めて反省する機会を得ることができました。
《オープンな場》を預かるのであれば、
・甘えてしまう可能性を肝に銘じて、参加者のために知識と技術と心を尽くして場をデザインすること(プログラムもファシリテーションも)。
・参加者同士の偶然の出会いをともに喜び、楽しみ、そこから始まるコミュニティをデザインすること。
・開催後の継続的な関わりの制約を心得ながらも、可能な範囲で日常への持ち帰りをデザインすること。
これからは、こんなことを心得て、今まで以上に《オープンな場》に挑戦していきたいと思います。
皆さんは、どんな場がいい意味で印象に残っていますか?
また、自らどんな場づくりに挑戦していますか?
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