やりたいことはなくてもいい。でも、やりたいこととの出会いは閉ざさなくていい。
皆さんは
「やりたいこと、ありますか?」
と訊ねられて、どんなことを思いますか。
「あるある! 実はね……」と訊かれたのが嬉しくて軽やかに話し始めるでしょうか。
それとも「うーん、やりたいことと言われても……」と困ってしまうでしょうか。
私は「2枚目の名刺」つまりは仕事以外の活動について発信しているためか、「やりたいことって、どうやって見つけたらいいんですか?」と質問されたり、「特にコレといってやりたいことがなくて、何をやったらいいのか分からないんですよね」と打ち明けられたりすることがあります。
ちょうど年の初めで「今年の目標」とか「○○宣言」とか、皆さんもご自身のことであったり、他者のことであったりいろいろな「やりたいこと」と向き合うことの多い時期かもしれませんね。
「やりたいこと」
これって、ある方がいいことのような雰囲気がありませんか?
「やりたいことがある」って言う方が「やりたいことなんてない」って言うよりカッコいい気がする。
「やりたいこと」のための努力の方が「やりたいことがない」けど努力するよりがんばれる気がする。
「やりたいこと」のための無茶は挑戦だけど「やりたいこと」がなくて無茶するのはただの無謀な気がする。
でも、「気がする」だけで実はそんなことないんですよ。
「やりたいこと」は、なくてもいいんです。
もちろん、あってもいいけど、そこに優劣があるわけではありません。
にもかかわらず、「やりたいこと」がある方がいいような空気を感じると、小学生や中学生の頃に無理やり「夢」を書かされたあの教室の嫌な圧力を思い出します。
じゃあ、何で私たちは「やりたいこと」がないときに、ちょっとだけ心もとない気持ちになったり、モヤモヤしたりするのでしょうか。
それは上述したような社会の雰囲気だったり、SNSのタイムラインのまぶしい投稿の影響も大きいのですが、もしかしたら「やりたいことがある方が楽」だからではないでしょうか。
やりたいことがあるひとの方が周りも応援しやすいですし、協力も得やすそうです。大変な状況でもがんばれそうです。そして何より、やりたいことのためだと思い込めれば、余計なことを考えずに目の前のことに打ち込めます。これって心にとっては楽ですよね。
「早く、やりたいことを決めて、楽になりたい」
そんな心の欲求があるのかもしれません。
そういえば、ひとの脳は「決まっていない不確かな状態」が嫌い、なんていう話もどこかで聴いたことがあります。
もちろん、やりたいことを定めて、覚悟を決めてから始まる地獄があることも「頭」は知っているのですが。
逆に考えると。
やりたいことが明確になっていないけど、それでも日々の仕事や学びに一所懸命に努力し続けられることは、すごいことなのかもしれません。
いずれにしても、「やりたいこと」を見つるべきという圧力はまやかし、そんなものを感じる必要はないよということ。
やりたいことがなくても、毎日健康で、仕事に学びに遊びに充実しているなら、何も文句はありませんよね。
あぁ、朝起きて食べる卵かけごはんを美味しいと感じる瞬間のなんと尊いことか。
「そんなこと……」と言わず、その素晴らしさを感じられたら、その分だけ幸せに近づくはずです。
やりたいことのない毎日、バンザイ。
ただ、「やりたいこと」との出会いを自分から遠ざける必要もありません。
それは例えば、誰かがもたらしてくれた機会を「経験したことがない」というだけで「コレは私のやりたいことじゃない」「こんなことは私にはできない」と距離を置いたりしないということ。
それが「やりたいこと」の種になる場合があるから。
新しい体験でも、ひととの出会いでも、微かにでも心動くような瞬間があるのなら、自分の価値観に縛られず、素直に心が動いたことと向き合うといいと思うんです。
無意識に扉を閉めてしまわないように、触れると何故だか心動くそれに対して、自然体で素直に向き合うことだと思います。
素直に心が動いたことと向き合うというのは、意識して「やりたいこと」を探しているひとにもおすすめします。
まとめると。
「やりたいこと」を求めるのは、楽になりたい自分の心。
「やりたいこと」はなくてもいい。
でも、「やりたいこと」の種との出会いは閉ざさなくていい。
皆さんは、いかがお考えでしょうか。
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