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金持ちが得をする社会のしくみ

とある大手ドラッグストアチェーンの会長が、コロナウイルスワクチンを接種開始の初日に受けられるよう地方自治体に働きかけ、不正に予約したというニュースが、ここ数日テレビやネットで声高に報道され、批判を浴びている。

多くの高齢者が感染のリスクにおびえて接種を待ちわび、我先に予約をと電話で何度も問い合わせている状況を考えると、権力にものを言わせて自分だけが安全安心に生き延びたいというのは、とても許される行為ではないと思う。

しかし、このニュースが大きく取り上げられていることについて、正直なところ私は少し驚いた。

今更そんなに驚いたり批判したりしなくても、世の中はずっと前からそういうふうに回っている。

金と権力のある人間が得をするようにできている。

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最近私がそれを実感したのは、新車の購入を検討していたときのこと。

支払方法の話になったとき、「カード払いできますか?」と私がメーカー担当者に尋ねたところ、「カード払いできる金額には上限があって、数十万円しか使えません。高級車のメーカーではカードで一括できたりするんですけどねぇ。一般的にはローンを組んで払う方が多いですよ。」と言われた。

数千円の買い物であればカードでも現金でもそう変わりないが、数百万円の買い物となると話は別だ。カード払いできればかなりのポイント(還元率によるがおよそ数万円分)がつく。私は一般人でお金にそこまで余裕がないからなるべくポイントをつけて得したいのに、普通の自動車メーカーではポイントがつかず、お金持ちが高級車を買うときにはしっかりポイントがつくとはどういうことか。

テレビのCMではスタイルの良い綺麗な女性が「お金がなくても、月々〇〇万円で新車が買えるよ!」といかにも素晴らしい話のように消費者へアピールしているが、騙されてはいけない。月々に支払う金額が少ないということは、それだけものすごい回数のローンを組まされて、現金やカード一括で支払えば払う必要のないはずの数十万円ものお金を延々と搾り取られるということなのだ。

まさにお金のない人が余分に利子を払わされ、お金持ちが得をする仕組みだと思う。ただ「新車を買う」という行為ひとつとってもこの有様だ。

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そのほかにも、私が知る範囲だけでもこういった差別、格差はたくさんある。

海外旅行へいこうとしたとき、国際ターミナルのラウンジは2種類用意されていて、一般向けのただ椅子が並ぶだけの簡素なラウンジと、もう1つはゴールドカードやブラックカードを持つお客様向けの高級ラウンジ。

高級ラウンジには座り心地の良いふかふかの椅子が並び、フルーツやサンドイッチなどの軽食がバイキング形式で並び、ビールやワイン、その他たくさんの種類の飲み物が飲み放題だし、パソコンをつなげる無線LANがいくつも用意され、大きなテレビが設置されて、みな優雅にくつろいでいる。

両方のラウンジに行かなければずっと知らないままだが、実際のところは腹がたつくらいものすごい差をつけられているのだ。

立地の良い、1部屋数千万~数億円するようなマンションを金持ちがいち早く購入し、賃貸マンションとして売り出して高い家賃を受け取り続ける。

金持ちが高額の掛金をして株で儲ける。


…一方、低所得者ほど低賃金で肉体労働を強いられて毎日疲れ果て、仕事帰りに外食し、酒を飲む。エンゲル係数は上がる一方だ。

日頃のストレスを解消するために毎日タバコを吸う。タバコはどんどん値上げ。

パチスロでせっかく稼いだお金をとかして消費者金融に手を出す。高い利子で支払えなくなり複数の消費者金融で自転車操業、借金がどんどん膨らむ。

お金がなくて心に余裕がなくなり、甘いうたい文句に誘われて快楽におぼれ、貧乏人からますますお金がなくなる仕組みがちゃんとできているのだ。

資本主義を全面的に打ち出すアメリカほど貧富の格差は表面化していないかもしれないが、日本ではしれっと、分かりにくく、でもちゃんと格差は存在している。

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ここで大手ドラッグストアチェーン会長の不祥事に話を戻したい。

このように富裕層の人間たちは普段から、黙っていても様々な局面で優遇されてきているのだから、コロナウイルスの脅威により命の危険にさらされている今の状況で一般人よりも自分が先にワクチンを受けられるようにしたいと考えるのは、ある意味当然の流れではないか。

残念だけどそう思う。仕方ない。

書いてて思ったけど無力感がすごいな。くっそー。

あーあ、金持ちむかつくぅ。


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