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香りに敏感すぎる問題

これまであまり公言してこなかったのだが、私の「香りに敏感すぎる問題」についてお話してみようと思う。

(…あ、まって。どうでもいいとか言わないで笑

暇つぶしにでも、お付き合いいただけると嬉しいです。)


私はおそらく、無意識のうちに人間を香りで判別している。

普通の人が、顔の形や声で人を1人ひとり判別するように、私にとってはその要素の1つとして「香り」が大きく存在しているのだ。

この人はこの香りだな、とおおよそ記憶していて、分かっていると安心する。職場の人たちを1人ずつ1列に並べて、私が目隠しをして香りを嗅いで人物を言い当てるような実験をすれば、おそらくほとんど当たると思う。

うちの部署の同僚が別の部署の人と結婚したときにも、2人が同居し始めると同時に2人から同じ香りがするようになったので、そこで2人は一緒に暮らしてるんだなぁと私は人知れずしみじみ実感していた。


香りを細かく判別できる分、好きな香りの人と苦手な香りの人が存在する。

好きな香りの人は近くに行って空気をくんくん吸いたいくらい好きだが、逆に苦手な香りの人と同じ空間に長時間一緒にいるのはかなりきつい。あぁ、想像しただけで呼吸が苦しくなりそう…

何をもって人間の香りには違いがあるのか、いつかテレビで言っていた受け売りの情報なのだが、皮膚の表面にいる常在細菌叢の種類や活動状態によるものらしい。それはその人の遺伝的な性質であるので、香りで嗅ぎ分けるというのはつまり、遺伝子レベルでその人と自分の相性を判断しているらしいのだ。

仲良しのバーのマスターにその話をしたら、「なんかすげーな、それ。羨ましい!」と言われたが、全然羨ましがられるようなもんじゃない。私にとってはマジで厄介でしかない。

この特技のせいで私のストライクゾーンは確実に狭まっている。

どれだけ顔がタイプで性格も合うと感じる男性だとしても、香りが苦手だったらすべてがぶち壊しなのだ。絶対に長時間一緒にいられないし、一緒に暮らすなんてとても考えられない。抱きしめられたりなんかしたら苦行に耐える僧侶みたいな表情になってしまいそう。虚無。

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さて、この嗅ぎ分け能力(?)はどうやって身に着いたのだろうか。

それは私の極度の人見知りから端を発していると思われる。

中学生、高校生の頃の私は、今では想像もつかないくらいとんでもなく人見知りで、通りすがる人と目が合わないように人が近づいてきたら下を向いて歩いていたし、教室でも友達と話すとき以外は景色や机の上、黒板を眺めるようにしていた。会話するわけでもないのに人を正面から見つめるのが恥ずかしいと思うくらいに自意識過剰だったし、万が一目が合ったときにうまく反応できる自信がなかったからだ。

そんな私が編み出した、顔を見なくても人を判別する方法。それが香りと靴を記憶しておくことだった。

私の机の横を誰かが通りすぎるとき、下を向いていても全員の香りと靴を覚えておけば誰なのかほぼ100%分かる。

おかげでクラスメイトのスニーカーやローファーは把握していた。みんな何足か持っているが、そのほとんどをだ。

我ながらまじでキモすぎる。

この場を借りて懺悔したい。クラスメイトのみなさん、ごめんなさい。


当時クラスに人生で一番苦手な香りの男子生徒が1人いた。その香りがもう、かなり強烈だった。彼の横を通るときには息を止めないとしんどいくらい苦手だった。例えるなら、コアラのマーチに黒糖をぶっかけて、それを数か月放置して腐乱したような香りだ。(ちなみに実際に腐ったコアラのマーチの香りは嗅いだことありません。)

学生時代、真面目な私(自分で言っちゃう)はよく図書館で勉強していたのだが、ある日図書館に入ると同時にそのコアラのマーチ腐乱臭がブワっと鼻を刺激した。「うわっ!彼がいる!この図書館のどこかに絶対彼がいるぞ!」と私の香りセンサーがピピッと察知。自主勉強スペースは図書館の入り口からかなり離れていて彼の姿は見えなかった。

どうしても気になって、確認のため自主勉強スペースに行ってみるとやはり彼が座って勉強していた。

なんでみんな彼の香りに言及しないのか、当時は不思議でならなかったのだが、別に彼がクサいとかコアラのマーチがどうとかクラスの誰も話題にしたことはなかったので、ただ単に私と彼は遺伝子レベルでとんでもなく相性が悪かったんだと思う。

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そんな私は自分に香水をつけるとその香りでやられて気分が悪くなってしまうことが多くて苦手だったのだが、最近好きな香りに出会ってからはすっかり香水の虜である。

好きな香りに24時間包まれていられるなんて、何て素晴しいんだ。

途中で香りが変わっていく変化も楽しい。

その日の気分で香水を選ぶのも楽しい。

これからは好きな香りの香水を見つけて、じゃんじゃんつけていきたい。(迷惑にならない程度に)


最後に、今お気に入りの2種類の香水をご紹介したいと思います。

●ロクシタンのマグノリア

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 艶のある、色の濃い綺麗な花びらを連想するような、女性らしい香り。

●ユイルアンティークのリケンデコス

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 深い森林のようなしっとりした清潔感のある香り。


です!

あぁ!長々と自分語りしてしまった。

読んでくださった方がもし1人でもいらっしゃったらもう本当に感謝です。

ありがとうございました。


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