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美味しくない食べ物は忘れない
大学のときの友だちとベトナム料理屋へ行った。
友だちにコース料理を予約してもらっていた。
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野菜やスパイスたっぷりでどの料理も凝っていて美味しかった!
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デザートに黒ごまアイスがついてきた。
デザートを食べながら、黒ごまアイス美味しいね!と友だちに話したら、友だちが黒ごま味の食べ物についての思い出を話してくれた。
中学の頃修学旅行で友だちが京都に行った際、クレープ屋さんで黒ごまプリンクレープとやらを頼んだらしい。黒ごまプリンクレープなんて、今までクレープ屋さんで見たことないからチャレンジしてみよう!と思った友だち。注文して受け取ったクレープの中身は、黒ごまプリンがドーン!そこに生クリームも入ってる、というだけのものだった。他に何か工夫を凝らした具材やソースが入っている訳ではなく、友だちはただただこれは黒ごまプリンの味だなぁと感じながら食べたらしい。そんな黒ごまプリンクレープのことを、黒ごま味のものを食べる度に今でも思い出すらしい。
美味しかった食べ物のことは割と忘れやすいけど、美味しくなかった食べ物はものすごく印象に残ると思う。
私は以前、アート部でIKEAレストランに行った際、「セムラ」という名前のケーキを食べてみたことがある。なんだか名前も見た目もおしゃれで甘くて美味しそうだったからだ。でもいざ一口食べてみたら、想像していた甘いスタンダードなクリームの味ではなく、スパイスが効いていて甘くなく、私にとっては馴染みのない味だったため、かなりショックを受けてしまった。残してしまったセムラは「私はこの味食べられるよ!」と話すHさんにほとんど食べてもらった(ありがとう)。
あと、もぬちさんと街で見かけた美味しそうなシフォンケーキを持ち帰りして食べたことがある。美味しそうだね!早く食べたいね!とワクワクしながら私の家に向かい、コーヒーやお茶を淹れてシフォンケーキを食べたところ、どう考えてもそのシフォンケーキは洗剤の味がして、これまたショックを受けた。かなり食べるのを楽しみにして持ち帰ったのに、期待を大きく裏切られてしまった。それ以来しばらく、私ともぬちさんはシフォンケーキ全般を警戒するようになってしまった。
美味しかった食べ物の話よりも、セムラやシフォンケーキの話の方がまずかったよね?!と盛り上がるし、忘れない。
ベトナム料理を一緒に食べた友だちも、美味しくなかった食べ物の方が覚えてるんだなぁ〜としみじみ思ったのだった。