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センパイ著者にききました#01/村川美詠さん①(全4回)
2月に初の単著『仕事の楽しさは自分でつくる! 公務員の働き方デザイン』を出版した私、島田正樹が、同じ地方公務員として先に本を出版している「センパイ公務員著者」にインタビューをするシリーズをはじめます。
お一人目は、諫早市に勤める村川美詠さんにお話をおうかがいしました。
村川さんは、『公務員女子のおしごと帳』(学陽書房)と『公務員女子のおしごと相談室』(学陽書房)の2冊の本を出されていて、諫早市役所に勤めながら庁内での勉強会や地域を盛り上げる活動などにも取り組んでおられます。
今回のインタビューでは、村川さんが本を書くことになった経緯や想い、そして書くということに対する考え方などお聴きしました。
◆真ん中の「6」の人に向けて書いた本
― 本日は、『公務員女子のお仕事帳』(学陽書房)と『公務員女子のお仕事相談室』(学陽書房)の著者である村川美詠さんにお話をお聴きします。
村川さん、よろしくお願いします。
村川さん:はい、よろしくお願いします。
― 早速ですが、村川さんは、普段どんなお仕事をされているのでしょうか。
村川さん:諫早市役所の障害福祉課長をしています(2021年3月現在)。障害者の介護、療育とか就労支援とか、そういった仕事です。
私ね、20年前にも障害福祉課にいたんですね。一般職で。そのときからすると、障害者が地域で住みすくなるためにいろんなサポートとかが増えています。職員は当時4人だったのが、今は11人になっているとか、年間約50億円なんですよ、うちの課の予算。
― すごい。
村川さん:そう、すごいんですよ。障害者の生活を支えるヘルパーさんの派遣とか入所とか、就労支援として障害者の方がつくって、売って、それを買っていただくとか、そういうことの支援だったり。
国の制度がベースなんですけど、その中でもイベントの工夫をしたりとか、山ほどある事務作業の手順を見直したりとか、そういう意味では、やりがいはあります。
― そんな村川さんが書かれた『公務員女子のおしごと帳』(学陽書房)と『公務員女子のおしごと相談室』(学陽書房)の2冊について、簡単にご紹介いただけますか。
村川さん:えっとね、普通の女性公務員が、明るく元気に働いていくために、こんなことを心がけるといいかも、みたいな、やわらかーい本です!
― すごい読みやすい本ですよね!
村川さん:すごい読みやすい。45分で読める!
― あまり本を読まない人でもスイスイ読めるんじゃないでしょうか。
村川さん:そうなんです。私、これ2:6:2の6の人に向けて書いたんですよ。6の人ってあまり本を読まないから、やさしく書かないと読み進められないじゃないですか。だからすごくやさしく書いたんです。
― 働きアリの話でしたっけ? 組織の中にはよく働く人が2割、普通の人が6割、働かない人が2割いるという法則ですよね。もう少し詳しく教えていただけますか。
村川さん:えっと、2:6:2の人って言われて、よく働く2の人は私の本なんて読まなくても自分でガシガシやっているから。
― うん、よく働く2の人ですね。
村川さん:そう、よく働く2の人ね。まあ働かない2の人はしょうがないので、真ん中の6の人の中の3とか4くらいの人が、少しでもよく働く2に近づいてほしいっていう想いがあって書きました。
― 真ん中の6の人に変わってほしい?
村川さん:自分は2なのか6なのかと考えたときに「私なんてどうせ」っていうような女性が結構いたりするんです。いや、そんなこと言ってる場合じゃないからねって思うんですよね。
― 「そんなこと言ってる場合じゃない」というのは。
村川さん:女性の意見を大事なことを決める場に届けないから、女性が働きづらかったり生きづらかったりするところってあるはず。なのに、せっかく機会をもらっても「いやいや、私美詠さんの後ろに隠れていないと」とか「美詠さんの仲間と思われて登用されたら困ります」みたいなことをよく言われるんですよ。だからそんなこと言っている場合じゃないよって、6の人に向けて書きました。
◆本なんて書けない、最初は断るつもりだった
― 村川さんご自身は、よく働く2の人ですか?
村川さん:どうでしょうね。自分がよく働く2の中にいるとは思ってないかな~。
最初に出版社から執筆のオファーがあったとき、いやいや私は普通の公務員だし、大きな業績もないし、地域で業績をあげたとかでもないから、とても私なんて書けませんってお断りするつもりでいたんです。そうしたら、いや、すごいできる人が書いた本だと読者は「いや、この人だからできたんじゃん」って思ってしまうから、普通の人に書いてほしいんですって言われたんですよね。
考えてみたら、あの村木さん(元厚生労働省事務次官)の本もね、あの方も自分で「内気で人見知りで、普通の女性公務員のロールモデルになりたいって思って働いてきました」って書いておられたので。人からどう見えようと、そういう気持ちっていうか、ちょっと頑張ればできるよみたいなことを、普通の人から言ってもらったら結構きくかなって思って書きました。
― その真ん中の6の人たちに届けるには、特別な人ではなく、近しい立場の人に書いてもらいたいという想いが、編集者の方にはあったと。
村川さん:うん。それを聞いていたら、確かに私が若いときにはそんな本なくて、若い時にそんな本があったら読みたかったー、と思った。じゃあ私が書こうかなーとか言っちゃったんだよね!
― 言っちゃった!?
村川さん:言っちゃった! 2018年の12月にイベントで東京に行ったんですよね。そのときに初めて編集さんと会って。オファー自体は8月にいただいたんですけど、直接お会いできませんかって言われて、12月だったら東京行きますっていってお会いしました。
そのときも、お会いしないまま断るのは失礼だと思ったので、断るつもりでお話うかがっていたら、女子トークで盛り上がっちゃって。ほんとね、そんな本ほしいよねとか言って。じゃあ書きますかっていって、書くことになってしまいました。
― 最初は断るつもりだったんですか?
村川さん:そう。だって最初に連絡が来たとき「これ自費出版の詐欺だ」って思ったもん!
それに本とか書いたらメッチャ目立つし、そんなの私の生活で無理無理って思った。HOLG(連載「“ショウシン”について-村川美詠#1」)で1,600字の原稿を6回書いたのが、自分が今まで書いた中で最高の文章量だったんですよ。ブログとか書いていないから7万字とか6万字とか、書けるわけないやんって思ってたんだよね。
― でも書き上がりましたね。
村川さん:書き上がったんだよね。しかも2冊も書いちゃった!
>>「センパイ著者にききました#01/村川美詠さん②」に続きます
★ご報告★
おかげさまで初の著書を出させていただきました!
主に若手公務員を対象に「公務員が充実した気持ちでイキイキと働くことが、住民の幸せにつながる」という信念のもと、「自分の人生のハンドルは自分の手で握ろう」というメッセージを込めて書かせていただきました。
そのあたりのことは、こちらの記事でもお伝えしています。
よろしければお手に取っていただけたら嬉しいです。
また拙著に関連する記事はこちらのマガジンにまとめて掲載していますので、併せてご覧ください。